見出し画像

15 .骨盤内炎症性疾患 ( PID )について誤っているものはどれですか .難易度:★★★

画像1
画像2

裏回答

3⇒○基本的に微生物感染により引き起こされる。内膜細胞診検査は原因因子ではない。


解説

骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease; PID)とは?

骨盤内臓器(子宮、卵巣、卵管、骨盤腹膜など)の感染症を総称してPIDと呼びます。

PIDは子宮内膜炎、付属器炎、子宮旁結合組織炎、骨盤腹膜炎が含まれ、多くは上行性に感染が広がります。(※子宮頚管炎は含まれないことが多い)

上行性感染↓

外部から侵入した感染により上行性に感染が広がること。尿道口から侵入した細菌が尿路をさかのぼって膀胱炎を起こすのも上行性感染。

画像19

余談ですが、骨盤腹膜炎は、卵巣に炎症が起こった場合に炎症が骨盤腹膜に波及することが多い(上行性感染)ですが、一部では、大腸の穿孔や急性虫垂炎による下行性感染もあります。骨盤腹膜炎が上腹部まで感染が波及する場合は肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis 症候群)と呼ばれます。若年女性で急性腹症の原因として性器クラミジア感染が主な原因とされている原因はこのためだったのですね。|・ω・`)フムフム

PIDは性感染症でみられるクラミジア、淋菌や、大腸菌、バクテロイデス属、プレボテラ属などの菌により引き起こされます。😱

感染しているパートナーとの性交時に感染する場合が多いですが、婦人科系手術歴のある女性もハイリスク群となっています。好発年齢は35歳未満と言われています。👩‍🦰👩‍🦰

症状としては、下腹部痛や内診による圧痛、おりもの。不正出血の他、発熱、白血球増加などの炎症反応を伴います。(>_<)

発見、治療が遅れると、不妊症、異所性妊娠などの後遺症が残る可能性があり、早期の治療が重要になります。


子宮内避妊器具(Intrauterine device; IUD)は避妊、過多月経、月経困難症の患者に効能、効果があり、子宮に直接Tの字の器具を装着します。🥞🫖𓂃 𓈒𓏸

子宮内避妊器具(IUD)に関して、禁忌(投与してはいけない患者)な場合を提示します。↓( ゚ロ゚)NG!!

IUDは性器感染症(カンジダ以外)の患者や、過去三ヶ月以内に性器感染症の既往歴がある患者や、頚管炎または腟炎の患者や再発性または現在PIDの患者はPIDのリスク上昇または症状悪化の可能性があり、使用してはいけないとなっています。

また、IUDの重大な副作用に骨盤内炎症性疾患(PID)(0.2%未満)、異所性妊娠、穿孔(器具が子宮体部や頸部に陥入してしまう)、卵巣嚢胞破裂があることも熟知しておきましょう。✍️

IUDはPIDの発症因子であり、増悪因子にもなり得るのですね🤔

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?