11月29日(月)~12月5日(日) 虚無よこんにちは
11月29日(月)
昨日のイベントで、新刊のプロモーション的なことも一段落した。
暇になったのだけど、何をしよう。とりあえず、日用品の買い出しとか、帳簿をつけたりとか、こまごましたことを片付ける。今日は冷え込みが厳しい。
GREEN HELLというゲームを買った。セールで1000円ちょっとだったので。
アマゾンのジャングルでサバイバルするゲーム。
最初は敵も出てこないのに、「水が見つからない」とか「蛇に噛まれる」とか「寄生虫に感染」とか「食中毒」とかで死にまくっていて、クソゲーじゃん、と思った。
だけど攻略サイトを見て、ある程度のサバイバルのしかたがわかると俄然面白くなってきた。
水は、そのへんの川の水を飲むと寄生虫に感染するので飲んではいけない。ココナッツを半分に割って器を作って、それで雨の水を溜めて飲むのが正解。説明がまったくないし、自力じゃわかんねーよ。
GREEN HELLはたしかこのYouTuberが紹介していて知った。僕好みのストラテジーとかローグライクとかのゲームをたくさん紹介してくれている。
GREEN HELLをやっていて思い出すのは『私は魔境に生きた』という本だ。実録版GREEN HELLと言ってもよさそう。
この本は東南アジアのジャングルで終戦を知らずに10年生き延びた兵士たちの話だ。といっても現地民との戦闘を繰り返していた小野田さんみたいに好戦的ではなく、ひたすらジャングルの中で自給自足のサバイバル生活をする、という話なので、漂流譚に近い。
もちろんハードな生活なのだけど、タピオカを栽培したり、イノシシを捕まえて家畜にしたり、鍛冶をしたり、原住民と交流したりする様子が、わりと楽しそうに見えてしまうところがある。
兵士といっても全員百姓出身で、昔の百姓というのは畑や畜産や鍛冶や大工仕事など一応なんでも一通りできたので、サバイバル能力があった、というのも面白い。おすすめの一冊。
11月30日(火)
新刊、Amazonのレビューは好評だけど、そんなに爆発的に売れてる感じではない。
好評しかついてない、というのは、もともとのファン以外に広まってないということでもある。本ってどうやったら売れるのかわからんな。まあ、僕としては最大限にいいものを書いたと思うので、後悔はないけれど。
今の時点で思うのは、「この本はこういう本だ」というのを、僕も編集者もうまくアピールできてなかった気がするな。それは、「はじめに」とか書名とか帯とかで書くべきところなのだけど、僕も書いてる最中は全体としてどういう本かよくわかってなかった。本を出したあと、対談とかで本の内容についていろんな人と話しているうちに、なんとなく考えがまとまってきた。書いてるうちはそういう会話ができなかったからな……。
今思うと「人間はポンコツ」「頑張りすぎるな」「勝手なストーリーを作るな」みたいなのがテーマだ。書名とかまえがきとかで、そういうのをもっと押し出したほうが読んだ人も「これはこういう本なんだ」と把握しやすかったかもしれない。
何もやる気がしない。
やることがなくなって、虚無感が表に出てきた。
12月1日(水)
落ち込みがひどい。
何もやる気がしないので、とっくに飽きている風来のシレンをやって、でも集中力がない状態でやっているのですぐに不注意で死んでしまい、そのことでさらにストレスが溜まってひどい気分になる、という悪循環を繰り返している。もうだめだ。不用意にモンスターを殴るな。
毎年恒例、Spotifyでこの1年聴いた曲のランキングが作成されていた。
Homecomingsと舐達麻をめっちゃ聴いていたみたい。ホムカミも舐達麻も、聴いていると落ち着くんだよな。聴くとアガる曲より、聴くと落ち着く曲のほうが、再生回数が多くなるな。
12月2日(木)
GREEN HELLが面白くなってきたので夢中でやる。
ストーリーモードがよくできている。ジャングルで遭難した男が主人公のサバイバルゲームなのだけど、主人公の身に何が起こったのかが少しずつ明かされていく。
基本的にはエヴァQみたいな世界観だ。なんだかわからないけど「お前のせいでめちゃくちゃになった」「お前が全部悪い」と言われ続けるのだけど、本人は何が起こったのか、何で責められているのか、全く覚えていないのだ。
そして、過去を思い出してストーリーを進めるためには、原住民のドラッグであるアヤワスカを何回も飲まなければいけない、というのがいい。
アヤワスカを飲むと世界が極彩色に包まれて、不思議な子供が現れ、その子供を追いかけていくと、幻覚の世界で過去の記憶が断片的に蘇ってくるのだ。
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