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「お祭りの日」のピアノ

「お祭りの日」は最初から最後までピアノが参加する曲です。メロディとしては strings が主役っぽいですが、バックで頑張っているピアノについて解説します。

テーマ1

イントロはピアノとドラムスだけで始まりますが、ピアノの最初のメロディは後で何度も繰り返し出てきます。

(fig.1) theme 1

作曲をしようと考えている人なら、このメロディは流石に「思いつけない」ことはないと思います。

リズムを無視すれば、AFGC・AFGC・AFGF(ミドレソ・ミドレソ・ミドレド)、これと同じメロディが使われている曲がいくらでもありそうです。

例えば、学校のチャイムにも使われている、イギリスのビッグベンの鐘の音は、ドミレソ・ドレミド・ミドレソ・ソレミド、ですね。3番目がミドレソです。

このメロディで注目して欲しいのは最後のAFGFがFで終わっていることです。2回 AFGCを続けたので、もう一度 AFGC でもいいのに、なぜ変えたのか。このあたりはノリというか、なんとなく変えているので理由や原理は説明できません。

テーマ2

もう1つ、何度も出てくるピアノのフレーズがあります。

(fig.2) theme 2
(fig.3) theme 2 のピアノロール

こちらはちょっと複雑です。誰でも簡単に思いつくようなものではないと思います。個人的にも、もう一度思いつけと言われても作れる気が全くしません。

特に注目すべきポイントは2つあります。

まず、10小節の 7/8 拍目、fig.3 の 10.4 の所に、 下からB♭3、D4、A4という和音があります。

これがB♭3ではなくA3にするか、あるいはA4ではなくB♭4であれば分かりやすいのですが、上と下の前後の音階を安易に繋げたらこうなった、という話です。響き的にどうなのという疑問はありますが、気にしません。

2つ目は、11小節の頭、B♭でなくBなのは何故か。理由は一つ前の音にあります。10小節の最後は B3とE4です。B♭3ではなくB3なのです。このBの音が次の小節に続いている、と考えられます。

適当に打ち込んだらこうなった

実際はこの2つのポイントを考えながら音を打ち込んだわけではなく、適当になんとなく音を入れたらこうなっていた、というのが正解なので、理屈は完全に後付けです。

私はピアノが弾けないので分からないのですが、ピアノがかなり弾ける人なら、この程度は楽譜を見て初見でサラっと片手で弾けるのでしょうか。一番上の音と一番下の音のリズムが違うので、それだけでもイラっとしそうな気がするのですが。

余談

ピアノソロ版

この曲は、ピアノパートだけで演奏したピアノソロ版を作ろうと思ったことがあるのですが、低音部をうまく追加することができないので挫折しています。

左手のパートが入っている箇所はありますが、他の楽器と同時に音が出ることを想定しているので、ピアノだけで演奏すると物足りないのです。

「小さい妖精の踊り」はピアノソロが先にできて、そこに他の楽器を足していったので、ピアノだけで演奏してもバランスがいいのですが、「お祭りの日」はテーマ1、テーマ2以外の箇所はどちらかというとピアノのパートが後付けになっているので、その影響のようです。

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