私の薬歴論 アセスメントを考える

薬歴記載の技術 第4回
「空・雨・傘」で考える。

 第4回は雨の部分について私見を述べる。雨はSOAP薬歴でいう【A】(評価・アセスメント)の部分である。ここが薬歴記載のポイントとなる。そこでもう一度、空雨傘を復習したい。

空(事実)【S】【O】にあたる
→空が曇っている。

雨(解釈)【A】にあたる
→雨が降りそうだ

傘(行動)【P】にあたる
→傘を持って行こう。

 第3回で傘(行動)を【P】に記載するように伝えた。薬歴はまず【P】を記載してみて、どうして・なぜその行動をとったのかを【A】に記載するとスムーズだ。

 例えば、初めて一包化をしたという【P】を記載したケースの【A】はなんだろう?
(例)
【A】認知症で管理に不安がある。
【A】指先のしびれがあり、PTPシートの取り出しが困難。
【A】服用錠剤数が多く、飲み間違いのリスクが高い。
このような【A】があれば、【A】→【P】の論理が繋がるだろう。

降圧薬の増量で【P】服薬指導の実施。降圧薬増量に伴う副作用(めまい・ふらつき)の説明。と記載した場合の【A】は

【A】降圧薬増量:血圧低下に伴うめまい・ふらつきが懸念される。特に足腰が弱いため、転倒リスクが高い。

こういった内容を記載するとよい。【A】はアセスメントと考えると、難しくて記載がなかなか進まない人は、「感想・私が思ったこと」と考えるとよい。とにかく感想だ。感想なので、正解はない。むしろ臨床とは答えがないことが多い。あなたの思ったことを【A】に素直に記載してみよう。その思考内容の中を文字に起こすということが、より良い薬歴の必要十分条件になるのだ。。その内容を他の薬剤師がみて、アセスメントとは何かを学ぶ。薬歴は調剤薬局の薬剤師が実地で使用するわかりやすい教科書になっていく。ぜひとも他の薬剤師の薬歴をみて、自分ならこう書くといったことを想像してみよう。

【A】の記載力をアップしたい方にお勧めの方法がある。SNSでニュースなどをリンクするときに、私はこう考えるから、このリンクをアップしたと書くのだ。ニュースをアップするときには、そのニュースに対して強い思いがあるから、皆に知ってもらいたいからあげるのだ。その理由をぜひ頭の中で整理して書いてほしい。

 これからの薬剤師は「書く」を苦手にしないでほしい。(私はかなり苦手。でも書くことで、克服したい)まずは、SNSでいいので書くことを日常に習慣にしてほしい。

・今日のポイント:思ったことを書いてみる。正解はない。でも書くことで頭が整理される。そして、周囲に伝わる。


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