マガジンのカバー画像

公式マガジン『東京マサラ部、インドをつくる』

インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。 カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在する…
・カレーシェアハウスのヒト、コミュニティ、家についてクローズドで配信します。 ・東京マサラ部室の活…
¥499 / 月
運営しているクリエイター

#カレーのカガク

随時更新:『東京マサラ部、インドを作る』のガイドブック [index]

旅に出られない僕たちが東京にインドを作るために始めたカレーシェアハウス東京マサラ部室ですが、早いもので設立より半年が経過しました。まだまだインドは完成していませんが、少しずつカレープレイヤーの集まる場として機能し始めています。数字で言えば、いままでに500を超えるカレーが作られ、来客述べ人数は100人を超えました。 カレーシェアハウスで生み出されたカレー、遊びに来てくれた人、カレーの基礎研究レポートについて発信するカレーシェアハウス公式マガジン『東京マサラ部、インドを作る』

短時間のテンパリングでスパイスの香りは本当に油に移るのだろうか?実験してみた@wacca【カレーのカガク】

今まで、カレーの構成要素として玉ねぎやトマトに関しての実験を繰り返してきた。ここからはカレーの本丸であるスパイスに関しても切り込んでいこうと思う。 今回は、短時間のテンパリングだけでスパイスの香りは本当に油に移るのだろうか?という実験をしてみたときのレポート。過去レポートはこちら。 インド料理でスパイスを扱うときに多くのレシピでまず登場するのが「テンパリング」ではないだろうか。 テンパリングとは、スパイスを油で加熱して香りを引き出すことであり、ヒンディーでは「タルカ(T

生食用トマトと加熱用トマト、どちらがカレー作りに向いているのか?トマト実験Vol.2【カレーのカガク】

カレー作りに欠かせないアイテムであるトマト。世界中で10000を超える品種があり、日本でも240種類ほどが栽培されているという。 前回の実験でホールトマト缶について調査したが、トマトの選択肢はトマト缶以外にもトマトピューレ、トマトペースト、生トマトなどいくつかある。今回は生トマトにおける生食用トマトと加熱用トマトの違いについて比較してみた。 前回の実験↓ 生トマトには調理したときにおいしくなる調理用のトマトと、生でそのまま食べたほうがおいしい生食用トマトがある。日本のス

球体のパーフェクトチャパティを焼くには?【東京マサラ部活動レポート】

チャパティをまんまるに焼くこと、それは人類共通の願いである。 毎朝自分のチャパティは自分で焼くような丁寧な暮らし。 早くこれになりたい。まんまるに膨らんだチャパティをいつでも自由自在に焼けるようになったらどんなに素敵だろうか。履歴書に書けるし。 では一体、ぷっくりと膨らみ、きれいに2層に分かれたチャパティを作るにはどうしたらいいのだろうか。このようなチャパティを理想形としたときの要素を分解するとこのようになるのではないかと以下の仮説を立てた。 チャパティはアーター(आट

最もカレー作りに適したホールトマト缶はどれか?9種類比較実験@wacca【カレーのカガク】

カレー作りにおいて、トマトは欠かせないアイテムだ。栄養満点のトマトはカレーのベースになり、うまみ、酸味、テクスチャー、フレッシュさ、香りなどを与える。インドにトマトが入ってきたのは16世紀だというが、それ以前のトマトのないインド料理はいったいどういうものだったのか想像もできない。 カレー作りの材料としては、生トマト、ホールトマト、カットトマト、トマトピューレ、トマトペースト、トマトジュース、ドライトマト、トマトパウダーなど実に多くの選択肢がある。その中でどれがカレー作りに最

カレーにおける玉ねぎ炒めと時短方法について。玉ねぎ実験総まとめ@八丁堀wacca【東京マサラ部活動レポート】

玉ねぎのことを考えていると夜しか眠れないね。 月に一度、八丁堀waccaさんのキッチンをお借りし、カレーにまつわる要素について様々な実験をしていく「カレーのカガク」プロジェクトが進行中だ。毎回新しい発見がいくつもあり大変楽しい。 肉のこと、スパイスのこと、水のこと、油のこと…。扱いたいトピックは山ほどあるのだが、まずはカレー作りの基本のキである玉ねぎについてフォーカスを絞り、3回連続で実験を行った。 今回は、その3回分の玉ねぎ実験の総まとめレポートとなる。まずは過去の実

【購読者限定記事】玉ねぎについて考える、玉ねぎ論文の紹介

カレー作りを考える上で、玉ねぎを考えることは避けては通れないことだ。 東京マサラ部メンバーと、月に一度waccaさんのところで「カレーのカガク」と称してカレーにまつわる実験を続けて行っている。 ▼調理科学系の記事はこちらのマガジンへまとめています。 カレーに影響を及ぼす変数は多い。突き詰めて考えていけば、スパイスのことや肉のことなど、終わりが本当に見えないのだ。考えたいトピックはいくらでもあるのだが、まずは基本ということで玉ねぎの実験を立て続けに三回に分けて行った。

カレーの玉ねぎ炒めに塩を入れることには意味があるのか? 比較実験第二弾@八丁堀wacca【東京マサラ部活動レポート】

wacca さんとの玉ねぎ研究レポート第2弾。 俺はじっちゃんにこう言われて育ったんだ。玉ねぎを炒める時に時短を狙って塩を入れて炒めることがあるが、本当に時短になっているのか?それから、味への影響はどうなのか、って。 その他にも塩もみや冷凍、干し、レンチンなどいくつかの方法が玉ねぎ炒めの時短として提案されているが、炒め時間は本当に短くなっているのだろうか。また、仮に時短になっているにしても味への影響はどうなのだろうか。 今回は6種類の玉ねぎ炒めを比較し、食べ比べてみた。

カレーの玉ねぎを強火で炒める必要はあるのか?比較実験@八丁堀wacca【東京マサラ部活動レポート】

カレーを考えることは玉ねぎを考えることだ、と俺は古くからじっちゃんに言われて育ってきた。特に、飴色玉ねぎを作ることはカレー作りにおいて最重要な課題とされてきた。 実際に飴色玉ねぎの作り方について調べてみると、大きく分けてレシピには二つのパターンが登場する。 両方とも同じ飴色玉ねぎではあるが、同じ脱水量(重量)を目指すにしてもたどり着くまでの時間や工程、温度変化が異なるため当然味わいも異なるはずだ。 では、具体的にどのように異なるのだろうか。八丁堀のカレー屋wacca三浦