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公式マガジン『東京マサラ部、インドをつくる』

インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。 カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在する…
・カレーシェアハウスのヒト、コミュニティ、家についてクローズドで配信します。 ・東京マサラ部室の活…
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2022年2月の記事一覧

いつかティファン屋で朝食を:カレー哲学の視点(22/2/5〜22/2/11)

「カシミール」という言葉を聞いて一番に思い浮かべてしまうのは「カシミールカレー」ではないだろうか。シャバシャバ、漆黒、ケミカルなにんにく臭、甘さと辛さを併せ持つ日本米に合うカレーだ。 カシミール料理について調べていると、デリー系列のカシミールカレーばかりが検索結果にヒットする。カシミールには存在しないカシミールカレーという名前は、本当は「マドラスカレー」だったらしい。それがどういうわけか印刷業者にメニュー原稿を渡す際、うっかり「カシミールカレー」と書いてしまう。 そんなこ

納豆、豚の燻製、発酵筍、どぶろく...。日本の原風景を想起させるナガランド料理とは【東京マサラ部活動レポート】

ナガランド州はインド北東部に位置し、中国、ミャンマー、ブータンなどに接している。インド連邦の一部ではあるものの歴史的にも民族的にも、いわゆるマジョリティのインドではない。 料理に関しても、一応「カレー」と言われているがスパイスはほとんど使われていない。地理的にも高地の密林がほとんどのため、燻製や発酵を使用した保存食が多い。どちらかといえば東南アジアの民族料理と共通する特徴を持ち、宗教的にも食物の禁忌がないため虫から豚肉、犬肉まで幅広い食物が食べられている。 発酵たけのこや

京都には、印度の魔物が棲んでいる:カレー哲学の視点(22/1/30〜22/2/5)

京都という街には何かが棲んでいる。 時の流れが非常にゆっくりだし、幾層もの時代がいまという一瞬に集約されているようだ。 道を歩いていても時間軸が危うくなる。 日印融合、新進気鋭のバスマティライス食わせ屋があったかと思えば、歴史の教科書に載っていたあの本能寺が突然現れたりする。 夏は暑く冬は寒いが、それぞれの季節に応じた名所がありいつ行っても見どころがある。ただし鴨川沿いにはいつ行ってもカップルが等間隔に物理的距離を保って座っており、そこに四季は感じられないが。 そんな