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次亜塩素酸水発生装置の広告に気をつけて~それ、本当に次亜塩素酸水ですか?~

You Tubeで、
「次亜塩素酸水の発生装置を買おうか検討しているのでご意見ください」
とコメントをいただきました。

へぇー!
業務用のは聞いたことがあるけど、家庭でも購入できるくらい低価格でコンパクトになったのね!!
それなら、私も買おうかなぁ♪ルンルン♪

なんて思いながら、ちょっと調べてみたんですけどね。

とっても残念というか、
ちょっとまって・・・な案件だったので、書き残しておきます。

はじめから結論を言う

それは、次亜塩素酸水ではありません!!!
そして、怪しいので私は買いません!!

コメントしていただいた方がどのような装置を検討されているのかは不明なのですが、業務用の次亜塩素酸水発生装置は確かにあります。

ですが、どれも装置が大きく高価なものばかり。
おそらく、安価で少量で作れてすぐスプレーできる装置のことなのではないかと思いました。(本当に業務用を検討されていたらごめんなさい。。)

そして、安価な製品は広告に矛盾点があり、非常にわかりにくことこの上なしでした。

矛盾:電解次亜水は次亜塩素酸水ではありません

色々と調べてみたんですが、基本的には、どの装置も電気分解で生成するような仕組みになっていました。
「水と塩を入れてスイッチ・オン!数分待てば次亜塩素酸水のできあがり!」
が大半の売り文言なのです。

が、皆様。
水と塩からは
・アルカリ性電解水である「次亜塩素酸ナトリウム水」 
・酸性電解水である「次亜塩素酸水」
どちらも生成できるとご認識ください。
※生成するにあたっては陽極と陰極に分けるため特殊な膜が必要です。これを主に二層式といいます。

そして、電気分解でできる「次亜塩素酸ナトリウム水」のことを一般的に業界では「電解次亜水」と言います。何度もしつこいくらいにいいますが、「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム水」は別物です!

みなさんがはじめに目にするであろう大きな製品説明には「次亜塩素酸水 生成器」とあるのにもかかわらず、製品仕様の細かい説明文には「電解次亜水生成」と書かれてあったりします。

矛盾してますね。

じゃ、実際に発生しているのはどっちなの?

矛盾はあるものの、もしかしたら実際は次亜塩素酸水なんじゃないの?
と思われるかもしれません。

ですが、私は次亜塩素酸水ではありません!と言い切りました。


なぜなのか・・・。
それはpHをみれば一目瞭然だからです。

皆さんはpHというのを見たり耳にされたりするかと思います。
酸・アルカリを示す数値ですね。

次亜塩素酸水は酸性ですのでpHで示すと7以下です。(強酸性・弱酸性・微酸性:pH 2.7~6.5)
ですが、装置の販売サイトをみると「pH8~10」や「11~12」と書いてあります。つまりアルカリ性。これはもう「次亜塩素酸ナトリウム水」のことなのです。
ひどいサイトだと、pHすらかいてありません。
さらには強アルカリなのに、手を浸して・足を浸して使用可なんてサイトもありました。


pHが書かれていないだけで、本当に次亜塩素酸水なのかもしれませんね。
が、私はpH表記がない中身のよくわからない無色透明な液体を振りまくことはできません。

商品レビューをまとめてあるサイトも多くあるようですが、
「電解次亜水」を「次亜塩素酸水」と思って書かれているものがとにかく多い。文章に両方の言葉がでてくるんですもの。これでは、一般の方は勘違いしてしまいますね。

次亜塩素酸ナトリウム水が悪いわけではない!

もちろん「次亜塩素酸ナトリウム水」にも除菌効果はあります。取り扱いには十分注意が必要ですが、漂白作用もありますし、使い方をよく理解されて使用する分には効果があって良いと思います。
しかし、次亜塩素酸水と思って使用すると大変なことになります
間違った使用方法は人体に影響がでる可能性があり、事故にも繋がりかねません。

それでも発生装置を購入してみたいという方

次のことを気にしていただけると良いかと思います。
・次亜塩素酸・次亜塩素酸ナトリウム(空間除菌・消臭)専門のメーカーのものか
・pHや濃度が明記されているか
・広告などの文言に矛盾はないか
・問合せの専用窓口があるか
・実際に問合せした際の心象が良いか

で、ココからはそもそも論なんですが・・・。
次亜塩素酸ナトリウムはハイターやピューラックスなどの商品で販売されているので、わざわざ発生装置を購入する必要はないかと思うのですが、どうなんでしょうね。
水と塩で必要な分だけ安価に作りたいという方には良いんでしょうか。装置代のほうがよっぽど高くつきそうです。。

追記

You Tubeのコメントにて以下のような情報提供をしてくださった方がいらっしゃいました。大変勉強になりました。
ありがとうございました!

以前は、塩酸を使った次亜塩素酸水の生成がありました。
  NaClO + HCl = HClO + NaCl
は良いのですが、
  NaClO + 2HCl = NaCl + H2O + Cl2
となって塩素ガス(Cl2)が発生してしまい、とても素人が扱えるものではありませんでした。
ところが、塩酸を炭酸水に換えると
  NaClO + H2CO3
→ HClO + NaHCO3 + (H2CO3)
で、この後余った炭酸が水から抜けるだけなので、素人でも安全に次亜塩素酸水が作れるようになりました。
次亜塩素酸水生成機を企業向けに製造している幾つかの会社は、その販売促進として、炭酸電解次亜水の生成方法を動画にしYouTube上でわかりやすく解説しています。
私は、「塩と水で簡単に作れる」をキャッチフレーズにした「電解次亜水生成機」を承知で購入し、炭酸水で次亜塩素酸水(pH5.5前後)に換えて使用しています。 (※一部抜粋)

参考にされてみてくださいね。
それでは。

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