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【検証】本当にDomingo Santana から長打は消え去ってしまったのか

どうもフェグリーです。調子に乗って2本目を投稿いたします。

さて今回も新外国人選手に関してです。しばしばファンの議題に上がるもなかなか打球は上がらない男、ドミンゴ・サンタナについて語らせてください。

フェグリーが考える、後半戦のサンタナの成績


これからサンタナは多少アベレージが落ちるも長打及び出塁は増えてホームランも10本以上打つのではと考えています。
その理由となるデータを、サンタナがすべきことをおさらいしながら見ていきたいと思います。

①Youはなにしにニッポンへ?

サンタナは17年に31本塁打と輝かしい実績がありながら、守備難もありチームを転々としNPBの1球団にして目下最下位を爆走中だった東京ヤクルトにたどり着きました。
そんな彼のどこがMLB側にマイナスに映ってしまったのか、それは過去2年の成績を見たらなんとなく見えてくると思います。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/domingo-santana-570267?stats=statcast-r-hitting-mlb

ここ2年は右肘の怪我の影響もあってかまともに飛ばすことすらままなりませんでした。打球速度も調子のいい時期より落ち込んでますし角度もつかない散々な成績でした。年齢も29歳で早期にMLBに復帰するには、やるか分からなかった3Aで機会を伺うよりもNPBである程度のレベルの球を見る方が得策と考えたのではと思います。
三振の多さや守備難という分かりやすいデメリットを抱える彼がMLBに戻るにあたりアピールしなければならないのは以下の点です。

●かつての長打力が健在であること
●ある程度のリーグでアベレージがそこそこ残せること
●高い出塁能力

当たり前なのですが、彼にとって打撃が生命線なので他の選手よりこれらの指標が重要になってきます。つまりNPBではMLBではあまりできていなかったアベレージと長打の両立で圧倒的な数字を見せる必要があったわけですね
そんな背景を抑えながらNPBでのここまでの成績を振り返りましょう。

②サンタナの作戦

ここまで彼は以下の成績を残しております。

https://baseball.yahoo.co.jp/npb/player/2000135/top

如何でしょう、少し想像していたサンタナ像と異なりアベレージを残すも長打がさみしいという結果ですね
これに関しては月別の成績やコースを参考に分析したいと思います。

とその前に、実はサンタナはNPBに挑戦する際にある変化を見せておりました。
それが皆さんご存じのグリップエンドの握り方です。(じょにーさんがサンタナのグリップエンドを比較されていました。是非ご参照ください)
MLB時代の彼は左手で覆いかぶせるように完全に隠しておりました。NPBでは左手半個分短めにバットを持ちながら試合に出ておりました。実は4月の2軍戦で既にこのスタイルだったので、来日直後からこれで行くと決めていたのでしょう。
これにはいくつか理由があると考えられます。

●怪我や隔離明けからのコンデションが完全に整っていなかったので本来の長さでは満足にスイングできなかった
●NPBで多い変化球攻めに対応するため
●先の理由でアベレージも残す必要があったため

この変化には彼の持ち味に影響するデメリットがあります。それは彼は特に遠心力を活かしてかっ飛ばす打者なのでパワーレスに陥る可能性が高いということです。
こうまでして昨年までずっと続けていたスタンスを変えるというのは並々ならぬことです。彼のNPB挑戦への覚悟が勝手に伝わってきましたね!

しかしプロはそんな努力など無下にする厳しい世界。4月のサンタナはこれでもかというほどMLB時代にからっきしだった外角を変化球中心で攻められていましたね。元よりベースから離れた立ち位置で振りも鈍かった当時のサンタナには拷問に等しかったか、一時1割台をさまよっており苦労しておりました。やっとのことで生み出たサンタナの外角初長打は、奇しくもヤクルトになる世界線から外れてしまったがおかげでサンタナのヤクルト加入を後押しした男、井納翔一からのアーチでした。

彼の努力の成果が表れ始めたのは交流戦あたりから。下手に外角の球に手を出すことがなくなってきました。更に京セラで放ったどでかい一発、これがパのスコアラーを震え上がらせたか、よりきわどいコースを四球上等の配球へと徐々に変わってきました。ここで甘いコースがなくなったのと強く振れないことによるパワーレスが相まって、アベレージ型に変貌したのだと考えております。
事実交流戦では70打席で11四球と上々のペース、4割近い出塁率でした。

しかしこのまま上手くいかないのがさすがはプロの世界、交流戦後はその消極的なスタイルを逆手に取られました。あまりコース一杯に攻めずゾーン内で力勝負を仕掛けるバッテリーが急増しました。長打狙いの打者相手とは思えない配球の変化に対応しきれなかったか、なんとリーグ戦再開後はアベレージも2割前半、四死球5つ、四球だけならたった3つ
これでは持ち前の出塁力を全く生かせていませんね

ここでサンタナも黙っておりませんでした。200打席も立ってアベレージ型への対策もされ始めた中で振りも鋭いものに戻ってきたのでしょう。先日の阪神戦あたりでようやくグリップエンドがMLB時代の位置に戻りました。後述の理由も込みで長打が戻れば色々なサンタナの強みがまた戻ってくると期待しております。

③サンタナの打席位置について

バットの握り等を変えても唯一変えていないのが打席での立ち位置です。何名かの有識者にベースから離れすぎではと指摘されている彼ですが、これ実はMLB時代から極端にベースから離れているんですよね。
そりゃあインコースがど真ん中みたいな立ち位置だからインが得意というのも頷けます。



https://www.youtube.com/watch?v=-htyq2yPQPM&t=471s



ではどうやって外角を捌いていたかというと、差し込まれながらも尋常ならざるスイングスピードと遠心力で放り込むスタイルだったわけです。
彼の動画とかでよく見られた流し方向の変態ホームランは外角に立ち遅れながらもめい一杯腕を伸ばして遠心力が働いた結果だと考えられます。
きれいな引っ張りはほとんどが真ん中からイン寄りです。
こういうところからも、彼の外角処理はスイングスピードと長さにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
なぜ変えないのかは定かではないですが、いくつか仮説をたてております。

●一般的な立ち位置だと内角が打てず、あえて遠くに立っている
●腕をめい一杯伸ばす方が飛ぶので、内角もできるだけ遠心力を使いたい
●左投手のイン攻めが苦手なので、なるべく視界を広くしたい

一番目の理由は、実は内角は見逃し三振が多いので見えてないのかなと。こちらはアンパイアとの相性もあるのでチャートのみでは判断しきれません。
二番目はそのまんまです。これじゃないかなって思いますね
三番目に関して、実はサンタナは左投手のインローを非常に苦手にしていまして、見逃し三振も左投手に関しては多く喫しています。クロス気味の投手に関してまだストライクゾーンが見分けられてないのもありそうですが、この辺りも関係しているかもしれませんね。
いずれにせよ、サンタナが打席の立ち位置を変えることは無いのではと思います。

④後半戦に向けて、サンタナに目指してほしいこと

ここまでを振り返ると、サンタナはNPBにて試行錯誤を繰り返している最中で、ようやく自分本来の打撃が披露できそうという所まで戻してきているのではという結論になりますね。
ここでオリンピック休暇に入りますが、ぜひ後半戦で爆発してもらうためにしてほしいことを書き連ねます。


●エキシビションは全試合出場して試合勘を鈍らせない
●外角の球を長打にできるようにスイングスピードを取り戻す
●左の中継ぎとの対戦機会を増やす
●くれぐれも肘の痛みの再発には気を付けてもらう

ちょっとスニードの時より雑ですが、こんなものでしょうか。
後半戦、彼の活躍を大いに期待しております!

最後に

だいぶポジティブな意見となりました。サンタナには外角の対応等まだまだ課題がたくさんあります。しかしその課題はもしかしたらすべて払しょくできるところまで来ているかもしれません。グリップエンドの位置でこんな意見もあるんだとか、いやいやそこまで変わらんだろとか様々な意見があると思います。
今回は若干他の方の考察と被っているような気もしないでもないですが、皆様の自由な考察の一助となれば。
重ね重ね宣伝ですが、ハリウッドスター顔負けのスーパーハンサムガイ、クリスブライアントが所属しておりますシカゴカブスも宜しくお願いいたします。

ではでは