ダークマター生成事件

 「七草が無いなら七種類の野菜をぶち込めばいいじゃない」

この時点で頭おかしいと気づくべきだった。だが、空腹でIQ3ぐらいになっていた私にはそれを考える余裕はなかった。キャベツ・白菜・人参・大根・ネギ・わかめ・玉ねぎという七草というにはあまりにも雑すぎる材料(わかめに関しては野菜と言い張るのも無理がある)を適当にぶち込んでおかゆを作った。米を投入してようやく正気に戻った私はアニメや漫画で見られる鍋から黒いオーラを実際に見た気がした。絶対まずい。色んな意味でまずい。軌道修正をするにしても現状確認だ。スプーンで1口味見した。駄目だった。葉物のシャキシャキ感があるし玉ねぎと大根のツーンとした味?匂い?が鼻から突き抜ける。そして塩だけでは何ともならない味のばらつき。誤魔化すために顎だしの粒スティックを投入したり醤油を加えてみたりと試行錯誤したがやってるうちに傷口を押し広げてる気さえした。収拾がつかない。切り札であるカレールーを入れた。カレーにすれば何とかなるというのは古事記にも書いてある(ない)。味は誤魔化せたが触感は誤魔化せない。結局、葉物を排除してスープカレー風お粥とすることで打開した…が、カレールー2欠片入れたため若干味が濃すぎた。追い白米を考えたがチョビチョビ味変しつつ食べていたため舌が馬鹿になっていた。というか嫌になったので実家から押し売りされた餅をフライパンで焼いて〆(〆になっていない)として食べた。何もつけてないのにすごくおいしく感じた。泣いた。おいしいごはんは素朴でシンプルなものに限ると感じた。今度からメニューのないものは作らないようにしよう、うん。

P.S. 中途で残ったスープカレー風お粥の処分は明日の自分に託したので今日の自分への文句も後で書きたいと思います。

P.S. 2  次あんなもん作ったら即捨てようと思います。カレーでも誤魔化しきれない不味さを改めて感じた。

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