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薬学書ソムリエ 笹川の薬学書テイスティング

(本日のお勧め本)

 記念すべき薬学書テイスティングの第1回目の書籍は「薬の作用が手に取るようにわかる本」です。
 まず、この本を開いた瞬間の第一声は「やられた!!」でした。薬理作用を図解しているのですが、この図解の内容が洗練されている。シンプルである。この図は誰でも書けるような内容である。過不足がない。図だけを読んで、そして白画用紙に書くだけでも、十分に薬理学の復習になるだろう。私も講演活動でホワイトボードに図を書く。でもなぜ今までこんなシンプルな図解ができていなかったのだろう。反省しきりである。

 ここまで単純にするのは、実は勇気のいる作業だと思う。なぜなら、シンプルにすることで情報量が減ってしまい伝えたいことが伝わらなくなるのではないかという不安である。しかし、実際にはこの考えは間違っていた。実は多すぎる情報は混乱の元になるだけなのである。私も講演活動でつい話しすぎることが多くなる。こちらはサービスのつもりでも、聞いている生徒側にとると余計になってしまっていたかもしれない。やはり反省。

 さて、なぜ薬理学を勉強することが服薬指導に有効なのだろうか。これは、副作用が薬理作用の延長上で起こるケースが多いからだ。つまり、薬理作用を知らないと副作用が発見できないからである。この菅野先生の考えを私は自分なりに咀嚼して、日々鍛錬している。この鍛錬があるからこそ、普段の服薬指導や講演会に呼ばれるようになったのだ。

 とにかく読んでほしい。これを利用した勉強会もやってみたい。やはり、薬学の一丁目一番地は薬理学だ。私は学生時代、本当に勉強をせず、社会人になり困った。今はこのような書籍がある。いい時代だ。さあ、皆さんも知的航海の旅にでかけましょう。

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