自宅が狭いとお悩みの方へ

僕はワンルームのマンションを借りている。
引きこもりだし、リモートワークなので、1日のほとんどをこの1つの部屋で過ごすことになる。
ミニマリストっぽい所があるので、必要最低限（多くの人が思うよりもモノが少ない）のモノしかない。
とはいえ、モノがない分、空白の多いだけのただのワンルームだ。

発想の転換として、僕は次のような事を考えている。

自宅は、僕以外の人が入れない作業場と寝室だ。
その上で、すぐ近くにある公園は、自分の庭だと思っている。
図書館も近くにあるので、これは書庫という扱いだ。

この辺りは、市町村が運営している無料の公共施設なので分かりやすいだろう。
僕の家は広すぎるので、多少移動する必要があるがとてつもないサイズの豪邸ということになる。

一歩進んで、あらゆる商業施設も僕が管理している施設だと思っている。
コンビニやスーパーなどもでかい冷蔵庫みたいなもの。
その他、あらゆる店は、僕の荷物置き場だ。

モノというのは、基本的にきちんと管理していなければ摩耗する。
どんな新品でも道端においていれば、雨風などの影響で汚れるし壊れる。
つまり、モノはメンテナンスをしなければならない。
あらゆる各店舗は、僕のモノを無料でメンテナンスしてくれている。
僕がそのモノを取り扱う時には、これまでメンテナンスをし続けてくれた感謝としてチップを渡せば、引き取ることができる。

有料の店舗などについては、違和感があるかもしれない。
別にこんな良く分からない考え方をしなくても、普通の経済活動だからだ。
とはいえ、商品開発の企画～製造まで大変だし、僕がまったく興味をそそられない商品も延々と開発されている。
その手間を考えて、僕が買うまであれこれやってくれているので、チップを渡す感覚で捉えている。

仮に実際の貴族だったとしても、例えば庭師やらメイドやらを雇用して、お金を払って業務にあたってもらっている。
そういう意味では、各施設は給金も払わずにあれこれやってくれていると考えている。
僕は太っ腹なので、自宅にあたるワンルーム以外は一般開放していて、多くの人が僕の敷地に入っても良い。
活用したことはないが、マナーの悪い客が敷地に入って大暴れしていたら、警察という管理会社に連絡すれば追っ払ってくれるだろう。
そういうつもりで生きている。

変なことを言っていると思われるかもしれないが、多少は真面目だ。
ちなみに、効果もある。
実際、僕はこの考え方を適用してから、広い部屋や庭などに興味がなくなった。
わざわざ高い金を払って広い部屋や庭付きの賃貸を借りなくても良いからだ。

実家は持ち家で庭もあった。
木だの花壇だのがあって、毎日手入れをしていた。
そんな状況から、独り立ちして狭い部屋で鬱屈とした想いを抱えていた時もある。
しかし、基本的に外自体が自分の庭だと思うことで、庭付きの賃貸などに実際に興味がなくなった。

庭の手入れを親にやらされていたが、本来は非常に手間である。
手入れだけでなく、掃除やら何やらもやる必要がある。
それで木も花も元気なら良いが、虫が湧いたり枯れたりもする。
なまじ自分の責任になるので、落ち込んだりもした。

けれど、一般に開放した自分の庭が勝手に手入れされており、
自分が行きたいと思った時に行けて、きれいな状態に保たれている。
しかも、考え方一つ変えただけでそれが手に入る訳だ。

バカでかい冷蔵庫を買うのだって、初期費用もかかるし、電気代もその分上乗せでかかってくる。
それをコンビニ、スーパー、専門店がいつも取り出せる形で保ってくれている。
その全体のコストから見れば、ものすごい安い値段で自分の手元に置くことができる。
前述の通り、それが単なる経済活動ではあるものの、そういったインフラは出来上がっている訳だ。

僕以外の多くの人の、日本人だけでなく世界の人も含めた需要と供給があって、とんでもない精度で周囲の環境が保たれている。
今生きている人だけでなく、過去生きた人の積み重ねの結集としてここに存在している。
もっと言えば、未来を見据えた需要なども見越して運営されていることになる。
その莫大なコストなどを考えると、引き出し料のチップはかなり安価だと感じる。
個人的に物欲がまったくないので、ほとんど引き出すことはないけれど。

取り急ぎ、自宅は単なる一人になるための個室くらいに考えて、公園や図書館など公共施設は自分の庭くらいに思っておくと良い。
自宅に籠もって鬱屈していたら、莫大な広い庭に出て気分をリフレッシュするのだ。
自分が所有しているのを忘れてしまった、無料施設を他に探すのも良いだろう。
家の広さというものに限らず、考え方一つで、そこに臨場感を持てるかどうかで解決する問題は案外多い。