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考えて行動する

日々の仕事がルーティンになってきて思考停止してしまうことがある。忙しさを理由にしてはいけないのは理解している。
投薬の後に「こうアプローチをした方がよかったかな」と反省することもある。

話している内容は同じようでもアプローチが違うと相手の受け取り方も違う。

例えば医師の指示通り高圧剤を服用しない患者がいたとしよう。なぜ指示通り飲まないのか?どのように対応するか考えてみる。

薬剤師Aの場合
医師の指示通り飲まないと血圧は下がりませんよ。忘れずに指示通り服用してください。

薬剤師Bの場合
血圧が高い状態が続くと脳や心臓の病気のリスクが上がるので血圧が落ち着いても薬を続けてください。自覚症状がなくても血圧が高いことがありますので家庭血圧も測定してください。

薬剤師Cの場合
薬を飲みたくない理由はありますか?血圧の薬は止められないとよく聞くので心配なんですね。あなたの場合は基礎疾患がないので食事療法や運動療法で血圧の薬を飲まなくてよくなるかもしれません。食事や運動について気を付けてみましょう。

今回は上記のどれが正解かという問題ではない。相手と自分の意思疎通がどの程度取れているかや、相手の理解度、自分のコミュニケーション能力や知識などで受け答えが変わると思う。

では私はどういう方向性で会話をするかと言われれば薬剤師Bに近いと思う。高血圧は他の既往歴でリスクが変わるのでそこも踏まえて話をしていき、副作用の確認もしながら安心して薬物治療を行える状況を作りたい。

人の数だけアプローチの方法がある。考え方が違うだけで正しい、正しくないはない。正義の反対は悪ではなく違う正義と同じだ。
的確なアプローチをするためには経験を積まなければいけないが、経験もまた厄介だ。その話は別の機会に書きたい。

自分の周りで目標の薬剤師を作って、その人に近づくように努力をするのもいい。周りにろくな薬剤師がいないから、自分はがんばっていこうでもいい。時間をかけて手に入れた薬剤師という資格を有効に使って欲しい。

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