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公式マガジン『東京マサラ部、インドをつくる』

インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。 カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在する…
・カレーシェアハウスのヒト、コミュニティ、家についてクローズドで配信します。 ・東京マサラ部室の活…
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2023年2月の記事一覧

「貧乏ダルバート」と「金持ちダルバート」の食べ比べ。品数が多い方が満足度は高いのだろうか。

今回はマサラ部室でやっていることの紹介も兼ねて、レストランのダルバートと安食堂のダルバートを作った時のことを書いてみる。 ダルバートは品数が多い方が満足度が高いのだろうか?ネパール料理といえばダルバート。東京マサラ部室では毎月テーマを変えながらインド亜大陸料理研究をしており、2023年一月はネパール料理研究としてダルバートばっかり作って食べていた。 中でも特に参考にさせていただいていたのがこの本。世田谷でOLD NEPAL TOKYOを営む本田さんの『ダルバートとネパール

waccaラム天国の味噌ラー飯は新しいのによく知っている味だった

東京は異常なまでに寒さに弱い。大きくて密集している上に変に均質性が高いため、想定外の事態に素早く対処しきれないのだろうか。小回りの効かない、鈍いモンスターみたいだ。 家には立ち入り禁止の屋上部分があるのだが、先日記録的な寒さを叩き出した翌朝には水道管が破裂しており、そこから勢いよく水が噴き出していた。気温が氷点下にいくことが想定されていなかったために対策がなされていなく、しかも使っていない水道管が放置されていたために水が膨張して破裂したらしい。こう書くと杜撰な管理だ。 か

doya.のアネキとアフガニスタン料理を食べる

インド人という超巨大ネットワークとインフラが世界を席巻し始めていると真面目に思う。 結構前のことを思い出しながら書いているのでどんどん記憶が薄くなっている。まあいいや、日記だから適当に書く。 北海道からdoya.さんがご来ネパした日があった(東京マサラ部室は日本の中のインドなので人が来ることをご来印と呼んでいるがネパール月間なのでご来ネパ) doya.さんはなんだかんだマサラ部員の中でも一番の古株と言ってもよく、住人ではないけど衛星のようにいつもマサラ部室を見守ってくれ

麦酒大学に習う、カレーの広め方

カレーの外からカレーを見つめてみる回。 先日、「人生観の変わるビール」としてビールを提供している麦酒大学というお店で生ビールの新しい飲み方を知った。お店のビジョンは「美味しいビールを広めることで人々に色々な飲み方を知ってもらい、外食の楽しみや選択肢を広げる」というものであるという。 これってカレーに関しても同じことが言えるなと思い、ゆるく言語化してみる。 画像は火曜限定の南インド間借りに行こうとしたら既に売り切れで食べられず、近くにあったインドネシア料理店に行ってナシチ

2000年前のカレー再現。高円寺かりい食堂さんと古代インド料理「クシーラウダナ」と「クックタユーシュ」を作ってみた【いにしえのインド料理研究#1】

姿も形もわからない古代のインド料理を、文献をもとに再現してみるという試み。まずは2つの料理を作ってみた。 料理というものは移り変わっていく。インド料理が今の姿になったのはごく最近のことで、これまでには多くの出来事があり、その度に変遷があった。例えば唐辛子が新大陸からインドにもたらされたのは16世紀とされており、それ以前にインドに唐辛子はなかったというのは有名な話だ。さらに、ターメリックが料理に使われ始めたのは1000年ほど前のことらしい。 であれば、もっと前の2000年前

ステーキハウスに初めて行ってみたら完全に敵のアジトだった件

シーク教徒のお父さんがお祈りを捧げている声を聞きながらこれを書いてる。 新年早々「恵比寿に高いステーキを食べに行こう」と誘われた。恵比寿もステーキも自分の生活範囲内にはなかなか登場しない単語である。いままで交差したことのない文化圏だったのでよくわからないがとりあえず承諾した。恵比寿では恵比寿横丁とネパール料理店くらいしか行ったことがない。なにやらオシャレな街というイメージだけはある。 俗にいうアメリカンステーキハウスというやつらしいが生憎ステイツの文化には馴染みがなさすぎ

ネパール専門家溶さんのありがたい話を聞く

野外の公園でライブ中にDQNに絡まれた時の映像がいきなり送られてきて狼狽している。 アムリットサルからこれを書いています。インド編の日記も書いていくぞ。現実と20日くらいギャップがあるので早く追いつきたい気持ちとそうでもない気持ちが同居している。 ネパール月間ということでネパール専門家の溶さんをマサラ部室にお招きしてお話を伺いました。 溶さんはマサラ部室OBで、前池袋の方に家があったときに一緒に住んでいました。初めて会ったときには鹿のテハリ(肉の少ないビリヤニみたいなや

なますてクッキング主催インド料理会に参加

今年はなますてな一年になりそうだ、と元旦の日記に書いたが新年早々なますてなイベント発生である。 なますてクッキング主催のインド料理会にイーター(食べる専門の人)としてマサラ部室の3人で参加してきた。インド人と日本人の作り手をたくさん集めてインド料理を作るという趣旨の会だ。彼は計画的に物事を進められる人なので結構前から入念に準備していて、細かいこともいろいろあり大変だっただろう。 そんなとってもえらいナマステクッキングに対して僕は、前日ダルバートをばら撒いたあとに一人で結構

ホームパーティーでダルバートをばら撒いてきた

ネオンサインのサブカルホイホイのお店が最近増えてる。 話の流れでなぜか知り合いのパーティでカレーを作ることになり、ダルバートを10人前作ってばら撒いてきた。(呼ばれたらどこにでもホイホイカレーを作りに行きますので呼んで下さい。) 近頃カレーの人とカレーを通して遊ぶということしかしてなかったので、世界が狭くなってコミュニティが濃く煮詰まってしまう感覚がある。普段全然カレーを食べたりしない人たちの中に定期的に混ざって交流してみるというのは換気という意味で大事なことだ。 会場

結局なんでもカレーになる

表現というのはあらゆる種類のものがあり、カレーも表現の1つなのだから、あらゆるインプットが最終的にはカレーになる。 先日高円寺を散歩している時に気になるお店を見つけた。以前高円寺のカレー屋さんに話を聞いていつか行ってみたいと思っていたお店だった。 カウンターのみの店内で、奥の方の席に座ると調理している風景が見える。調理担当の男性と配膳やサービス担当の女性のコンビネーションが鮮やかだった。

ネパール料理店でネワリカジャとローカル酒を楽しもう(ネワリカジャのレシピも)

ネパールでよく食べられているものといえば豆のスープであるダルと白飯を中心とした定食であるダルバート、と即答されるかもしれない。そしてその中でも、美食で知られるタカリ族のダルバートが特に有名だ。 ネパールは多民族国家なので全土的に食べられているものはダルバートとモモくらいなのだが、実際にはダルバート以外にも民族ごとのたくさんの料理が存在する。今回はその中でも独自の発展を遂げているネワール族の料理と食について紹介。 ※民族の話はカーストの話と直結することがあり、人によってはナ

おしゃれな人にしか見えない店

おしゃれを理解するために、たまにはおしゃれをやめて、外側から眺めてみるんだ。 おしゃれな人にしか見えないものがある。 自身がおしゃれという概念の解像度が低いので暫定的におしゃれと呼んでいるだけで、他にもっと適した呼び名があるのかもしれないけど。 本当におしゃれな人はおしゃれの内側にいるので「冬服 おしゃれ」とか検索したりしない。たぶんもっと適した言葉があるし、きっと「おしゃれかどうかは自分で決める」って思っているはずだから。「このカレーが美味しいかどうかは自分で決める」

ネパール風チキンカレーククラコマスのレシピ

今回は日頃マサラ部室で研究しているカレーレシピのアウトプットとして、ネパールのチキンカレー"ククラコマス"を取り上げたいと思います。レシピはネパール現地で以前習ってきたものを改良しました。ちょっと汁っぽくトマトが効いた感じになります。 ネパールにおけるチキンカレーの文化的背景と、最大限おいしくするための考え方について解説したあとに細かいレシピが載っています。 ちなみにカレー作りに関してはこっちのブログでも随時紹介しています。 ククラコマスとは近年までネパールでは鶏肉は希

【パンジャーブゼミ参加者専用】情報集約用note

東京マサラ部オンライン「パンジャーブゼミ」参加者専用のnoteです。2023年2月のゼミ開催期間、ここに情報が徐々に集約されていきます。主に日曜の夜に更新します。 2023年2月の大まかなスケジュールです。 <スケジュール> ・2/5(日)21:00〜 キックオフミーティング ・2/12(日)21:00〜 現地から情報共有MTG  ・2/19 (日)東京マサラ部室 東上野WOODSHOP CURRY 出店! ・タンドールでナンやタンドリーチキンを焼きまくる会 2