マガジンのカバー画像

公式マガジン『東京マサラ部、インドをつくる』

インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。 カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在する…
・カレーシェアハウスのヒト、コミュニティ、家についてクローズドで配信します。 ・東京マサラ部室の活…
¥499 / 月
運営しているクリエイター

#エッセイ

随時更新:『東京マサラ部、インドを作る』のガイドブック [index]

旅に出られない僕たちが東京にインドを作るために始めたカレーシェアハウス東京マサラ部室ですが、早いもので設立より半年が経過しました。まだまだインドは完成していませんが、少しずつカレープレイヤーの集まる場として機能し始めています。数字で言えば、いままでに500を超えるカレーが作られ、来客述べ人数は100人を超えました。 カレーシェアハウスで生み出されたカレー、遊びに来てくれた人、カレーの基礎研究レポートについて発信するカレーシェアハウス公式マガジン『東京マサラ部、インドを作る』

人間の解像度 #カレーだいしゅき手記

ただの日記です。 福岡に引っ越した、腕にパクチーのタトゥーを持つ者と再会した。実に四年ぶりだった。以前会った最後の記憶は池袋で、おむつ交換の香りが漂うお店だった。人間は急に結婚したりするので驚くが、本人の中では歴史の流れの上であり、それは急なことではないのだろう。 公園を通ると200人ほどのネパール人が行列を成して歩いていた。大橋あたりを中心に福岡ではネパール人が大量に暮らしているという。バーベキューでもするのだろうか? とあるカレー屋さんに向かうと、店の前で坂を登って

waccaラム天国の味噌ラー飯は新しいのによく知っている味だった

東京は異常なまでに寒さに弱い。大きくて密集している上に変に均質性が高いため、想定外の事態に素早く対処しきれないのだろうか。小回りの効かない、鈍いモンスターみたいだ。 家には立ち入り禁止の屋上部分があるのだが、先日記録的な寒さを叩き出した翌朝には水道管が破裂しており、そこから勢いよく水が噴き出していた。気温が氷点下にいくことが想定されていなかったために対策がなされていなく、しかも使っていない水道管が放置されていたために水が膨張して破裂したらしい。こう書くと杜撰な管理だ。 か

doya.のアネキとアフガニスタン料理を食べる

インド人という超巨大ネットワークとインフラが世界を席巻し始めていると真面目に思う。 結構前のことを思い出しながら書いているのでどんどん記憶が薄くなっている。まあいいや、日記だから適当に書く。 北海道からdoya.さんがご来ネパした日があった(東京マサラ部室は日本の中のインドなので人が来ることをご来印と呼んでいるがネパール月間なのでご来ネパ) doya.さんはなんだかんだマサラ部員の中でも一番の古株と言ってもよく、住人ではないけど衛星のようにいつもマサラ部室を見守ってくれ

麦酒大学に習う、カレーの広め方

カレーの外からカレーを見つめてみる回。 先日、「人生観の変わるビール」としてビールを提供している麦酒大学というお店で生ビールの新しい飲み方を知った。お店のビジョンは「美味しいビールを広めることで人々に色々な飲み方を知ってもらい、外食の楽しみや選択肢を広げる」というものであるという。 これってカレーに関しても同じことが言えるなと思い、ゆるく言語化してみる。 画像は火曜限定の南インド間借りに行こうとしたら既に売り切れで食べられず、近くにあったインドネシア料理店に行ってナシチ

ステーキハウスに初めて行ってみたら完全に敵のアジトだった件

シーク教徒のお父さんがお祈りを捧げている声を聞きながらこれを書いてる。 新年早々「恵比寿に高いステーキを食べに行こう」と誘われた。恵比寿もステーキも自分の生活範囲内にはなかなか登場しない単語である。いままで交差したことのない文化圏だったのでよくわからないがとりあえず承諾した。恵比寿では恵比寿横丁とネパール料理店くらいしか行ったことがない。なにやらオシャレな街というイメージだけはある。 俗にいうアメリカンステーキハウスというやつらしいが生憎ステイツの文化には馴染みがなさすぎ

ネパール専門家溶さんのありがたい話を聞く

野外の公園でライブ中にDQNに絡まれた時の映像がいきなり送られてきて狼狽している。 アムリットサルからこれを書いています。インド編の日記も書いていくぞ。現実と20日くらいギャップがあるので早く追いつきたい気持ちとそうでもない気持ちが同居している。 ネパール月間ということでネパール専門家の溶さんをマサラ部室にお招きしてお話を伺いました。 溶さんはマサラ部室OBで、前池袋の方に家があったときに一緒に住んでいました。初めて会ったときには鹿のテハリ(肉の少ないビリヤニみたいなや

なますてクッキング主催インド料理会に参加

今年はなますてな一年になりそうだ、と元旦の日記に書いたが新年早々なますてなイベント発生である。 なますてクッキング主催のインド料理会にイーター(食べる専門の人)としてマサラ部室の3人で参加してきた。インド人と日本人の作り手をたくさん集めてインド料理を作るという趣旨の会だ。彼は計画的に物事を進められる人なので結構前から入念に準備していて、細かいこともいろいろあり大変だっただろう。 そんなとってもえらいナマステクッキングに対して僕は、前日ダルバートをばら撒いたあとに一人で結構

ホームパーティーでダルバートをばら撒いてきた

ネオンサインのサブカルホイホイのお店が最近増えてる。 話の流れでなぜか知り合いのパーティでカレーを作ることになり、ダルバートを10人前作ってばら撒いてきた。(呼ばれたらどこにでもホイホイカレーを作りに行きますので呼んで下さい。) 近頃カレーの人とカレーを通して遊ぶということしかしてなかったので、世界が狭くなってコミュニティが濃く煮詰まってしまう感覚がある。普段全然カレーを食べたりしない人たちの中に定期的に混ざって交流してみるというのは換気という意味で大事なことだ。 会場

毎日家にダールがある生活

この記事はメンバーシップに加入すると読めます

南インド旅の相談に乗った

インド旅行に必要なのは、金とパスポートと、それから口ずさめる一つの歌さ! インド旅の相談にのった旅に出たい。漠然とそう思う時は日常生活に何かが不足している時だ。もしくは、何かから逃げ出したい時だ。旅に出たところで別に何かが解決するわけではない。いや、解決したくない。「みんなが興味のあること」とか「問題解決」とか「人の役に立つ」とか「ためになる」とか「おすすめ」とかうんざりだよ。そんなしょうもないことばかり毎日考えていたくない。ためにならないことばっかりをしたい。 旅の最中

パ・ヴィレッジでシメのダルバート

カレーに利用されて繁殖している人間たちもまた繁殖しているのだ。 繁殖しているアムールのギーが切れた。ネパールのギーを買ってみたがインドのギーと比べてかなり乳臭い。やはりネパール料理はインド料理と違う。何が違うかというと、スパイスも違うし、作り方も違う。ネパール料理は美味しいけど派手なおいしさはあまりない。ただお米が進む料理なので、ご飯をたくさん食べたい人や家庭的な女がタイプの俺ならきっと一目惚れ、である。 以前ターメリック同士で比較したことがあるがインド産よりもネパール産

ギーポディライスとマサラおせち

度を超えた原理主義のチューンナップはもはや創作の域に達している。 ギーポディライスとマサラおせち理性なんて欲望の奴隷であって、情念が先立ってそこに後から理屈づけしているだけなんじゃないのと思うことは多い。己が欲望に従って動いているということに無自覚であることは実は恐ろしいことなのではないかと思う。自分が欲望を止められない、この世で一番美味しいと思うものの一つがギーポディライスである。 ギーはインドの澄ましバターで、バターよりも純粋な脂肪分が多い。ポディはスパイスと豆のふり

大富豪とソルマリ新年会

初夢はカレーが繁殖しすぎて飲み込まれていくというものだった。この世自体が夢みたいなものだ。 大富豪とソルマリ愛すべきなますてクッキングからまた連絡が来た。彼は本当に暇らしく、新年会として一緒に新大久保のソルマリに行った。大晦日も一緒に過ごしたのでこれで3日連続で会っていることになる。一年の計は元旦にありというから、今年はナマステな一年になりそうだ。 ソルマリは元旦特別営業のためネパール人客で混み合っており特別メニューしかなかった。ネパール人の店員さんも全体的に急いた動きを