【感想】『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Regalia』

先日『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Regalia』10月15日18時公演を配信にて観劇したためその感想をば。 -The STAGE 中等部- Regaliaのネタバレを含むのはもちろんのことですが、スタリラのイベントストーリーにも言及する部分を含みます(イベントストーリーなので皆さんもう既読かとは思いますが)。


-The STAGE 中等部- Regaliaの立ち位置

 スタリラにて配信された中等部の子が出てるイベントストーリーが今回の舞台のベースとなっています。しかしこれらのイベントは、あくまで「中等部の5人がどういった人物か」というところに焦点を当てて描いているため、シークフェルトの次の王を探す晶達上級生側の視点を省いているため今回とは別物です。そのため、今回のお話は「中等部の5人を中心にした新しい物語」という側面を持ちつつ「従来のスタァライト要素」の両方をうまい具合に兼ね備えたものとなっていたと感じました。

スタリラストーリーとの相違点

 イベントストーリーとの相違点が何点か存在しています。例えば、みんくが相談する相手が凛明館のいちえからミチルに置き換わっていたり、クイナが転校してきた2人の校内を案内する経緯が異なっていたり、演技後の詩呂に声をかけるのがミチルから晶に変わっていたり…などと変化がありました。上記の通り「中等部の5人の掘り下げ」と「晶たち上級生の次のエーデルを探し」を両立させるための改変だと思います。TVアニメ版と舞台#1版みたいなパラレルな関係です。どっちが正史かという議論は野暮。

本編の感想は登場人物ごとに書いていきます。

高千穂ステラ

 初手からオペラかましてくるヤベー奴。テキストを少し見せてもらうだけでしっかり役を演じられる。過去の失敗からミュンヘン国立芸術院から転入してくる。お嬢様の皮を被った駄々っ子であり、詩呂の前で「休む間もなく学校だし観光に行ってなし」と文句を言う。また、シークフェルト家のお嬢様なので金銭感覚は常人離れしている節がある(スタリライベントストーリ参照)。良子をはじめとする様々な人とのレヴューからトラウマを乗り越えて成長する。詩呂のことを悪く言われて「取り消してください」と言っていた場面で某海賊の「取り消せよ。今の言葉!」が過ったのは内緒。役を演じる青木陽菜さんは中等部のキャストの中でも歌唱力がすごいと思いました(語彙力)。Danke←かわいい

大賀美詩呂

 シークフェルト家のメイド兼ステラのママ。常にステラを支えようとしている。「なぜ実力を隠している?」とステラの陰で隠れていることを看破されて以降絡みが多い。「私はあなたを絶対に許さない」(許されない舞台少女がまた…)。実際、ロミオとジュリエットの練習の際は台本を一度も見ず他の人の演技を見るだけで演じることが出来ている。レヴューの武器はトンファー×2で連結することで長い棒となる。ダース・モールのライトセイバーみたい。スタリラでの「株式は待ってはくれません」とお嬢様<株式という対応をしていて舞台少女より従者失格だろと思ったのは内緒。ステラ同様、金銭感覚は常人離れしていそう(ご用達の店とは言え、棚の服を買い占めていた)。ステラにライバル宣言をしたクイナに対して「その挑戦受けて立ちます、とお嬢様はおっしゃっています」と言っていたが、スタリラ版ではミチルから「(ステラに)道を照らしてあげて」と過去を看破された発言から「お嬢様にプラスになる」と考えての上で発言している(舞台版ではステラの闇を指摘される場面が後なので「波風がちょっと立つくらいがおもしろい」というニュアンスが強い)。一生のお願いカウンター(スタリラ参照)。

小鳩良子


 自分に自信が持てない子。大家族の長女で無理を押し切って進学したことから人一倍努力してみんなに追いつこうとする。引っ込み思案な面もあるが、ステラに最初に声を掛けに行ったりレヴューに最初に名乗りを上げるなど思い切りがいい面も。レヴュー服で登場するシーンがカッコいい(ブーメランをキャッチするところ)。「応援している家族のためにも…負けられないの」→キモグラは良子の家族を解放しろ!()「軽蔑したでしょ!」「本当のこと言ってよ、見損なったでしょ!」というセリフから罪悪感を持てるいい子なのだなと感じた。みんくのアドリブに巻き込まれて「反省しなさい」と言われる不憫枠でもある。「もがいてあがいて羽ばたいて」の動きが忙しそう()プレコール後に同級生から頭よしよしされててクラスでは癒し枠として扱われていそう。レヴュー武器のブーメランは最初のシーン以外はほぼ鈍器でキャストからも言及されていたとか…。詩呂さんから詩呂ちゃんになる日は来るのか。

海辺みんく

 ムードメーカでゆるふわ枠。音無いちえと同様に元アイドル。解散がいつなのか分からないが中二で元アイドルってことは現役時代は何歳なのか…。相談シーンがいちえししょーからミチルに変わったけどシークフェルトの人間だからこそ「落ちていった人たちの願いの上にいる」というセリフの重みが違って聞こえたのかなって。アドリブで乗り切ろうとしたり場の空気を読めずに暢気で居たりと愛城華恋と似たような空気を持つ。クイナと幼馴染で約束をしていたのもあって余計に重なって見えた。「心配性だね、りょんりょん」「能天気だよね、みんく」、「都合が悪くなるとすぐに人に甘える」「都合が悪くなると怒りだす。クイナの悪い癖!」→互いの悪い所把握しあってるカップリングはいいぞ。レヴュー武器はチャクラム(フラフープのようなもの)だが実は2つに分離するとか(スタリラ参照)。そのうち分離も再現されそうだしフープ形態で投擲してきそうだしで今後どう見せてくるのか気になった。殺陣では飄々と攻撃を躱してる印象が強い。本人の性格も相まって「飄々と」が本当に似合う子。でもちゃんとまっすぐ向き合おうとする姿勢も素敵。「にひっ!」←かわいい。

森保クイナ

 スパルタ委員長と見せかけた気配り委員長。スタリラでは一人だけピルエットが出来ない良子に対し「クラス委員長として、何かあったら相談に…」「大丈夫?ちゃんと夜眠れてる?」と悩みを聞こうとして心配するなどしていた。このことから亜細亜翠(あじあすい)と満鳴美(みつおび)アルマへの「課題の提出は今週までですからね」「バレエの振り付けを覚えたらどうか」という言葉は口うるさく嫌味を含んで言っていたというより善意で言っていたと取れる。言葉が不器用な所はどこの王に似たことやら…。みんくに対してツンツンなのは「約束を反故にされた」と考えていたため。互いにあの頃のみんく(クイナ)に戻って欲しいと思いながらすれ違っていたところから最後に仲良く約束を語らい合うシーンは個人的に好きなシーン。みんクイナはいいぞ。

雪代晶

 ステラに対してはラスボス的な立ち位置。前作のスタリラ舞台に至るまでに焦りを覚えていた様子が描かれていた。転入してきた二人が即戦力としては不十分と見えたためか誤魔化すために充てにしないメイファンの占いを信じた演技をした。激辛カレーがなくなるのが困るというのは本音だろう。レヴューでは覚悟を決めたステラに対しラスボスのように後ろからゆっくり口上を言いながら登場。ステラ・詩呂に対して1人で相対するが基本的にはステラは眼中にないような挙動をしている(ステラに対し背中を見せがちなので)。私が見た回は夢大路文がゲスト登場だったので余計にその面が強く描かれていたように感じる。特別ゲストとして文が登場した際は「私は聞いていないぞ」と言わんばかりでメイファンを見ていた(メイファンの仕草からミチルの差し金と思われるが)。礼を言うシーンでは目を見ていない上に「そうだ、負けていられないのだ」と強引に会話しないように後輩たちに喝を入れるなど、文と向き合えていないような描写が目立つ。そしてDelightへ…。

鳳ミチル

 今回も裏で動くミチル。相変わらず晶の不器用な激励の後始末を担当している模様。みんくのファンであるらしい。そのためいちえとの再会を兼ねていた場面はミチルが担当。晶とメイファンの某シーンの「何これぇ」は全員が思ったこと。レヴューでは中等部3人相手に一人で抑える。小柄で大剣を扱うのは何回考えても武器との相性が悪く見えるが実際はよく動けているのだろう。特別ゲストとして文を招待したのはおそらくミチル。

リュウ・メイファン

 今回の裏主人公。前作で一人だけフレームレートがおかしいと言われて以降かなり好きになった。占いは相変わらず悪いことを予知しやすいらしい。生徒会室に慌てて入った際に晶から「やり直し」と言われて演技の指導をされていると勘違いする下りはめちゃくちゃ面白かったです。いずれいなくなる先輩たちを見て自分のエーデルとしての立ち位置を見失い元エーデルの文を訪ねる。劇中歌めちゃくちゃ好きです。文からのアドバイスもあり自分のエーデルとしての在り方を見つけたためかレヴューでは自信満々に晶の下に現れる。レヴュー後は文に礼を言うとともに「もっと文さんと一緒に…」と言葉を出すも、文から止められる。そして今は凛明館の夢大路文であることをしっかり認識し、互いに負けていられないという意思を確認する。

夢大路文

 お前のようなゲストキャラが居てなるものか。ゲストの癖にガッツリ絡みがあり、この後の時系列への伏線ともとれる言動が見られたので驚いた。メイファンに対して「当たって砕けて木っ端みじんよ」という言葉と「舞台少女は何度だって蘇るのよ」という文だからこそ言える言葉を残す。相変わらず苦学生のようでシリアスな場面から食品セールの時間を盾に場をギャグへと昇華してフェードアウトする。彼女の態度から晶とは潔くシークフェルトを退学したと考えているよう。罪な人だ…。メイファンの「もっと文さんと一緒に…」という言葉やDelightでの晶や栞の言動からも多くの人が文への未練があることを自覚していない。ポン酢は出てこなかった。

サイカワ先生

 個人的に刺さった人。中等部の先生でみんくが始めた自己紹介を「自己表現の一貫」として認め反対していたクイナにもやらせる。ライブパートとの幕間にも登場し、寸劇での亜細亜翠と満鳴美アルマとの絡みやペンライト芸は笑いました。声と立ち姿がイケメン。

 

その他(?)


 中等部の子たちを見ていると九九組に子たちの要素を散りばめて当てはめているのでは?と思ったり。また名前が絶滅危惧種(あるいは絶滅した種)を基にしていて「生き残り」をかけて戦わせるというのもなんだかおもしろい発想だなと思いました。

ライブパート

  アフレぐ!→3人Delight to me!→9人Everlasting Show to the SHOW!→Regallia-継承-→No Stage, No Life (?カーテンコール曲)

 どれも最高でした。個人的にはEverlasting Show to the SHOW!はディスカバリー並みに全舞台少女に歌ってほしい曲である。「フィナーレの先!」の"き"が一瞬の静寂にこだますところ狂おしいほど好きでした。No Stage, No Life (でいいのかな?カーテンコール曲)もすっごくいい曲で何回も聞いちゃいましたね(語彙力)。中等部キャストのお辞儀のタイミング考えた人は天才。盛り上がりが最高の中だから自然と大きい拍手したくなった。「さぁ手をつなごう」のタイミングでめちゃくちゃ距離が近いメイファン詩呂みんくが見れます(というか左手側は肩組んでる)。あっという間に終わっちゃって「勝手に終わるな」って心の中で叫んだ。

アフタートーク

 天堂真矢役の富田麻帆さんから相羽あいなさんの話題が出てて役の外でもやっぱ仲いいなと思いました。そしてぬるっと登場する雪代晶役の野本さん。富田さんと野本さんが指さして手を振ってぴょんぴょんするシーンは仲の良さが伺えます。めちゃくちゃ微笑ましかったです。飛び入りで「みょん、みょん」とステップしたり「頑張るじょ!」と軽いフットワークな野本さんが終始面白かったです。

終わりに

 4日間ずっと「感想書こう」って考えてたら、考えがまとまらず永遠に指が進まなかったのですが強い決意の下ようやく書けました。一度は2000文字書いたのを消してやり直すなんてことをしましたが、書き出すとほんと語りつくせないぐらい見どころや考察や感想が出てくるものです。
 演者とスタッフの皆さん、ありがとうございます。本当に面白いものを見せていただきました。観ている我々はとてもスタァライトされました。これを書いてるときはそろそろ折り返しとなっていると思うので、皆さん無事に千秋楽まで走り抜けられますように。
 そしてまだ見てない人は騙されたと思って一回スタァライト沼に…。ではこれにて!

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