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公式マガジン『東京マサラ部、インドをつくる』

インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。 カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在する…
・カレーシェアハウスのヒト、コミュニティ、家についてクローズドで配信します。 ・東京マサラ部室の活…
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2021年12月の記事一覧

東京にインドを作り続けたこの1年を振り返ってみる:カレー哲学の視点(12/19〜12/25)

2021年は多くの犠牲を払いつつ、今しかできないことをやってきた1年だと思います。72時間カレーを作り続けている最中に2021年の幕が無理やりこじ開いて、そこから僕はずっとインドを作り続けてきました。 自分は家から動かないのに、気温はひとりでに移り変わって、料理テーマが変われば関わる人も変わる。去っていく人、新しく出会う人。カレーはあらゆるものを連れてきてくれる、それだけでまるで動かない旅です。 今回のニュースレターではこの一年間の自分の活動の軌跡を料理テーマ、記事、写真

球体のパーフェクトチャパティを焼くには?【東京マサラ部活動レポート】

チャパティをまんまるに焼くこと、それは人類共通の願いである。 毎朝自分のチャパティは自分で焼くような丁寧な暮らし。 早くこれになりたい。まんまるに膨らんだチャパティをいつでも自由自在に焼けるようになったらどんなに素敵だろうか。履歴書に書けるし。 では一体、ぷっくりと膨らみ、きれいに2層に分かれたチャパティを作るにはどうしたらいいのだろうか。このようなチャパティを理想形としたときの要素を分解するとこのようになるのではないかと以下の仮説を立てた。 チャパティはアーター(आट

ネガティブなときに無理してポジティブになる必要はない。ベンガル料理を食べよう:カレー哲学の視点(12/12〜12/18)

寒さが厳しくなってきて、何をするのも億劫な季節だ。寒くなってくると南インドやスリランカの料理よりもネパールやベンガルの料理が食べたくなってくる。やたらダルバートが染みる。 2年前の年末はネパールのカトマンズで迎えた。ネパールは標高も高いので冬はかなり寒い。ネパール人は皆、偽物のノースフェイスのダウンジャケットを着ている。(ノースフェイク) 夜の便でカトマンズの空港に到着したのだが、事前に予約したホテルの扉が閉まっており絶望していたところ、隣のホテルの従業員が声をかけてくれ

神に捧げたマトンは野菜、魚は泳ぐ果物。茶色くておいしいベンガル料理とは【東京マサラ部活動レポート】

どうも、カレーシェアハウス【東京マサラ部室】を拠点に活動し、インド亜大陸料理の情報を発信し続け日本にインドを作り上げることを企む秘密結社、東京マサラ部です。怪しいものではありません。 Twitter→https://twitter.com/masala_bu Instagram→https://www.instagram.com/masala_bu/ 東京マサラ部では活動において毎月のテーマを決めながらインド亜大陸料理を作り、動かない旅を続けています。旅の模様はこちらのマ

カシミールカレーへの没頭/waccaのペアリングコース/ベンガル月間スタート:カレー哲学の視点(12/5〜12/11)

カレー作りは祈りだ。日常の中に不可侵領域を持つことが大切で、少しでも油断するとダークサイドに引き込まれそうになってしまう。 祈りの話をしよう。 早起きに成功して晴れていた日には、散歩をして近所の神社を目指すことにしている。特に信仰心に篤いわけではないのだが、毎日の散歩ルーチンの中に目的地を設けて余計なことを考えないようにしたかった。その神社は家から往復20分程度のちょうどいい場所にあり、行って帰ってくると歩数が約3333歩になるのだ。 spotifyで歴史ポッドキャスト

【購読者限定記事】初インドの思い出

初めてインドに行ったのは2012年度のことで、いまから9年ほど前になる。当時は海外自体に行ったことがなかったのだが大学生はみんな自然にインドを目指すものだと思っていた。 高校の同級生が家族でインドに行ってきたという話や、大学の先輩が意識高い系サークルの活動の一環でインドに行っていたりするのを見聞きしては自分の中で「インド」というイメージが膨らみ、それはいつのまにか強烈な恐怖感と高揚感をもたらすものに変わっていた。 インドへ行ってみたいと思っていた第一の理由はもちろん「本場

バーフバリカレー会/ホールトマト缶比較/最近生かされたカレー:カレー哲学の視点(11/28〜12/4)

最近はとみに忙しく全然自分でカレーを作れていないが、資本主義社会には通貨と交換で他人にカレーを食わせる仕組みが発達しており、いつも大変に助かっている。 また、自宅には言語による会話よりもカレーを通したコミュニケーションで意思疎通を図ろうとする人たちがいるので冷蔵庫には常にカレーが余っている状況だ。カレーの数が5個を下回ると不安になってくるけど。 ありがたいことに、毎日他人のカレーで生かされている。 あ、アドベントカレーンダーの書き手はまだまだ募集中なので是非書いてください

最もカレー作りに適したホールトマト缶はどれか?9種類比較実験@wacca【カレーのカガク】

カレー作りにおいて、トマトは欠かせないアイテムだ。栄養満点のトマトはカレーのベースになり、うまみ、酸味、テクスチャー、フレッシュさ、香りなどを与える。インドにトマトが入ってきたのは16世紀だというが、それ以前のトマトのないインド料理はいったいどういうものだったのか想像もできない。 カレー作りの材料としては、生トマト、ホールトマト、カットトマト、トマトピューレ、トマトペースト、トマトジュース、ドライトマト、トマトパウダーなど実に多くの選択肢がある。その中でどれがカレー作りに最