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6月13日(木)〜16日(日) ぼやけた味

6月13日(木)

朝起きると体が重くてつらい。疲労がたまっている。しかし今日は打ち合わせが2件ある。今週さえなんとか乗り切れば……。

1件目、新宿のルノアールで。某オウンドメディアに寄稿の話。受けることにする。また取材でどこかに泊まりに行くことに。
オウンドメディアの記事って、どっかの企業がお金を出しているわけだけど、別にその企業の宣伝をしなきゃいけないというわけではなくて、わりと自分の好きなことをやってそれを書けばよいという感じがある。それでいて普通に雑誌とかに原稿を書くよりも原稿料も良かったりする。
そんなうまい話があるのだろうか。これは何かの間違いで、企業側もそのうち「最近はオウンドメディアっちゅうやつが流行ってるさかいやってみたけど全然儲かりまへんな」と気づいて、こういう仕事はなくなるのではないかと思っていたのだけど、意外となくならないようだ。まあそういう広告的な媒体の仕事というのはネット以前からもあるっちゃあるか。
オウンドメディアの仕事というのは、僕が書いたのだとこれとか。



2件目、新宿の中村屋の上のほうのレストランでカレーを食べながら、来月発売の『がんばらない練習』の打ち合わせ。初校を見て、構成を大幅に変えることにした。初校が出てから大きく変えるのって初めてな気がする。ばたばたしそうだけど大丈夫かな。
打ち合わせ中に描いたやつ。


本屋で本を買って服屋でTシャツを買って帰った。忙しさの反動かも。


大森静佳『カミーユ』、よかった。まだ最初のほうしか読んでないけど。


やっぱ詩歌に求めているものってイメージの飛躍なんだけど、すごくなめらかかつ驚きを持ってさまざまなイメージが接続されていてよいなと思った。

天涯花ひとつ胸へと流れ来るあなたが言葉につまる真昼を

天涯花ってどんな花なのかわからないけど文字だけで喚起力がある。それが「胸へと流れ来る」って、現実ではなくイメージの話なんだろうけど、何か少しわかる気がする。そして上の句の「流れ来る」というわずかな時間の流れを含むイメージと、下の句の時間が止まった瞬間のイメージを並べて見せることで、すごく情景が広がる感じがある。

遠景、とここを呼ぶたび罅割れる言葉の崖を這うかたつむり

視点や意識をぐらぐら揺らされる感じと、その断層を接着するような粘液としてのかたつむりの対比がよい。

あなたはわたしの墓なのだから うつくしい釦をとめてよく眠ってね

「釦(ぼたん)」って漢字、□の部分が身も蓋もない象形文字な感じで好きなのだけど、「うつくしい釦」という文字の並びだけですごく気持ちいい。


14時頃に家に帰ってゲラをやろうとするも力尽きて動けない。数時間横たわる。
20時くらいにようやく回復。デニーズに行ってやる。なんでこんなに忙しくなってるんだろう……。

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