全文無料で読めます。本稿は自主ゼミで発行する部誌用に拙稿「新・平沢進は無害か」を書き直したものです。おおむね「新・平沢進は無害か」と内容に大差はないものの、一部細かい情報は更新しています。それなりの手間と労力と金銭(書籍購入費)がかかっているため、よければ購読をお願いいたします 第1章 はじめに この頃、SNS上において「平沢進[i]は陰謀論者(conspiracy theorist)である。」という言説を目にする。確かに、平沢氏の発言には、反ワクチン、Qアノン、9.1
先日、ギターアルバムの新譜の案内がオフィシャルからされた。愚かにもGreen Nerveに入団している私は、先行予約をせんと意気込み特設サイトを開いた後、驚愕した。私は『新・平沢進は無害か』の終章にて、平沢のギターアルバムを買うと公言したが、どうやらそれは叶わなくなりそうである。 その問題のギターアルバム収録の各曲のタイトルが以下である。 お気づきだろうか?そう。タイトルが異常なまでに冗長なのである。すべてが説明されきったタイトル。聴衆に自由な発想の余地を与えないタ
凡例 ・《 》の使用は、楽曲の作品名を示す。 はじめに 平沢進がインターネット上において話題になるとき、映画「パプリカ」で使用された楽曲《パレード》もともに注目されることが多い*。《パレード》を通じて平沢進を知ったという方も少なからずいるであろう。そもそも大半の人にとって平沢進は「《パレード》の人」、または「やばい方のパプリカ」といった認識ではないだろうか。 では、人々は《パレード》をどういった楽曲と認識しているのだろうか。以下のYouTube上に(無断転載ではあるの
まえがき 皆さんは、『お兄ちゃんはおしまい!』をご存じだろうか。本作の主人公である緒山まひろは、元々は成年の引きこもり男性であったが、妹の緒山みはりに謎の薬を飲まされたことによって、年齢は中学生程度に若返り、身体が完全な女性に変化した(傷害罪が成立しそうな気もするが...)、というのがおおまかなあらすじである。 すなわち、緒山まひろは、戸籍上の表記は男性であるのに対し、実際の身体の性別は女性という状態に置かれている。とすれば、まひろが戸籍上の性別を変更したいと思った時に
謝辞まず、『新・平沢進は無害か』(以下、便宜上「本記事」とする。)に目を通していただいたすべての方に感謝申し上げます。拙著を通して「平沢進」に関する様々な意見が沸きあがっていることは筆者として喜ばしい限りです。また、本記事を紹介してくださったHokusai様・みんなの陰謀論様・正刀様、サポートしてくださったhzmn様にはお礼の申し上げようもございません。 平沢進の歌詞や主張には、明確ではないにしろ、一定のヒントが含まれています。つまり、私たちは、平沢氏が提示したヒントを目
注意!本稿の文字数は2万字を超えています。時間に余裕がない方は気になる箇所だけ読むことを推奨します。 追記(2024-08-07):一部情報を追加しました。現在3万字を超えています。 まえがき 平沢進有害無害論争 2024年4月、とあるインフルエンサーのポスト[1]を契機に、X上の馬骨(平沢進のファンの名称)界隈で平沢進有害無害論争が起きた。ファンの間では、平沢進[2]の独自の音楽センスに中毒性がありネタ的に有害であると発言した者もいたが、一部の者は「平沢進は陰謀論者(c
追記(2024-06-23):本稿の改訂版である「新・平沢進は無害か」(下記リンク)を公開しました。ぜひご一読ください。 平沢進の有害無害論争2024年4月、いわゆる馬骨(平沢進のリスナーの呼称)界隈でとあるインフルエンサーのポストが波紋を呼んだ。 リスナーの間では、平沢の音楽は中毒性が高くネタ的に有害であるとの意見が見受けられたが、平沢の政治的発言を加味して有害であるという言説も散見された。平沢自身も、下記にみられるように恐らく自身の楽曲が無害であるとは思ってはいないで