駅前の缶

人もまばらになってきた夜、駅前の広場の真ん中に、空き缶がぽつんと置かれていた。

写真を撮ろうか考えながら、横目で通り過ぎたとき、スーツの若者が缶目掛けて楽しそうに走ってきた。

別の方向から、そのまた仲間らしき若者もにこにこと駆けてくる。

なんと缶蹴り中だったらしい。


眩しかった。若者よ、ありがとう。

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