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いつかティファン屋で朝食を:カレー哲学の視点(22/2/5〜22/2/11)

「カシミール」という言葉を聞いて一番に思い浮かべてしまうのは「カシミールカレー」ではないだろうか。シャバシャバ、漆黒、ケミカルなにんにく臭、甘さと辛さを併せ持つ日本米に合うカレーだ。





カシミール料理について調べていると、デリー系列のカシミールカレーばかりが検索結果にヒットする。カシミールには存在しないカシミールカレーという名前は、本当は「マドラスカレー」だったらしい。それがどういうわけか印刷業者にメニュー原稿を渡す際、うっかり「カシミールカレー」と書いてしまう。

そんなことあるか?どういうわけ?ということをツイッターに書いてみたら公式から教えてもらいました。

どうやら、当時開発していた「カシミールティー」という商品のことが念頭にあったため、間違ってカシミールカレーという名前を書いてしまったのではないかということらしい。

まあそんなこともありますよね。カシミールカレーはもちろん大好きです。デリーとボンベイだけでなく、オマージュも含めて色々なお店でカシミールカレーが食べられます。お店によってかなり味が違うので食べ比べてみても楽しそうです。

カシミール試作会

2月はカシミール料理についてゼミ活動を行い、リサーチと試作を進めていました。まとめとしてまた別途レポートを作成しますが、購読者限定パ
ートでゼミキックオフミーティングで使った資料を共有します。

カシミールは歴史的にムガル帝国の避暑地になっていたこともあり、豪華絢爛なノンベジ料理がたくさんあります。特にワーズワーン(Wazwaan)と呼ばれる祝宴料理が有名で、婚礼の際などにはワザと呼ばれる専門の業者がやってきて大量に料理をつくります。正式なワーズワーンのコース料理は何十種類もあり、伝統的にレシピは専門の職人たちの間での秘密とされてきたみたいですが、実際は肉料理を中心に数種類乗るくらいが普通だとか。

ワーズワーン(Wikipediaより)

さて冒頭で触れたカシミールティーというもの。ヌーンチャイ(塩チャイ)ともいい、キャッチーなピンク色をしています。

紅茶ではなく緑茶を使い、煮出したら重曹を入れて煮詰めることでpHが変化してピンク色になります。上にナッツなどをトッピングしてもおいしいです。

本物かどうかわからないけどパキスタン政府のアカウントでも紹介されていました。


いつかティファン屋で朝食を

気合を入れてスリマンガラムのモーニングめがけて7時開店前の6:30頃に経堂に降り立った。電車を降りた瞬間にメガネが曇るほどの気温だったが無事に一番乗りを確保した。

まあ、開店まで他の客は誰も来なかったんだけど。

座席に通されメニューを眺めるや否や、興奮してイドゥリ、ドーサ、ウプマ、ポンガルまで片っ端から頼んで端から端まで食べた。


うまい。うますぎる。心はチェンナイで食べた朝ごはんにトリップしていた。南インドの街の路上では朝も早くからそこら中にイドゥリやワダを売っているおじさんがいて、ワックスペーパーの上に乗せたティファンにバシャッとサンバルやチャトニをぶっかけてくれる。手でぐしゃぐしゃにしてから一気に食べる。

朝食を終えて満足気な腹を抱えながら歩いていると段々と気温が上がってきて蒸し暑くなり、それから激甘のチャイをキメる。

イドゥリが安定しておいしいお店ってなかなかないし、ティファンを朝からやってくれるインド料理店がほとんどない。いつかティファン屋が満ち溢れる日本にするべく、ティファンのお店でもやりたいなぁ。

バスマティライス図解

以前やったバスマティライス比較実験を改めて図解にまとめてみました。
次のバスマティライスを買う際に参考にしてください。

それぞれのバスマティライスの最高の炊き方に関しては課題になっていたが、炊飯器で炊く場合は米の重量の1.7倍の水を加えて炊くのが定番となっている。

 INDIA GATE Premiumの湯取りに関してはこちらのnoteが参考になる。



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