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Mリーグは麻雀プロの承認欲求を満たすシステムと言えるのか?

どうも、Mリーグ大好きpheebinです!

僕はMリーグが大好きで、年会費6500円のサクラナイツの公式サポーターになっているし、月額1100円のサクラナイツmemma会員にもなっている熱狂的ファンです。この熱狂を外へ!

Mリーグ、面白いですよね!僕は他の遊びが忙しくて、観ても眠くなるのでMリーグはほとんど視聴していませんが、巷では大変盛り上がっているようです。僕はぴんふさんと違って、麻雀界への影響はほとんどない無名のアカウントですが、Mリーグについてのぴんふさんのtweetに触発されて記事を書いてみました。

要するに、「麻雀プロは何で麻雀やMリーグを利用してセルフプロデュースしないのか?」ということですね。

この件については平澤元気プロが一応見解を述べたnoteを書いています。

有料記事なので詳細は割愛しますが、これを踏まえて「麻雀プロの在り方」について、考えます。

麻雀プロの目的は大きく分けてふたつにまとめられます。

①麻雀で生計を立てる

②麻雀の腕を世間に認めさせる

麻雀プロのライセンスは所属と棋戦の参戦権が与えられるのみで、ライセンスをどう自己実現や収益に結びつけるかは個々のプロの技量にかかっています。つまりプロの在り方はプレイヤー自身で決めるしかありません。目的が個々人で違うので麻雀プロの定義は「所属プロ」であることのみです。しかし、ライセンスの取得目的は上記の二点のどちらか、あるいは両方と思われます。

①麻雀で生計を立てる

これについては「麻雀の実力」は関係ありません。

わかりやすい例でいえば女流プロです。女流で収入が多そうなのと言えば、高宮まり、東城りお、都美などですが、別に団体のリーグ戦で実績を上げているわけではありません。集客力があるとすればその理由は、ルックスや接客スキルです。強いプロよりも美人なプロと同卓したいと、おっさん代表のぴんふさんは言ってました。

男性プロで麻雀で生計を立てようとする場合でも、実力がものをいうというわけでもありません。必要なのはわかりやすい「セルフプロデュース」です。代表的なのは小島武夫、安藤満、土田浩翔などでしょう。麻雀は良くも悪くも運ゲーなので、実力評価システムが発達していません(天鳳はある程度その役割を果たしていますがブレも多いし、評価システムにも議論の余地があります)。業界内で誰それが強いという曖昧な評価よりも、「亜空間殺法」や「対子システム」の方がシンプルに面白いです。

あと将棋や囲碁では「戦術論の著者はプロ」が多いですが、麻雀の場合は『福地本』『ネマタ本』『ウザク本』が名著とされていますし、エポックメイキングのとつげき東北『科学する麻雀』も含めて、みなアマチュアです。「戦術を考えてそれを売るプロ」は少数派ですし、またほとんどの場合、知名度を利用したファンブックかドヤ闘牌です。将棋だってプレイヤーとしてのトップと戦術家としてのトップは一致するとは限りませんし、「戦術を考えてそれを売るプロ」はほとんどいない(平澤元気とか中嶋隼也くらい?)のは、業界の未成熟にも見えます。

②麻雀の腕を世間に認めさせる

これがほとんどの麻雀プロの目的ではないでしょうか。

前述しましたが、麻雀には客観的な実力評価システムがありません。ネット麻雀では段位やレーティングがありますが、フリー雀荘では(一部を除いて)ありません。麻雀の勝ち負けを金額で計るとしても、自己申告に限りますし、まさか確定申告するわけがありません。

プロの場合、リーグ戦の成績が指標となりますが、「自団体での相対的評価」しかわかりません。連盟と最高位のトップがどちらが強いのかわからないどころか、巷のフリー強者や天鳳高段位者とどちらが強いのかもわかりません。

まず、団体、雀荘、ネトマ、いろいろなコミュニティがありますが、

「ルール自体が統一されていません」

麻雀のルールの多様性自体は麻雀の魅力のひとつですが、「実力」を測ろうとすると問題が出ます。

「トッププロなのに天鳳で結果を出せない」

「連盟では強いのにMリーグでは結果を出せない」

普通にあることですが、これ「負けた言い訳」に使われていないですか?

プロ団体のルールと市井の麻雀のルールが乖離していることはよく言われますが、わざとやってません?

「麻雀プロとして結果を出しているから麻雀が強い」

「フリーで負けるのは普段打っているルールと違うから」

このようなダブルスタンダードが罷り通っているのが、麻雀界の闇ではないでしょうか。

普通、麻雀プロを志すひとはフリー雀荘で麻雀にのめりこんで、それからプロを目指しますよね。何でいきなり別ルールで打たなければならないんですか?巷の雀荘では採用していないルールを。

団体の競技ルールが好き。よくわかります。

じゃあ何故Mリーグルールにホイホイ付いていくのでしょうか?

Mリーグルールは市井のルールとも既存の競技ルールとも違う特殊ルールです。しかも30人弱の中で競われる非常に閉鎖的なルールです。そんなところで結果を出して、本当に自尊心は保たれるのでしょうか。一般的なフリーでも自団体でも採用していないルールですよ、アレ。

「麻雀がわかってる面子でリーグ戦を行いたい」すごくわかります。

でもMリーグである必要性が感じられませんよね。

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本題に入ります。

Mリーグは麻雀プロの承認欲求を満たすシステムと言えるのか?

Mリーグが開幕して2020年現在2年目ですが、Mリーグの在り方については麻雀クラスタの中では賛否両論です。

一方、麻雀プロの中では何故か賛成意見しかありません。否定的意見もあったことにはあったのですが、謎の圧力で謝罪して削除されました。

Mリーグにはいろいろな問題がありますが、今回は二点だけ提示します。


①集客重視の人選

Mリーグでもっとも批判されているところでしょう。ドラフト会議で高宮まりが指名された時点で興味を失ったという過激派もいるくらいです。この辺の事情については僕より言いたいことの多いひとがいると思うので割愛します。

近年は若者を中心に『咲-saki-』や、夜桜たまなどのVTuberのコンテンツ、またネット麻雀という遊び場の確保によって、麻雀プレイヤーが増加しています。

一方で、既存の麻雀プロ及び雀荘ゲストという形態は老害化して衰退しています。

麻雀の入口に麻雀プロを活用するという手法ははっきり言って時代遅れです。

時代遅れの雀荘ゲスト人気に依存した集客にどれほどの効果があるのでしょうか。Mリーガーを眺めると、育成枠の丸山奏子、芸能人枠の岡田紗佳、何故か指名された松本吉弘の他は30代以上の中年です。将棋や野球を例に出せば、はっきり言ってプレイヤーとしては下り坂の年齢です。何故中年ばかり指名されているのでしょうか?

理由はいくつかありますが

「麻雀プロの昇級システムが未熟」

「若年層にとって麻雀プロは魅力がなく、過去に比べ人材が入らない」

などが考えられます。つまり「過去の栄光」によって選ばれた人材で運用するという前時代的システムです。とてもベンチャーの藤田チェアマンのやることではありません。

選考基準が「過去の栄光」であるとするなら、栄光のないベテラン勢は目無しですし、新進気鋭の若者もよほどの武器がない限り入り込めないでしょう。

過去の栄光による集客では、新時代の若者に夢を与えられません。

本来若者に与えられた武器は実力のみなはずなので。

そして、現在の実力との因果関係が不明な基準で選ばれたことに対して、プライドを保てる真面目なプレイヤーがどのくらいいるのでしょうか。


②入れ替え制度がない故の閉鎖システム

Mリーグは下位リーグがありません。ゆえに解雇されない限り選手の入れ替えはありません。そして選手枠は各チーム4名までです。

先日、園田選手が勤務先の企業を辞めてMリーガーに専念するというニュースがありました。このことはひとつの事実を示唆しています。

「園田は来期も続投である」

2020年1月現在、ドリブンズはぶっちぎりの最下位で余程のことがない限り、最下位を脱出できません。しかも園田選手も29人中28位と大いにマイナスしている戦犯の一人です。チームとは一年ごとに更改してるので、もしチームの解雇要件に「成績不振」があればこんな大胆なことは出来ません。これはチームとの「密約」があったと断言してよいでしょう。

Mリーグファンの間に囁かれている噂で、「Mリーグ3年説」があります。スポンサーとの契約が3年なので、初期3年の結果次第でMリーグの存亡がかかっています。

Mリーグの最大の見せ場って何だと思いますか?

それは「ドラフト」です。

誰が選ばれるのか?が最大の関心ごとで、このお祭りを実現するには、既存選手に辞めてもらわなければなりません。これは野球でもそうで、人間の入れ替えがないコンテンツは絶対に飽きます。

3年目のドラフトがショボかったら、Mリーグの盛り上がりはどうでしょうか?

ちなみにぴんふさんは2年目のときに、枠が4人に増えたのにも関わらず指名を行わなかったチームがあったことに幻滅して、サポーターを辞めてしまいました。

またMリーグが30人くらいしか枠がないということは、Mリーグルールで長期のリーグ戦を行うプレイヤーも少ないということです。別にMリーグが出来たからと言って、既存のプロ5団体にMリーグルールのリーグ戦が新設されたわけでもないので。

「麻雀強くなりたかったらMLスタジアムへ来なさい」という言葉もありますが、MLスタジアムで打ってもMリーガーへの優先権があるわけでもありません。

Mリーグでいずれはプレイしたいと思った新規プレイヤーが仮にいるとして、そのために5団体に入会して、Mリーグルールとは程遠い競技ルールを延々と打たされることについて、モチベーションが保てるかは甚だ疑問です。しかも団体で燻っている間も既存MリーガーはずっとMリーグルールでガチの対局を打っているわけで、適応の差は広がるばかりです。

また苦労してMリーガーになっても、客寄せパンダのお祭り扱いを一部の麻雀ファンから揶揄される始末。本当にモチベーション保てるのでしょうか。

極論しましょう。

「Mリーグはトップリーグではなくて、アベマの麻雀番組です」

旬のトッププロを常に排出するコンテンツではなく、マンネリの麻雀タレントが延々とリーグ戦を行うただの番組です。それはたしかに選ばれた中ではガチの対局かもしれませんが、視聴率が低空飛行すれば打ち切られる泡沫番組です。そこに人生を賭ける価値はいったいどのくらいのプレイヤーに見出されるのでしょうか。まだ既存のプロ団体のリーグ戦に専念する方が価値があると思いませんか。

僕と平澤さんは結論に至る思考も立場もまったく違いますが、結論だけは同じです。

ぴんふさんの疑問への回答は

「ほとんどのプロにとってメリットがない」

平澤さんの答えは300円でnoteを購入して読んでください。

僕の答えは

「麻雀プロは閉じたコミュニティで”わかるひと”に認めてもらいたい。一般人から評価される必要性はない」

「麻雀プロの多くは麻雀が強くなりたいだけで、普及には興味がない」

麻雀プロや麻雀業界に関わってるひとは僕みたいなこと書けないんですよね。面倒くさいしがらみがあるので。

麻雀戦術書がアマチュアの仕事になったように、麻雀批評もアマチュアの仕事になっているような気がします。

麻雀noteもプロよりアマチュアの方が面白いですもんね。

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