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偈頌:私は今嫌な気持ちになっています


ふとした瞬間に訪れる

不愉快な出来事

身体は硬くなり 呼吸は浅くなる

この気持ちを外に出してはいけない

余計な連鎖をつくってはならない

私は今嫌な気持ちになっています

私は今嫌な気持ちになっています

私は今嫌な気持ちになっています

そして私は この気持ちを手放します


嫌な気持ちになったり、不愉快になったりしたとき、内側で怒りが生じています。人間の感情の根っこにあるもののほとんどは怒りです。怒りは必ずしも悪いものではありませんが、これを感情に任せたまま外に出すと、まず物事はうまくいきません。怒りを覚えたときには、何もしないことです。そして、その事実をまず自分のなかで受け入れることです。そのあと、嫌な気持ちが落ち着いたらゆっくり手放しましょう。手放したあとで、それでもその人に対して、きちんと言っておく必要があるならば、私はこういう理由で嫌な気持ちになりましたと素直に伝えましょう。
僕もときどき嫌な気持ちになります。だけれど、それをすぐに外に出さないようにと、何度も自分のなかで唱えます。3回唱えれば、状況がわかってきます。状況がわからないからこそ、嫌な気持ちになったともいえます。怒りは人を傷つけ、さらなる不快の連鎖を起こします。そして何より、自分の不快の感情が余計に増幅します。相手も自分も、さらにしんどくなってしまう。人は感情を持っています。嫌な気持ちにならないようにすることはできませんし、それは逆に危険です。でも、このふと訪れる心の内側の嵐は、相手と自分を守るためにふるまうことは可能です。しかもこの嵐は長くて1分でしょうか?そんなに長く続きません。慣れてきたらむしろ「あのときに何も言わなくて本当に良かった、大事なあの人と自分を守ることができた」と思えるようになります。
このように振る舞う術を訓練していくことは、人間の成熟につながると信じて、努力しています。簡単なことじゃないからこそやりがいはあります。

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