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開票立会人をやってみました

開票立会人を務めるまで

都知事選挙で「開票立会人」をつとめて参りました。
どんな仕事なのか、備忘録も兼ねて記しておこうと思います。
詳細な部分は自治体により異なるかもしれないので、疑問点はお住まいの地域の選挙管理委員会へお問合せいただければと思います。

公募の形で募集されていたので、一度やってみたいと思い名乗り出ました。

届出書類は所定の書式があり「候補者が開票立会人の承諾を得て届出」をするかたちになっています。届出は代理人でも問題ないそうです。

開票立会人は開票区毎に、候補者1人につき1人、合計で3人以上10人以下と決められています。
人数が超過した場合には締め切り後に九時で決定されるそうです。

正式に決定すると、電話連絡があります。
その後、速達で開票日に持参する「開票立会人決定通知」の書類も送られてきます。

開票立会人に決定すると、事前に1時間程度の説明会があります。
説明会の開催は開票日前なので、多くの場合説明会は平日に開かれることになるかと思います。
確認したところ、こちらの参加も代理人でも可能だそうなので、説明会への参加が難しい場合には選挙管理委員会へ相談してみるのが良さそうです。

説明会では、当日の役割や開票の手順についての説明と、票を有効とするか無効とするか、効率判定についての説明がありました。
また、ここで配布される名簿から、お互いがどの候補者の依頼を受けた立会人なのかがわかります。開票時の席順を決めるくじ引きも行われました。

開票日

開票日当日は印鑑(認印は必須、シャチハタはあると便利)と「開票立会人決定通知」を持って開票所へ向かいます。

集合時間は20時20分なので、選挙結果の速報は私が開票場に入るよりも早く発表されました。

開票が行われる様子は区内に住んでいる人は自由に観覧することができます。遅い時間ではありますが、子供連れで観覧に来る場合もあるそうです。

各投票所から投票箱が届き、開票作業の準備が始まります。
今回の東京都知事選挙の開票は20時45分の時報に合わせて始まりました。

時報に合わせて鍵を開けられた投票箱の中身は、一斉に机の上に広げられます。各投票所から集められた票は、期日前投票のものも含めて混ぜ合わされ、候補者毎に票を分ける機械にセットするために束ねられます。
この時、点字で書かれた票は別に回収され、点字解読者によって読み仮名が付けられ、集計されます。

機械で書かれた候補者名毎に分けられた投票用紙は、次の工程でその数を数えるための機械へかけられ、100枚ずつの束にされます。先の工程で、機械で判別できなかったけれど、人間の目で明らかに判断できる票はこの束に加えられます。

そして、それでも判別できない票は疑問票として、人の手で分類や効力判定のための審査が行われます。効力判定の審査が行われたものは、開票立会人に対してなぜその票が有効または無効という判断がされたのか説明がされ、開票立会人の最終確認を経て効力が決定します。票の判断について意見がある場合には、この段階で伝えることができます。
中には非常に判別が難しいものもありますが、そこに書かれた文字を何とか読み取って、可能な限り有効票として取り扱われます。

100枚ずつの投票用紙の束を5つ合わせた500枚の束がつくられ、他の人の名前のものが混ざっていないか、無効票となるべきものが混ざっていないか、最終確認を行います。
この段階では「随時点検」と言って、立会人は自由に票の束を閲覧することができます。これらには1束ずつ捺印することはせず、最後に行われる開票録への署名で代替されます。

最終確認を終えるとその票の束は確定となります。一定時間経過ごとに開票速報(候補者別得票計算表)に確認印を押し、「速報」としてその時点での得票数が公開されます。

この作業の途中で、随時疑問票として取り扱われた票を有効または無効とすることの確認を行います。ここで行う点検は「回示点検」といい、開票立会人全員で確認をします。この際に判断の理由について、立会人は質問をしたり意見を言ったりすることができます。票の取り扱いについて確認の後、立会人は決定付箋に捺印をします。

500票に束ねられたものの確認作業が終わると、次に500票に満たない票の確認作業に移ります。こちらも「回示点検」方式がとられます。
500票に満たない票は候補者毎に束ねられ、1束ずつ500票の束と同様に他の人の名前のものが混ざっていないか、無効票が混ざっていないか点検をし、一束ずつ確認が済んだものには捺印をします。

そして、最後に無効票の確認を行います。
無効票の多くは、白票や、候補者氏名以外の内容が書かれた他事記載と言われるものです。白票、何か記号のようなものが書かれたもの、候補者以外の氏名が書かれたものなどつねそれぞれの束に分けられ、他のものが混ざっていないか確認をし、捺印をします。

他事記載の束の中には「投票したい人がいない」「選べない」というような内容が書かれた票は少なくないのですが、機械で弾かれた票はその場ですぐに仕分けられ、立会人が確認をするだけなので、それらのメッセージを目にするのは開票作業にあたる人のごく一部のみです。
開票当日は、開票作業をいち早く終わらせることが最優先であるため、それらのメッセージにじっくり目を通す時間はありません。

最後に、開票が全て終わると、開票録に署名と捺印をします。
その後すぐに票は箱詰めされ、保管されます。保管のための箱を封じたテープに立会人全員で割印を押し、開票についての業務が全て終了します。

今回は候補者が多く、長時間の作業となりました。
終了時間はその時々、また開票所によっても異なります。早くても日付が変わった頃の終了になるかと思います。
ですが、一度参加すると開票の流れがわかるので、開票速報を見ていると進行具合がわかるので面白いかと思います。
また、投票用紙を見ることのできる貴重な業務なので、効力判定についてや白票や無効票の取り扱いについて、色々と勉強にもなりました。
機会があれば、一度参加してみてはいかがでしょうか。


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