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温度差

「愛おしさって体温差だな」と飼っているインコを撫でながら思った。

インコはわたしよりすこし体温が高い。体温が違うから、触れ合った瞬間にお互いが此処にいることが認識できる。私の上でじっとしていても、暖かさが肌をつたって脳まで届く。

イヌもネコも鳥もハムスターも私より少し暖かい。
ヘビやトカゲは私よりも少し冷たい。
その温度差を感じた時、安心する。愛おしくなる。
つまりこの温度差は、互いに今生きているからこそ生じる温度差なのだ。違うけど同じく生きてる。時間の流れるスピードは違うけれど、瞬間的な今だけは一緒にいる。

根本的には同じ材で構成された体で、目があって耳があって口があって鼻がある。同じ骨で支えられた体。
なのに、猫の体はふわふわで滑らかで柔軟で、鳥の羽は美しい彩りで水を弾いて、無骨でギクシャクした私とはずいぶん違う。
けれども同じく、おなかが空いたらご飯を食べて、嫌なことがあったら不機嫌になる。
だけど、同じものを見ても違うことを考えている、違う感情が沸き起こっている。


自分とは似てるのにこんなに違うのにすごく似ている。すごくわかるし、全然わからない。
愛おしさは体温差だ。
ニンゲン同士でも一緒だね。

#日記 #エッセイ

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