改めてクラシック音楽に
皆さん、お久しぶりです。
序章
突然ですが皆さん、普段クラシック音楽を聴いていますか?
私はバレエ絡みで聴くことが多いのですが、だいぶ偏りがあり、「よく知っている」曲と「聴いたことがある」程度の曲の差が激しいです。
「クラシック音楽には特に興味がない」という方もいるでしょうが、現代のミュージシャンやアイドルがリリースしている曲の中にはクラシック音楽をトレースしているものがちょこちょこあります。
最近ではSnowManの「EMPIRE」がモーツァルトの交響曲第25番を使っていることで有名ですね。
現代でもなお影響力を持つものである以上、知識があって損はありません。というわけで、クラシック音楽をちゃんと聴いて好きな曲とか作曲家とか自分の中で引き出しを作っておこう! と思った次第です。
今回はモーツァルト……ではなく!
サン=サーンスの交響詩《死の舞踏(ダンス・マカーブル)》についてです。
主題について
曲の種類
交響詩の定義はこちらです。
標題音楽とは?
ではここで、この曲の標題である《死の舞踏》とは何か、説明します。
死の舞踏
14世紀ヨーロッパでは黒死病(ペスト)や百年戦争などがあった時代。教会ではいわゆるメメント・モリ(死を忘れるな)の説教が行われていましたが、現世の身分や名誉は死の前には意味をなさないという死への恐怖を拭い去ることはできず、パニック状態になっていたとか。
この《死の舞踏》について、西洋美術史が専門の小池寿子先生が本を著していらっしゃいますので、興味のある方は読んでみてください。
ここからはいよいよ、曲へ踏み込みますよ。
曲について
まずこの曲は、フランスの詩人アンリ・カザリスの詩から霊感を得て作曲されました。すべてのパートが書かれている総譜に数行引用されていて、その内容はこちら。
「午前0時の時計の音とともに骸骨(死神)が現れて不気味に踊り始め、次第に激しさを増してゆくが、夜明けを告げる鶏の声が響きわたると墓に逃げ帰り、辺りが再び静寂に包まれる」ということです。
初演時の評価は芳しくなかったようですが、繰り返し演奏されるうちに好評を勝ち取ったそうです。
ハープが12回同じ音を鳴らすところから曲は始まります。時計が12時を指しているのです。
その後、骸骨がヴァイオリンを不気味に演奏し始めます。フルートなども加わります。私はこの旋律が好きなんですよね。なんか、アニメ黒執事のワルツでありそうじゃないですか?
さて、この曲でシロフォンという木琴が登場しますが、この楽器で表現されているのは骨が擦れ合う音です。これが初演当時、悪趣味と言われてしまうのですが、個人的にはこの重い雰囲気の曲に軽やかさが足されている感じがしていいスパイスになっていると思うのですが、どうでしょうか?
曲が盛り上がると、突然静かになりオーボエの音が。朝を告げる鶏の鳴き声を表しています。骸骨たちは自分の墓に戻って曲が終わります。
曲はこちらでどうぞ。
改めて、音楽について調べてみるのは楽しいですね。
今回はここまで。ご機嫌よう。