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中医協、8月18日新薬・薬価収載品目。有用性加算は、ジェセリ、ラゲブリオ、ボックスゾゴ、エジャイモ

中医協は8月10日開催された。8月18日付薬価収載新薬は以下のとおり。有用性加算はジェセリ、ラゲブリオ、ボックスゾゴ、エジャイモで認められ、市場性加算はボックスゾゴ、エジャイモで認められた。新薬創出等加算はジェセリ、ラゲブリオ、エジャイモの3製品。有用性加算では、ジェセリはHSP90を標的とする新規作用機序で、、主要評価項目のPEFを有意に延長したことが評価。ラゲブリオは「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」で有効性の確立した承認薬として紹介されていることや標準的治療法になると予想されることに加えて、比較薬に対し経口剤の本剤は利便性が向上していることが評価された。エジャイモは寒冷凝集素症の既存治療は支持療法のみであるが、同剤は6カ月以内の輸血歴を有する寒冷凝集素症患者に対して有効性が示されたことが評価された。

■高脂血症用剤
エパデールEMカプセル2g(一般名:イコサペント酸エチル):持田製薬薬理作用;コレステロール低下作用/トリグリセリド低下作用
効能・効果:高脂血症
予想患者数:9.6万人
ピーク時売上:40億円

■血液凝固・血小板凝集阻止剤
イグザレルト錠2.5mg(同:リバーロキサバン):バイエル薬品
効能・効果:下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制
薬理作用:血液凝固阻止作用/第Xa因子阻害作用
予想患者数:11万人
ピーク時売上:62億円

■その他の腫瘍用薬
ジェセリ錠40mg(同:ピミテスピブ):大鵬薬品工業
効能・効果:がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
薬理作用:HSP90阻害
有用性加算(Ⅱ)(5~30%):該当する(A=5%)。本剤はHSP90を標的とする新規作用機序医薬品であり、主要評価項目であるPFSを有意に延長した等の臨床上の有用性が一定程度評価されていると考えられることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
予想患者数:82人
ピーク時売上:1億円

■抗ウイルス剤
ラゲブリオカプセル200mg(同:モルヌピラビル):MSD
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症
薬理作用:核酸(RNA)合成阻害作用
有用性加算(Ⅱ)(5~30%):該当する(A=10%)。本剤は「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」で有効性の確立した承認薬として紹介されており標準的治療法になると考えられること、注射剤である比較薬に対し経口剤の本剤は利便性が向上していることから、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。
予想患者数:15万人
ピーク時売上:138億円

■他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
ボックスゾゴ皮下注用0.4mg(0.4mg1瓶(溶解液付))
ボックスゾゴ皮下注用0.56mg(0.56mg1瓶(溶解液付))
ボックスゾゴ皮下注用1.2mg(1.2mg1瓶(溶解液付))
/(一般名:ボソリチド(遺伝子組換え))
:BioMarin Pharmaceutical Japan

効能・効果:ボソリチド(遺伝子組換え)
薬理作用:C型ナトリウム利尿ペプチド類縁体作用
組成及び化学構造:遺伝子組換えヒトC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)類縁体であり、ヒトCNP-53の17~53番目のアミノ酸残基に相当し、N末端に2個のアミノ酸残基(Pro-Gly)が付加している。39個のアミノ酸残基からなるペプチド(分子量:4102.73)

有用性加算(Ⅱ)(5~30%):該当する(A=5%)。本剤は、ヒトC型ナトリウム利尿ペプチド類縁体であり、ナトリウム利尿ペプチド受容体Bを活性化することで線維芽細胞増殖因子受容体シグナル伝達を抑制し、軟骨内骨化を促進する新規作用機序の薬剤であることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。

市場性加算(Ⅰ)(10~20%):該当する(A=10%)。本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

予想患者数:515人
ピーク時売上:232億円


■その他の腫瘍用薬
ダルビアス点滴静注用135mg(一般名:ダリナパルシン):ソレイジア・ファーマ
効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
薬理作用:ミトコンドリア機能障害、細胞内活性酸素種産生促進作用
予想患者数:361人
ピーク時売上:11億円


■その他の生物学的製剤(注射薬)
エジャイモ点滴静注1.1g(1.1g22mL1瓶)(同:スチムリマブ(遺伝子組換え)):サノフィ

効 能 ・ 効 果:寒冷凝集素症
薬理作用:古典的補体経路C1s阻害作用

組成及び化学構造:445個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び216個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約145000)である。

有用性加算(Ⅱ)(5~30%):該当する(A=5%)。寒冷凝集素症に対する既存治療は支持療法のみであったところ、本剤は6カ月以内の輸血歴を有する寒冷凝集素症患者に対して有効性が示されており、有効性が期待できることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。

市場性加算(Ⅰ)(10~20%):該当する(A=10%)。本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

予想患者数:82人
ピーク時売上:22億円





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