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多井隆晴を救いたい

この記事は、とある麻雀オタクさんの以下の記事についての反論です。

なので、こちらを先に読んでください。

多井隆晴プロ(以下タカハル)の以前、問題となった発言とはこれですね。

これらについての反響については、以下の福地先生の記事を参考にしてください。有料なので福地先生にお布施してください。

この一連のタカハルtweetへの感想としては、個人的にはこの平澤さんの意見に近いです。

平澤さんは立場があるので過激なことは言えないので、代わりに僕が過激な指摘をします(平澤さんと僕が同意見とは言ってない)

「タカハルはポストMリーグを考えている」


抽象的すぎてよくわかりませんよね。

最近の麻雀界の風潮としてこのような意識が浸透しています。

①MリーガーはMリーグを通して麻雀の面白さを伝える

②(一部の)麻雀プロはMリーガーになるために努力する(しなければならないという風潮がある)

③ファンが盛り上げる(熱狂を外へ!)

④Mリーグが盛り上がることで裾野が広がり麻雀人口や界隈の認知度が増える

Mリーグガチ勢のひともライト勢のひとも、この構造を信じてMリーグに関わっているのがほとんどではないでしょうか?

多くのMリーガーや、Mリーグを目指す麻雀プロもだいたいこう考えていると思います。

ただひとりタカハルを除いて。


最近、麻雀がブームの兆しを見せているのですが、実はこれにMリーグはあんまり関係ないんですよね。

現在、麻雀の裾野を広げているのは「雀魂」と「Vtuber」のシナジーです。

僕のTwitterのフォロワーには、いわゆる「麻雀クラスタ」でない別の趣味で繋がっているひとが多いのですが、かなり雀魂が流行っています。

その中には趣味と言うほどではないけど昔にぼちぼち打ってたひとたちや、あるいはVtuberの配信から興味を持って麻雀を始めたひとたちがいるのですが・・・そのほとんどがMリーグの話を一切しません。フォロワーの僕がしょっちゅうMリーグの話をしているというのに。

これはどういうことかと言うと、いわゆる「インターネットのひとたち」は麻雀を覚えたからといって、雀荘に遊びに行くわけでもないし、雀荘でゲストのプロに出会ってファンになるとかはないんですよ。

ネトゲのひとつとして麻雀を楽しんでいるだけであって、リアルの麻雀にほとんど興味がないんです。ネトマの画面に慣れた人間がプロの放送対局の、あの対局者の視点がぐるぐる入れ替わる観辛いことこの上ない配信を苦労してまで観ようとは普通思いません。Mリーグを楽しんでいるひとは以前からの放送対局で慣れているかもしれませんが、新規からすれば「何じゃこら」です。よく知らないおじさんおばさんが打ってるのを長時間眺める暇があったら、友達との個室やフリー対局で雀魂を遊んだ方がずっと楽しいです。

そもそも現代では趣味の繋がりはネットを介して知り合うことが多いです。いくら麻雀の話で仲良くなったからといって、長野と鹿児島の人間がリアルのセット麻雀の約束をするとかはほとんど機会がありません。普通にネットの妖精としてネット麻雀の個室で遊びます。

MリーグはAbemaのインターネット放送なのにも関わらず、PVとかファンミとかいうリアルの繋がりを重視しますが、これはリアル麻雀を楽しむ層をターゲットにしているので、雀魂が流行ったところで大して人口は移動しません。ネット配信なのにリアル志向なのはMリーグビジネスの最大の謎のひとつです。

リアルからネットへの傾向は日本よりも中国の方が顕著かも知れません。僕は以前こんな記事を書いているのですが・・・

一般的なことをいえば、中国の市井の麻雀ルールは基本的にネットで打てません。ネットで打てるのはネトマになったルールだけです。
「日本麻雀が先行してネトマとして存在した」こと、さらに「麻雀アニメがあった」こと、これが単純に中国で日本麻雀ルールが普及した要因ではないでしょうか?

中国発の雀魂が日本と中国で発展しているのは、「リアルを切って」「ネットに合わせた」というビジネス戦略が上手い具合にハマったのが要因ではないかと思います。そこにリアル主戦の麻雀プロが介在する余地はありません。おまけにしかならないです。

タカハルの話に戻ります。


Mリーグに深く関わっているタカハルとしては、Mリーグはすでに「昔ながらのプロ麻雀を楽しむ層」への認知のステージは済んでいるし、さらに大きなパイを獲得するためには、今までプロ麻雀に興味のなかった新規を獲得しなければならないのに気付いているはずです。「昔ながらのプロ麻雀を楽しむ層」なんてパイはそもそもが小さすぎますし、多井隆晴を知っている層にタカハルを売り込んでもあまり意味がありません。

そこで降って湧いたようなVtuberによる麻雀ブーム。これは乗らないわけには行きません。

しかしタカハルが指摘するように

「麻雀Vtuber」というくくり
これはきちんとしないと危ないだけ

別に今の麻雀配信をしているVtuberの多くは、麻雀をメインにのし上がったわけでもないので、普通に飽きたり、視聴者の受けが悪くなったら、さっさと麻雀の配信をやめてもおかしくないんです。

怪しい素性の麻雀プロや関係者が配信に参加して何らかのトラブルを招いたり、面倒くさい麻雀ガチ勢がイチャモンつけはじめたら、本当やめてもおかしくないんです。他にも面白いコンテンツはいっぱいあるので。

だからタカハルは釘を刺したんですよ。言い方が下手くそだったせいで意味があんまり通じてなかったけど。

麻雀ファンは「同じ麻雀好き」だと思ってニコニコしますが、全然人種が違うんですよ。

「快適なネトマで推しと楽しく麻雀してる層」に、「雀荘でお気持ちポイントをやりとりする層」や「女流の尻を追っかけてる層」が近づいてきたら何の地獄ですか。最初は何も知らないでニコニコ対応してくれるかもしれませんが、実態を知ったらどうなるんでしょうか?あなたたちの趣味はそんなに健全ですか?

Mリーガーの多くはMリーガーの地位に満足して盛り上げることだけ考えているような気はしますが、少なくともタカハルひとりはMリーグを踏み台にしてのし上がろうという気概があると思います。

ほとんどのMリーガーはMリーグが終わったら何も出来ずに元の雀荘ゲストとか堅気の仕事に戻ると思いますが、タカハルだけはMリーグ後の世界を見据えていると考えます。もしかしたら「謎の人気のプロ」に頼らずに水巻渉や鈴木たろうと活躍できる場を作るかもしれませんし、既存の麻雀プロ団体を見限って新しい麻雀普及を考えるかもしれません。

僕は常識に囚われた人間が喜ぶような耳障りのいい言葉しか言わない麻雀プロなんかよりも、多少言葉選びが下手くそでもビッグマウスのタカハルが好きです。


「多井隆晴を救いたい」って、横山夏美さんも言ってました。


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