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旅に出られない僕たちが東京にインドを作るために始めたカレーシェアハウス東京マサラ部室ですが、早いもので設立より半年が経過しました。まだまだインドは完成していませんが、少しずつカレープレイヤーの集まる場として機能し始めています。数字で言えば、いままでに500を超えるカレーが作られ、来客述べ人数は100人を超えました。 カレーシェアハウスで生み出されたカレー、遊びに来てくれた人、カレーの基礎研究レポートについて発信するカレーシェアハウス公式マガジン『東京マサラ部、インドを作る』
インド滞在で飲んだチャイを数えてみたら71杯だった。チャイを通してみたインド旅の景色を少しお裾わけしてみようと思う。 インドでは暮らしと共にある「チャイ」という庶民の飲み物。チャイのあるところに人が集い、心緩む瞬間にはいつもチャイがある。 チャイというのは本来は単に「茶」のことを指す言葉だが、日本ではインド式のスパイスの入った煮出しミルクティーのことを連想するだろう。ちなみにインドではスパイスの入ったチャイはあまり一般的ではなく、入っていても生姜とカルダモンくらい。あえて
今回のインド旅でコルカタの次に訪れたのはオリッサ州プリーだった。プリーは海辺の古い街でジャガンナート寺院で有名な古都だ。オリッサには一週間くらいしかいなかったけど基本的にメシうまだった、ということを伝えたい。 オリッサの食については以前1ヶ月調査したときに色々作ったのだが実際に現地で食べた食事は思った以上に美味しかった。 夜行バスでコルカタから一晩でたどり着き、降りた瞬間に耳元で「オートリキシャ?」って日本語のイントネーションで言ってきたやつがいて笑いそうになった。悪魔の
無職になったしインドでも行くか、と思って旅に出て、いまはコルカタにおる。たまたまひょんな縁でコルカタに25年以上住んでいる日本人のドン的な方を紹介してもらうことができ、日本語教師のSubhaさんの家庭でホームステイをさせてもらった。Subhaさんは教員ということと日本語がわかるということが影響しているのかとても面倒見が良く、笑い方は日本人のよう。 コルカタは人々も穏やかだし文化と芸術に満ちている。デリーが政治的な中心地でムンバイが経済の中心地だとしたら、コルカタは文化の中心
無職になったのでちょっとインド行ってくる。ものを書く人であり続けるために暇な時はとにかく書きたい。いま目撃していることは世界にとって最も新しい出来事だ。ただ、書くことが己の体験を侵食してしまうということは忘れてはならない。何事も純粋に味わえなくなる。それはある種卑しい態度だと思う。極端に言えばスマートフォンを掲げながらライブ鑑賞をするようなものだが、それによって一回性に宿るアウラは別に失われるものではないとも同時に思う。 コルカタinチェンナイoutでいきます。今回初めてバ
ビーウィルソン『キッチンの歴史』が面白かったので読書メモと内容の要約を書いておく。カレーとは直接の関係はなく文脈の本ではあるが、内容は応用できる部分も多いのではないか。月並みな感想だが、古今東西あらゆるトピックが登場するため読み応えがある。食文化研究という意味では大変参考になりそうな文献。10年前の本ではあるがツイッターやスマートフォンなどハイテクな単語も登場し、キッチンから見た人類史をざっと見返せる良本。 本の概要・個人的思考と思われているものの多くが、実はテクノロジーの
今年も大変お世話になりました。メンバーシップ加入者の方向けにご挨拶とお知らせです。 2023年もいろいろありましたが、応援して下さりありがとうございました。皆様のおかげで少しずつですが活動が前に進んでいる気がします。どっちが前なのかはよくわかりませんが。 「日本にインドをつくる」という、漠然としつつも壮大なプロジェクトを始めたのが3年前で、今年で4回目の年末となります。 2020年末は72時間で72種類のカレーを作り続けるという初期衝動の塊のような企画をし、2021年末
・ちょっとした日々のメモをのこしておくのが大事だと思いつつも、なんだかんだ言い訳をして何も残っていないまま消えていったことも多い。来年も続けていく前提で、毎日触れた物と食べたものについては少なくとも書くことを習慣づけたい。眠い。何も考えずに安心して書ける場所として限定記事を使う。 ・東京カリ〜番長のイベントについてリーダーにインタビューした記事を書きました。ここに書けないような話も結構聞いたな。
チャイはお好きか。冬になりギーが固まり始めたが、最近はまた気温が下がり、温かいものが飲みたくなったという人も多いのではないだろうか。そんなときこそチャイの出番である。 今回の記事では、吉祥寺にある武蔵野デーリークラフトミルクスタンドの木村さんをご招待し、牛乳の基礎知識をレクチャーしていただきながら、異なる牛乳を使ってチャイを作り、それぞれの特徴を洗い出した上で考察をしてみた。 チャイと言うのは単なるお茶を意味することもあるが、今回はインドを起源とするスパイスミルクティーと
ただの日記です。 福岡に引っ越した、腕にパクチーのタトゥーを持つ者と再会した。実に四年ぶりだった。以前会った最後の記憶は池袋で、おむつ交換の香りが漂うお店だった。人間は急に結婚したりするので驚くが、本人の中では歴史の流れの上であり、それは急なことではないのだろう。 公園を通ると200人ほどのネパール人が行列を成して歩いていた。大橋あたりを中心に福岡ではネパール人が大量に暮らしているという。バーベキューでもするのだろうか? とあるカレー屋さんに向かうと、店の前で坂を登って
某店のカレーを摂取した人から、トリップ症状を体験したという報告が相次いでいる。 ある人はそのカレーを食べた数十分後に耳が遠くなり、目の前が霞み、身体感覚が変容し、手足がどこまでも延々と伸びていくような感覚に陥ったという。そのあと短時間で元に戻ったものの、その症状はある種のインドール系幻覚剤を摂取した際の意識変容、いわゆる"トリップ体験"と酷似している。 本稿では、物理的な旅と対比される精神的なトリップを引き起こす、「カレー」のドラッグ的な側面について考察していく。 ドラ
プネー出身のインド人友達のお母さんから、西インドマハラシュートラの料理を教わった。コロナ前にインドに行った時には友達抜きで実家にお邪魔し、家庭料理を教えてもらった思い出がある。そのときはSambarの起源と言われている酸味の効いた豆料理Amtiなどを教わった。 今回はナヴァラートリーというインドのお祭りがあり、お母さんは9日間の断食の最中。果物やサブダナ(タピオカ)くらいしか食べられるものがなかったにも関わらずわざわざ遠くから材料を準備してきてくれて、時間をかけて料理を作っ
会場参加権が抽選で当たり、せっかくなので参加してきた。会場は新しいnote placeで、四谷から徒歩3分くらいのWeWorkの中。どうでもいいけどWeWorkって「イワーク」っぽく発音してしまうな。前のnote placeはイベントので行ったことがあったのだが新しい場所は初めて。キッチンスペースはなくなり、自分がやったのが飲食のイベントとしては最後だったらしい。 対談はスープ作家の有賀さん。9割くらいは稲田さんが喋っていたが、面白い内容だったので聞いていて75分があっとい
先日KOKUYO THE CAMPUS FLATSで開催した「マサランド戸越 Vol.ZERO」でパールシー料理を元ネタにしたフルーティーなチキンカレーを提供しました。元ネタはSalli Murghiという料理で、salliというのはマッチ棒くらい細長く切って揚げたジャガイモのことで、もともと付け合わせで一緒に食べていたものをのっけてしまえとなったのがルーツ。この料理はパールシーの中で新年やイベントの際に提供されることもあり、新しい催しごとの始まりにちょうどいいなと思った。