薬歴ってどう書いてる?

そもそも薬歴ってどう書けばいいの?

 みなさん、薬歴書いてますか?
そりゃ、書かないといけないから書いてますよね。でもSOAPとか言われても実はよくわからず、なんとなく書いている人も多いのではないでしょうか?今回のブログでは、薬歴をどう書いていけばいいかという方法論を書き綴ります。

 そもそも、SOAPをもう一度復習
S:主観的情報
O:客観的情報
A:評価
P:計画
はっきり言ってわかりにくい!!人によっては【O】【A】【P】に薬剤師の指導したことが書いてあって、ゴチャゴチャしている感が否めません。

 薬歴記載は訓練が1番です。私は「空・雨・傘」というフレームワークを使って考えています。その内容がこちら
空:空が曇っている:事実
雨:雨が降りそうだ:解釈
傘:傘を持って行こう:行動
これにあてはめていくと割と良い薬歴が記載できます。

 例えば、血圧が高くて初めて降圧薬が処方されたケースを薬歴に記載する場合、「空・雨・傘」は
空:事実
・血圧:160/95(病院) 
・職場検診で血圧が高いと指摘された
・降圧薬は初めて服薬する
・頭痛やめまいは感じない
・両親が高血圧
・アゼルニジピン8mg(1錠:朝)

傘:行動
・受診の経緯を確認
・服薬方法の説明
・副作用説明。服薬初期:めまい・頭痛・立ちくらみ等
・グレープフルーツジュースとの相互作用説明
・家庭血圧の測定方法説明

 あれ、雨がない!!実はいろいろな薬剤師と働いてよくみる薬歴は雨の部分がないんです。例えば、空(空が曇っている)→傘(傘をもっていこう)となるのですが、雨の解釈の部分がないと下記のトラブルが起こります。
 いや曇っているのは、少しで晴れ間がみえるから、傘はいらないんじゃない?とか。天気予報は曇りのち晴れだったから、傘はいらないよとか。つまり、雨(解釈)がないと、論理で繋がらないのです。

 今回のケースでは、
雨:解釈
・自覚症状がないから自己中断するかも
・Ca拮抗薬が初めてで飲み合わせを伝えておきたい
・服薬初期の副作用をあらかじめ伝えることで、軽度の場合に中断しないようにしたい
・白衣高血圧の可能性があるかも etc.

 つまり、傘(行動)を選択した理由(雨が降りそうだ:解釈)があると説得力が増すのです。この雨にあたる部分はSOAP薬歴でいうAの部分なのです。

 この雨を充実させるといいことがあります。それは薬剤師の頭の中を丸見えにすることができるんです。優秀な薬剤師の雨(解釈)はそのまま周囲の薬剤師の勉強になるわけです。

 閑話休題、続きは次回・・・
今日も読んでいただいてありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?