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Mリーグのターゲットにライト層は存在するか?

Twitterでは日々、Mリーグの方針について、「ガチ勢vsライト層」というくだらない議論がされています。

しかしすごくどうでもいいとは言え、僕にはMリーグ発足時からずっと疑問に思っていることがあります。

「人気女流や芸能人を起用するのはライト層を惹きつけるのに必要」

これ、ライト層を自称するひとも、ガチ勢を自称するひとも、当たり前のように話していますが、一般人の目線からするとものすごく感覚がズレています。つまり何が言いたいのかと言うと…

「人気女流の既存ファンはそもそも一般人でもライト層でもない」

ちなみに言えば、僕は10年以上麻雀をしていますが、Mリーグドラフトで選ばれた女流で元から知っていたのは、二階堂と魚谷と岡田だけです。

人気で選ばれたの代名詞である高宮まりを知りませんでした。

というのも、麻雀打ちの間で「人気女流」とか「人気プロ」というのは非常に特殊な世界です。天鳳とかのネトマで廃人のように打ってるひとや、フリー雀荘でガチガチに打ってるひとでも「人気女流」を知らないのは珍しくないのではないでしょうか?

「フリー行ったら何かゲストの女流がいたけど、よく知らんし」って、態度のひとは割と多いんじゃないかと。

そもそも女流麻雀プロを知る窓口って、雀荘ゲスト、近代麻雀のグラビアや広告、(主に有料の)麻雀番組…そのくらいしかないように思えます(アベマの麻雀チャンネル以前には)

フリー雀荘でお金賭けて女流追っかけてるひとって、ライト層ですか?

近代麻雀をわざわざ読んでなおかつ、漫画じゃない小さなコラムまで読んでるひとって、ライト層ですか?

わざわざ「Mリーグ以前には華がなくてつまらないと言われていた麻雀番組」を視聴していたひとって、ライト層ですか?

もっと言えば、何人かの女流を知っていてなおかつその中の人気の序列まで語れるひとは、相当のコア層じゃないですか?

これは芸能人枠と言われるハギーや岡田にも同じことが言えます。

ハギーといえば、われポンやMONDO、『アカギ』の声優、片山まさゆき漫画などで多くの麻雀ファンに知られています。一番知名度に貢献したのは、われポンでしょうか。

しかし…「ハギーを目当てに麻雀わからないけどわれポンの視聴を始めたひと」って、そんなにいます?

むしろ「麻雀が好きでわれポン観たらハギーがよく出演していた」というのがほとんどではないでしょうか。世間に加賀まりこや堺正章の追っかけ勢がそんなにいるとは思えないので。

岡田についても同じことが言えます。単純に僕がグラビアやモデルに疎すぎるのかもしれませんが、岡田を知っていたのは僕が好きでよく読んでいる『ゴールデン桜』の原作をしていたからです。そこまで一般に影響力あるんですか?岡田目当てに麻雀知らないのにMリーグを観る層が。僕はサクラナイツのコミュニティにいたことがありますが、会員は100人に満たないし、その中でモデルとしての岡田を追っかけてきたひとは…(これ以上いけない)

僕はハギーも岡田も好きですが、それは麻雀という色眼鏡をかけただけで、僕が麻雀の趣味をもっていなかったらそこまで興味がなかったはずです。ハギーや岡田がバックギャモンのプロになっても、バックギャモンが趣味でない僕は観ようとは思わなかったはずです。

よく「Mリーグの人選は人気の人選」と言われます。それはまあ確かでしょう。しかしその人気の指標は「ゲスト人気」と「番組露出」という偏った指標です。女流追っかけに媚びた人気なんてそもそも大した母数がないでしょう。麻雀に興味があってなおかつ今までプロ麻雀を観る習慣がなかった層を開拓するなら無視していいレベルだと思います。

僕に似たような考えで人選をしたのはドリブンズですね。既存の観戦勢にはマニアックな存在である園田と丸山を起用して普通に人気を獲得しています。はっきり言って大きな市場を攻めるなら小さな市場の人気なんて無視していいです。大きな市場を目指すならどちらかといえば、「実力の担保」とかいう公明性の方が大事ではないでしょうか。それだけとは言いませんが。

「女流は雀力に劣ることがわかっていて、それでも楽しんで観戦する」というスタイルは小さなマニアの世界なら問題ないのですが、マニアの世界を飛び越えて大きな観戦層にアプローチすると「何でこんな実力差のある面子でガチ対局を競わせるの?」という当然の疑問が噴出します。観戦する人間が多くなれば多くなるほど「暗黙の了解」は形骸化します。だっていちいちひとりひとりに麻雀界の背景は説明できないので。

観るひとが増えれば増えるほど、隠せないものも増えるので土台に公明性がなければ風評は破綻するんです。麻雀界だってプロ団体だって、一般のひとには隠したいことがたくさんあるはずです。マニアだけの世界なら共通了解を得られますが、一般の目に晒されて本当に弁解出来るのでしょうか。一般のひとのいろいろな疑問を。

よく自称ライト勢に「初心者はそんなことまでわからない」と言うひとがいますが、それは初心者を舐めています。今後もずっと放送対局を見続けるレベルのお客さんなら、半年も経たないで違和感に気づきます。SNS見ればいろいろ触れますし、初心者は永遠の初心者ではないので。それとも一見のお客さんをずっと入れ替え入れ替えしていくつもりでしょうか。

「麻雀人口を増やすためには華のある人選を」という声もあるのですが、世間は工業高校じゃないのでちょっとぐらい綺麗なひとがいても、それだけでは見向きもしません。綺麗なひとが見たいならアイドル番組を観るだけのことです。選手にさせるよりも解説席のゲストに麻雀好きのアイドルを呼んだ方がマシです。

「麻雀を打つ女性にフェティシズムを感じて、麻雀を打てるグラドルさんを集めるのが趣味」という、ぴんふさんという有名人はいますが、そういう特殊性癖のひとはさすがにあんまりいないと思います。

そもそもMリーグの目的に「麻雀人口の拡大」はないと思います。既存ファンを抱えるのが目的で、だから「元々の麻雀観戦勢に媚びた人選」をしているだけではないでしょうか。

FireShot Capture 482 - Mリーグの使命 - M.LEAGUE(Mリーグ) - m-league.jp

「ファンやサポーターとの交流を通して」→ファンやサポーター以外にアプローチするとは言っていない。

「子どもからご高齢の方まで広く楽しまれている麻雀」→元々楽しんでいるひとが主に対象。


こじつけのように見えますが(実際こじつけです)、Mリーグが麻雀人口増加計画をしているかといったら、やっていないと思います。

むしろそれをやっているのは「雀魂とVtuber」です。

ライト層がVtuberと一緒に麻雀を楽しんだり勉強するのが面白いと思うのはよくわかります。しかもそれを雀魂に誘導すれば利益になりますし。

しかし、よくわからない基準で選ばれたよくわからないプロたちが実力を選抜するわけでもないリーグ戦をやるのを観て楽しめるのはどう考えてもライト層ではないです。ライト層を騙る何者かです。

Mリーグの本当のターゲットはライト層ではなく、放送対局のコア層

Mリーグの自称ライト勢は無自覚に感覚が麻痺している実際はコア層

これが僕の仮説です。Mリーグは単純に広告と無料放送によって放送対局の視聴者を集約しただけなのではないかと。既存の麻雀放送でも無料ならたまに観るよ、程度のひとを常連にしただけなんじゃないかと。

僕は麻雀業界のことは全然知らないので「違うよ」というひとは本当の事情を教えてください。反論もTwitterで募集しています。




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