薬剤師 笹川大介の処方分析

(患者さんのひと言)
「このeGFRというのは何?」

 内科クリニックに面した薬局であるため、採血結果を患者さんが提示してくださることが多い。いろいろな検査値に↑、↓などの矢印があり、患者さんも一喜一憂している。また大病院では、処方箋に検査値が記載(鹿児島でも鹿児島大学病院など)されるようになり、検査値をザックリでいいので、把握できる能力も薬剤師には必須となっている。

 特に鹿児島県の若手薬剤師が「腎臓と薬物療法学会」を立ち上げ、県内各所で勉強会を開催して、薬の用量調節、腎臓との関連についてアウトプットしている。その活動は鹿児島県の薬剤師会もバックアップしている。今、鹿児島では腎機能と薬剤師の職能は一大ムーブメントになっている。

 そんな草の根運動のおかげで、eGFRやCcrの使い分けなど、私が理解不十分だったことがだいぶ理解できるようになった。やはり勉強会に参加することは大切だ。(笹川は自宅学習が多いため、滅多に勉強会に参加しない悪い薬剤師である)

 eGFRに関して言えば、私は腎臓のテストの点数と患者さんに伝えている。そのため、eGFRがない場合(Creはわかっている場合)にもeGFRを算出して、患者さんに伝えている。例えば、eGFR:54の場合には、患者さんにテストで100点満点中54点ですとお話しする。そうすると、患者さんは、それではいけないと思い、どうすれば点数が上がりますか?と聞いてくる。
 
 そこで、患者さんにはこう伝える。このテストはなかなか点数が上がりにくいテストなんです。むしろ、下がらないようにするのが大切です。では、そのためのお話をさせてください。少し時間よろしいでしょうか?と言う。患者さんは自分軸の話になると、身を乗り出して服薬指導を聞いてくださる。毎回そこで血圧を下げる、塩分を控える、脱水を防ぐなどの話を小分けにパッケージにして伝えている。そうすると今後の採血結果をこちらが何も言わずとも患者さんは提示してくださる。

 笹川は薬歴の病歴の欄にCKD(ステージ:G3a)など記載をしている。病期を記載することにより、服薬指導で薬歴を見る時間を少し短縮することができる。小さなポイントを自分で設定することが仕事では大切だ。

 本当に鹿児島の腎臓勉強会は素晴らしい。意識の高いメンバーが集まり、周囲に良い影響を与えるグループはまぶしい。私もそのような存在になれるように、微力ではあるが、アウトプットしていきたい。

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