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高性能住宅とは?高断熱だけでも高気密だけでも高耐震だけでも良い家にはなりません

この記事は以下のようにまとめていこうと思います。

・僕が思う住宅に求められるもの
・高性能住宅とは
・なぜ一般化しないのか
・高性能住宅を手にするためには

・僕が思う住宅に求められるもの
「家が欲しい」そう思うときのシチュエーション、たいていは結婚や出産が終わって、子育ての場として、これから住む場所が欲しくなった。こんなもんだと思います。
自分の場合は補助金の関係もあって子どもが生まれる前になりましたが、やはりビジョンとしては子育てとその後の人生を見据えていました。
50年間以上、自分が、妻が幸せに暮らしている姿を想像しながら家づくりをしました。
家が建ったいまでも、やはり変わらない考えの一つです。
住宅に必要なもの、それは「住み続けられる安住の地であること」だと思います。
考えてみてください。あなたが身につけているもので、最も長持ちしているものはなんですか?普段から使用しているもので、ずっと使い続けているものってありますか?
ほとんどのものは毎日使っていたら数年でダメになることがほとんどと思います。
ですが、家はそんなわけにはいきません。毎日そこで暮らし、毎日安心していられる場所、それが家です。そこが、暑い寒い斜めだ気分が悪くなる軋むなどなど不満の巣窟になっていたらどうでしょうか?
住宅は温かく、涼しく、気持ちよく、リラックスして無防備でいられる場所であるべきです。しかも、それが永続的に不変的にあるべきです。落ち着いた気持ちになれる場所であるべきなんです。

もしその家が住むものにとってそうでない場合、その家の価値が下がると思うべきです。
「いまの家は技術が進んでいるから大丈夫」
「信頼の大手メーカーだから大丈夫」
なんて甘いこと考えると、これから数十年間、
「こんな生活想像してなかった」という思いにかられ、後悔してしまう人も現れます。

・高性能住宅とは
住宅に求められることとして、「温かく、涼しく、気持ちよく、リラックスして無防備でいられる場所であるべき、それが永続的に不変的にあるべき」としました。これを叶える住宅が高性能住宅だと思います。
そのために必要なものはなんでしょうか
まず耐震です。大地震が来たときに、それでも住み続けられるほどまで耐震を高めることで、普段から振動しにくい躯体が得られます。住んでいてこの安心感は大切です。
次に断熱です。日本は四季によって暑くも寒くもなる過酷な環境です。また多湿や乾燥にも悩ませられますが、湿度も広い意味では熱と捉えられますので、断熱によって温度、湿度の変化から私たちを守ってくれます。体感ですが、疲れも取れやすくなるし、体調をコントロールしやすくなります。
そして気密です。どんなに断熱したとしても、隙間風が通り抜ければ外環境の影響を受けてしまいます。どれほど断熱材を使ったとしても、気密処理を怠ったら温度差にストレスを感じ、住み方に制限を受けます。
さらに換気、空調も重要です。どんなに温度湿度を管理しても、酸素が足りない環境では休息できませんし、外環境にあるアレルゲンの流入も防ぐべきです。外の冷たい、熱い空気を浴びてしまうのも不快です。
また日射遮蔽、取得も重要になります。暑い日に日射を遮る、寒い日には取り込むことは設計によりある程度コントロールできます。快適のためには空調が必要不可欠ですが、日射のコントロールは省エネにつながります。
以上のことが一つ一つ重要ですが、これらはそれぞれが関わり合って快適な環境を生み出します
耐震が断熱気密を守り、断熱気密が耐震を守ります。計画された換気空調が断熱気密と組み合わされて快適な環境を作り出します。どれかが不要ということはなく、すべて組み合わされてはじめて高性能住宅として私たちを守ってくれる住まいになるのです。

・なぜ一般化しないのか
この高性能住宅、多くの人が望む当たり前のことのようには思えないでしょうか?夏に涼しく冬に温かく過ごせる家は誰でも欲しいはずです。また地震大国日本において、避難所と同等の耐震性があることは重要なことではないでしょうか。
むしろ当たり前にすべての住宅がこうであるべきなのに、それが行われないのはなぜなのか。
「やってもやらなくても同じ。売れるものはそれ以外でこだわったもの。いまの商品で十分だ。」
売り手がこう考えているというのが僕の考えです。買い手が何も知らないことをいいことに、数を売っている有名どころは売れるものをとにかく作ります。
実際の耐震等級はどれも変わらないのに、「当社だけの〇〇工法」
実際の断熱等級は変わらないのに「独自の〇〇フォームを使用した断熱性」
サッシに至ってはどう見てもデメリットのハイブリッドなのに、どちらの利点も兼ね備えているかのように語るものが未だにあります。
このような宣伝文句だけで他社との差をアピールして売る。そんなことばかり見られています。


・高性能住宅を手にするためには
住宅購入は人生でそう何度も経験することではありません。一回で必ず成功しなければならない人生の超重要イベントです。直感に頼ってしまっては必ず後悔します。何年も何年も「なんであのときもっと考えなかったんだろう。」こんな思いがよぎることでしょう。住宅購入に関しては、こんな後悔はなるべくしないように慎重になるべきなんです。
また買えばいいやと思えるならば考える必要はありませんが、僕のように35年ローンを組むような方は絶対に甘く考えないことです。
スマホやパソコンを買い替えるのとはわけが違います。
大手メーカーが全く信用できない住宅産業では、「直感、感覚を信じないこと。正しい知識を学ぶこと。それを放棄しないこと」これだけが今できることです。簡単な道はありません。

今回は以上です。

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