薬剤師:笹川大介

鹿児島の薬局薬剤師です。薬剤師業務をもっと輝かせたいという気持ちで全国各地でセミナーを…

薬剤師:笹川大介

鹿児島の薬局薬剤師です。薬剤師業務をもっと輝かせたいという気持ちで全国各地でセミナーを行っています。日経DIクイズ作成やpro-ファーマCHで「描いてつかむ副作用の薬理学」なども公開しています。

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夢を語る、叶える

目的・目標について  結論から書きます。研修講師になりたいんです。「学びで薬剤師の仕事を面白くする」これがモットーです。  昔の私は自分の知識を外に出すことを一切せず、自分だけがうまくいけばいいと思っていました。それが、講師活動をすることで、自分の中の知識や智恵を出すことで、受講してもったみなさんが「役に立った」と言ってくださる。そして、その知識や智恵を受講生のみなさんが、実際の現場で使ってくださる。そうすることで、たくさんの患者さんにメリットがでてきます。  今でも現場

    • とにかくスピードが命の薬歴

       薬歴を書くための方法論の番外 「どうしたら、早く記載できるか」は、永遠のテーマである。薬歴未記載問題が大手チェーンで問題となった。薬歴で残業をしているといったケースもちらほら聞く。笹川が薬歴を早く書くためにしている技術をお伝えしよう。 まずは単語登録である。笹川はすべての医薬品の頭文字3文字を登録している。例えば、 ・あむろ(変換:スペースキー)→アムロジピン ・ぐらく→グラクティブ ・じゃで→ジャディアンス ・かっこ→葛根湯もしくは葛根湯加川きゅう辛夷 これは有効である。

      • 私の薬歴論 アセスメントを考える

        薬歴記載の技術 第4回 「空・雨・傘」で考える。  第4回は雨の部分について私見を述べる。雨はSOAP薬歴でいう【A】(評価・アセスメント)の部分である。ここが薬歴記載のポイントとなる。そこでもう一度、空雨傘を復習したい。 空(事実)【S】【O】にあたる →空が曇っている。 雨(解釈)【A】にあたる →雨が降りそうだ 傘(行動)【P】にあたる →傘を持って行こう。  第3回で傘(行動)を【P】に記載するように伝えた。薬歴はまず【P】を記載してみて、どうして・なぜその

        • 結局、薬歴ってどう書くの?

          薬歴記載のお作法 空・雨・傘を利用して。 3回目は傘(行動)に関してまずは述べる。傘はSOAP薬歴でいうところの【P】にあたる。【P】は実は書きやすい。なぜなら、自分の行った行動。動作を記載すればいいのだから。まずはは服薬指導をしたこと(説明内容)になるだろう。それを第2回目でも書いたように1文を短く端的に書く。糖尿病の治療薬(DPP4阻害薬)を初めて飲む場合を想定して記載してみよう。 (例)【P】 ・糖尿病の薬物治療歴を確認。 ・薬効・用法・用量の説明。 ・副作用(消化器症

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        • 薬剤師
          33本

        記事

          薬歴のお作法

          薬歴ってどう書いてる?第2回空(事実)の作法  今月号の日経DIプレミアム号の特集記事は「キラキラ薬歴」というテーマだった。いろいろな薬局の薬歴を拝見することができて、他の薬剤師の仕事ぶりが理解できた。今回のブログでは、空(事実)SOAP薬歴でいうSの書き方について私見を述べたい。  今回の薬歴の特集で、やや違和感を覚えたのが、SOAPで記載されている文章のSの部分である。Sは「患者さんの言葉」を記載する部分ではある。それが口語体(話をしているように)で記載されていること

          薬歴ってどう書いてる?

          そもそも薬歴ってどう書けばいいの? みなさん、薬歴書いてますか? そりゃ、書かないといけないから書いてますよね。でもSOAPとか言われても実はよくわからず、なんとなく書いている人も多いのではないでしょうか?今回のブログでは、薬歴をどう書いていけばいいかという方法論を書き綴ります。  そもそも、SOAPをもう一度復習 S:主観的情報 O:客観的情報 A:評価 P:計画 はっきり言ってわかりにくい!!人によっては【O】【A】【P】に薬剤師の指導したことが書いてあって、ゴチャゴチ

          薬歴ってどう書いてる?

          薬の本!!おすすめ

          (本日のお勧めの1冊)絶対使える臨床検査値(菅野彊/井上映子著:南山堂) 「モノからヒトへ」 薬剤師の仕事でもこの言葉を耳にする機会が増えてきた。仕事上、たくさんの薬学書を読む。この本はモノ(薬)についてではなく、ヒト(物語)について書かれている。  30代も後半になって、やや記憶力に私も陰りが出てきた。単純に暗記することは、なかなか記憶に残りにくい。そのため長期記憶に残るようにするためには、エピソード記憶といって、何かに関連付けるような記憶方法。つまり、ストーリーが存在す

          薬の本!!おすすめ

          薬学書ソムリエ:笹川の本のテイスティング

          (本日のお勧めの1冊)同効薬おさらい帳(じほう) 「ありそうでなかった」まず本を読み終わってそう感じた。そして、他の医療者とは違う薬のみかた(見方)、アプローチの仕方を学べる良書である。  以前、狭間先生のお話を聞いたときに、気づかされた言葉がある。「薬剤師は薬を飲んだ後が勝負」それには、薬理学・薬物動態学・製剤学といった薬剤師の武器を使って医師とは異なった視点で患者さんに関与すべしということだ。  この同効薬おさらい帳はその薬理学・薬物動態学・製剤学といった薬剤師の武器

          薬学書ソムリエ:笹川の本のテイスティング

          薬学書ソムリエ 笹川のお勧め本テイスティング

          (本日のお勧めの1冊)誰も教えてくれなかった実践薬歴(山本雄一郎著/じほう) この本は「映画」である。なぜなら、日本で有名な薬剤師たちの主張や技術、知恵をまとめられているのだ。その映画に出てくる俳優たち(薬剤師)は、全て主演クラス。こういった映画はリスクが高い。配役やキャストを間違えると、目を当てられなくなるような駄作になることがあるからだ。それでもこの書籍を優秀作品賞にしたのは、山本雄一郎という監督の脚本、見せ方が秀逸なのだろう。彼(大学の先輩なのですが・・・申し訳ないです

          薬学書ソムリエ 笹川のお勧め本テイスティング

          本のソムリエ 笹川のテイスティング

          (本日のお勧めの1冊)日経DIクイズシリーズ 笹川が薬剤師として成長したのはこの本のおかげである。故「川島なお実」さんが「私の体にはワインが流れている」と言っていた。ちなみに笹川の体には日経DIクイズシリーズの1問1問が血液となり、骨となり、筋肉となっている。  私が薬剤師になったのは平成15年である。その当時からの付き合いである。このシリーズの良さは、調剤薬局の現場視点であることだ。例えば普段取り扱わない処方箋も本を読めば、まるでその現場に居合わせたかのような、いわゆる疑

          本のソムリエ 笹川のテイスティング

          薬学書ソムリエ 笹川の薬学書テイスティング

          (本日の1冊)二代目薬剤師が薬局を滅ぼす この本は僕の中での北極星である。道に迷うときの目印・目標となっている。著者は「近藤剛弘」先生だ。近藤先生は2015年に49歳という若さで天国に旅だった。この本はこれからの薬剤師にむけた近藤先生のメッセージである。その言葉のひとつひとつに重みを感じる。  この本では先生の薬剤師人生から、カッコイイ薬局とはカッコイイ薬剤師とは何かということをが述べられている。私は先生に直接お会いしたことはない。しかし、文面からは薬剤師に対する厳しさ・愛

          薬学書ソムリエ 笹川の薬学書テイスティング

          薬学書ソムリエ 笹川の薬学書テイスティング

          (本日のお勧め本) 記念すべき薬学書テイスティングの第1回目の書籍は「薬の作用が手に取るようにわかる本」です。  まず、この本を開いた瞬間の第一声は「やられた!!」でした。薬理作用を図解しているのですが、この図解の内容が洗練されている。シンプルである。この図は誰でも書けるような内容である。過不足がない。図だけを読んで、そして白画用紙に書くだけでも、十分に薬理学の復習になるだろう。私も講演活動でホワイトボードに図を書く。でもなぜ今までこんなシンプルな図解ができていなかったのだろ

          薬学書ソムリエ 笹川の薬学書テイスティング

          薬剤師 笹川大介の処方分析

          (患者さんのひと言) 「このeGFRというのは何?」 内科クリニックに面した薬局であるため、採血結果を患者さんが提示してくださることが多い。いろいろな検査値に↑、↓などの矢印があり、患者さんも一喜一憂している。また大病院では、処方箋に検査値が記載(鹿児島でも鹿児島大学病院など)されるようになり、検査値をザックリでいいので、把握できる能力も薬剤師には必須となっている。  特に鹿児島県の若手薬剤師が「腎臓と薬物療法学会」を立ち上げ、県内各所で勉強会を開催して、薬の用量調節、腎臓

          薬剤師 笹川大介の処方分析

          薬剤師 笹川大介の処方解析!!

          (今日の処方箋) ・センノシド12mg 2錠(就寝前)→2錠(便秘時)  患者Mさんの奥様は笑顔が素敵な方だ。奥様はMさんの介護を行っている。以前は便秘で浣腸をすることもあったのに、最近は下痢・軟便で困っているというのだ。  患者さんのいう下痢という表現には注意したい。下痢の定義は、回数が多い、量が多い、水分量が多いという3点セットが必要である。1回緩い便が出るのは、下痢ではない。軟便である。特に治療も必要はない。  処方変更は便が緩いから、定期で服薬していた大腸刺激製

          薬剤師 笹川大介の処方解析!!

          薬剤師(笹川大介)の処方解析

          (患者さんの気になるひと言) 「週刊誌で今飲んでいる薬(メトグルコ)で低血糖が起きると書いてあったから、勝手に減らして飲んでいた。」 コンビニ店頭に並ぶ週刊誌の表紙には、あなたの飲んでいる薬が危ないと、恐怖をあおって読者を引きつけるという記事が多い。    60代の患者Mさんもその記事の内容を真に受けた一人である。こういったときに感じるのは、笹川の薬剤師としての実力がまだ未熟ということである。そもそも私が薬に関して、わかりやすく伝えていたら、このようなひと言が出ることはないの

          薬剤師(笹川大介)の処方解析

          薬剤師 笹川の本日の処方解析

          (本日の処方箋) 【般】ミノドロン酸50mg 1錠(月1回:起床時)  処方内容は骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート製剤のマンスリー製剤である。患者さんは検診で骨密度を測定したら、YAM:62%で薬を飲むことを勧められたようである。  ビスホスホネートの初回指導は伝えることが多くて、薬剤師の腕の見せ所である。まずは起床時服薬について伝える。そして、その後30分間は横にならないように指導する。(ボンビバだけはなぜか60分間。結構辛いと思うのだが・・・)また水以外の飲食を控

          薬剤師 笹川の本日の処方解析