見出し画像

リコール署名提出後の議会での内藤市長の所信表明演説

令和4年第1回徳島市議会定例会に臨み、冒頭、一言申し上げます。
去る2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まりました。このことは、国際社会の平和と秩序、安全を脅かし、明らかに国連憲章に違反する行為であり、断じて容認することはできないものです。
平和を希求する徳島市民を代表して、ロシア軍による攻撃やウクライナに対する主権侵害に抗議するとともに、ロシア軍の無条件撤退、国際法に基づく誠意を持った対応を強く求めます。

それでは、ただいま上程されました議案の説明に先立ち、今後の市政運営に取り組む私の所信を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私は愛する徳島市を「より良いまち」にしたいという強い思いを胸に、令和2年4月の市長就任以来、様々な市政の重要課題に正面から向き合い、市民の皆様はもとより、多様な主体と連携しながら、解決への道筋をしっかりと見出し、着実に市政を前に進めてまいりました。
この間、議員各位並びに市民の皆様から賜りました並々ならぬご支援、ご協力に対し、深く感謝の意を表しますとともに、改めて、厚くお礼申し上げる次第でございます。
これからも、市民の皆様から託された思いをしっかりと受け止め、市政運営に邁進してまいります。

コロナ感染症対策について

まず最初に、就任当初から、最優先課題と位置づけ、取り組んでまいりました「新型コロナウイルス感染症対策」につきましては、全国でオミクロン株の感染が拡大する中、県内でも新規感染者数が高止まりしております。先日には、市役所内におきましても、職場クラスターが発生し、市といたしましても、これを重く受け止め、職員に感染対策と健康管理を徹底するよう、改めて注意喚起を行いました。さらに気を引き締め、安定した市民サービスの提供に努めてまいります。
一方、対策の柱となる「ワクチン接種」につきましては、市民の皆様のご理解とご協力のもと、本市における2回目の接種率は国が示す理想的な水準を上回り、急がれる3回目の接種につきましても、対象となる方に順次前倒しして接種券をお送りするなど、スピード感を持って対応しております。
引き続き、県や医師会をはじめ、関係機関と連携を緊密にし、希望される方々が1日も早く接種できるよう、取り組んでまいります。

また、感染症により影響を受けている市民生活を支援するため、国や県の支援制度に市独自の取組を組み合わせ、離婚等により臨時特別給付金の支給対象外となる養育者への給付や、緊急小口資金の借入世帯への「生活よりそい支援金」の給付などを行ったほか、子育て応援チケットの販売や、新生活様式に対応した住宅リフォームの支援、子どもの孤独・孤立への対策など、多岐に渡る事業を実施してまいりました。
事業者の方々に対しましても、コロナ禍の中、事業継続を支援する「企業とちから阿波せる支援金」の給付や、インターネット通信販売への参入支援など、地域経済の下支えに取り組むとともに、「コロナ危機突破プロジェクト創造支援事業」では、民間事業者が中心となって行う次世代人材の育成など、幅広い取組を支援いたしました。

徳島市コロナ危機突破プロジェクト創造支援補助金 採択事業一覧
https://www.city.tokushima.tokushima.jp/shisei/mayor/mayor_press/press_2020/kaiken20200729.files/kaiken2020072903.pdf

今後とも、市民の皆様の命と生活を第一に、ニューノーマル時代を見据え、デジタル・トランスフォーメーションやグリーン・トランスフォーメーションを取り入れた地域課題の解決や、地域経済を元気にする施策を積極的に展開してまいります。
次に、市長就任以降、全力を傾注して取り組んでおります主要プロジェクトについて申し上げます。

中心市街地活性化について

まず、「中心市街地の活性化」につきましては、少子高齢化の進行や郊外型大規模商業施設の相次ぐ立地など、本市の中心市街地を取り巻く環境が大きく変わる中、令和2年8月にそごう徳島店が閉店し、街からにぎわいと活力が失われていく状況を打破するため、市長直轄組織として「中心市街地活性化推進室」を設置し、「中心市街地活性化基本計画」の策定を進めてまいりました。
現在、内閣総理大臣に計画の認定申請を行っており、認定を得られれば受けられる国の支援措置を活用しながら、ハード・ソフト両面の取組を進め、中心市街地の魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。

アミコビルの再生

本計画におけるランドマーク施設の一つ「アミコビルの再生」につきましては、昨年6月の株式会社高松三越の出店決定発表後、10月に先行オープンした「ポップアップショップ」の営業は順調で、昨年夏のお中元に続いて開設した「お歳暮ギフトセンター」も盛況だったと聞いており、「新春 日本の味めぐり」や「神奈川 横浜・中華街展」などの催事におきましても、多くの買物客・来館者が訪れ、新たな賑わいと活気がもたらされました。

今春にはいよいよ、核テナントとなる「三越徳島」の本格営業開始が迫るとともに、時期を前後して、複数のテナント出店や既存店舗の増床も、すでに予定されていると聞いております。今後とも、運営主体である徳島都市開発株式会社と緊密に連携しながら、今年秋のグランドオープン、そして再生に向け、しっかりと取り組んでまいります。

県市協調音楽ホール

また、県市協調のもと、県が整備する「徳島文化芸術ホール(仮称)」につきましては、現在、県が施設の設計を進めており、本市といたしましては、市有地の提供や既存施設の撤去、周辺インフラ整備に向けた作業を進めているところでございます。
県都にふさわしい新ホールの一日も早い実現に向け、今後も、引き続き、県との連携を密にし、本市の役割である周辺整備等の様々な事業に、全力で取り組んでまいります。

新町西地区開発

さらに、「新町西地区市街地再開発事業」につきましては、昨年7月に新町西地区市街地再開発組合において、集合住宅や宿泊施設などを整備する、新たな再開発事業の方針が決定され、現在、事業計画の作成が進められております。
本市は、再開発組合との損害賠償請求訴訟に係る和解の際のまちづくりへの協力・支援の合意に基づき、「まちなか居住の促進」や「人の交流・賑わいの創出」につながる新町西地区での新たなまちづくりを支援してまいります。
加えて、今月21日には、国土交通省や徳島県など、関係機関の皆様のご尽力により、本市の経済・観光などの活性化につながる社会インフラである「徳島南部自動車道」の「徳島ジャンクション」から「徳島沖洲インターチェンジ」までの区間がいよいよ開通いたします。本市の中心市街地が「人と人がつながり、その中から新たな挑戦や投資が生み出されるまち」となるよう、高速道路の延伸効果も活かしながら、賑わいの創出やさらなる活性化を推進してまいります。

阿波おどりについて

次に、「阿波おどり」についてでございます。

阿波おどり未来へつなぐプロジェクト2021

まず、昨年からの新たな取組として、阿波おどりの魅力を国内外に発信し、阿波おどり開催支援の輪を広げることを目的に、実施をいたしました「阿波おどり未来へつなぐプロジェクト2021」では、ふるさと納税によるご寄附や企業からの協賛金により、本年1月31日時点で、約3,000万円のご支援をいただきました。

クラウドファンディングでは400万の目標金額に対し、280万円しか集まりませんでした

昨年、2021年夏の阿波おどりは感染状況に留意し、縮小開催となったにもかかわらず、このように全国のたくさんの方々からご支援をいただいたことは、徳島の宝である阿波おどりの素晴らしさを多くの皆様にご理解いただけた結果であり、阿波おどりのさらなる魅力発信に努めてまいります。

来年度以降の阿波おどりについて

次に、来年度以降の阿波おどり事業につきましては、昨年11月24日に阿波おどり事業運営体制等検討委員会から、新たな運営体制についてのご提言をいただき、徳島市といたしましては、検討委員会の提言内容並びに、各方面からいただいたご意見等を踏まえ、令和4年度以降の阿波おどり事業の運営にあたっては、令和7年に開催が予定されている「大阪・関西万博」を目標に、将来を見据えた持続可能な運営体制の構築を目指してまいります。

こうした中で、今年夏の2022阿波おどりにつきましては、現在もなお予断を許さない新型コロナウイルス感染症の状況に留意し、2020阿波おどりネクストモデル、2021阿波おどりニューノーマルモデルの開催実績も踏まえ、感染症対策に留意した上での開催を前提に、現在、運営主体となる「(仮称)阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」の設立に向けまして準備を進めているところでございます。
阿波おどりは、市民・県民の皆様にとって大切な「かけがえのない宝」であり、全国、そして世界中の阿波おどりファンの皆様にも愛され続けてきた素晴らしい伝統文化です。この阿波おどりを市民の皆様とともに、守り、繋いでいくことが、徳島市としての大きな役割であると考え、阿波おどり事業運営体制等検討委員会からの提言をしっかり受け止め、引き続き、運営のあり方について、検討を進めてまいります。

子ども・子育て支援の充実

次に、「子ども・子育て支援の充実」についてでございます。
まず、「待機児童の解消」に向けましては、民間保育園や保育士養成校の皆様と意見を交換しながら、保育士確保を中心に取り組んだ結果、昨年4月の待機児童数は、近年では最も少ない12人となりました。
今年度も昨年度に続き、民間保育園の皆様と意見交換を行っており、引き続き、公・民・学が連携して保育士の確保を進め、早期解消に取り組んでまいります。

また、「教育・保育施設の再編」につきましては、「市立教育・保育施設の再編計画」に基づき、令和4年度には最後の中学校区の再編に着手いたします。
教育・保育サービスを、将来にわたり持続的・安定的に提供するため、再編計画に掲げた取組を遅滞なく、着実に実行に移してまいります。
また、児童虐待の件数が毎年過去最多を更新する中で、令和4年度からは、妊娠期から子どもの社会的自立に至るまでを、包括的・継続的に支援する「子ども家庭総合支援室」を新設し、新たに心のケアを行う専門職を配置することで、これまで以上にきめ細やかな支援体制を構築いたします。
そのほか、子育てに関する相談や親子の交流の場である「子育て安心ステーション」を拡充するなど、誰ひとり取り残さない、目配りの効いた子ども・子育て支援を推進してまいります。

ダイバーシティ社会づくりの推進

次に、「ダイバーシティ社会づくりの推進」でございます。
本市では、「徳島市パートナーシップ宣誓制度」や「ファミリーシップ制度」を導入し、昨年12月には、本市と同様に「パートナーシップ宣誓制度」を実施している兵庫県明石市との都市間連携により、両市間での転出・転入時の手続を簡素化し、さらなる制度の利便性の向上に取り組んでまいりました。

ジェンダーギャップの解消

また、「ジェンダーギャップの解消」に向けて、民間企業と連携し、女性の就業や経済的自立を支援する「テックウーマン研修」の実施や西日本で初となる生理用品無料配布サービス「オイテル」の導入など、女性の活躍促進や生理の貧困問題等の解消に取り組んできたところでございます。
私自身も、昨年4月から、内閣府の男女共同参画会議の議員として、地方の声を国の施策に反映させるべく、積極的に提言等を行っております。

さらに、本市では、本年1月に、自治体として全国で初めて、ダイバーシティ経営の進度を明確にし、課題を解決する「ダイバーシティインデックス」を、私を含む職員500人を対象に実施したところであり、今月末を予定している調査結果につきましては、今後の組織運営等に活かしてまいります。多様な人材が個性や能力を十分に発揮できる社会づくりが、より一層重要となる中で、令和4年度に予定しております「第4次男女共同参画プラン」の策定をはじめ、職員一人一人がダイバーシティを意識・考慮しながら、施策の推進に取り組むことで、本市が他都市のモデルとなるよう、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、「防災・減災対策」につきましては、昨年度、川内町の津波避難施設の完成により、市内の津波避難困難地域を解消するとともに、今年度、新たに作成した「洪水・高潮ハザードマップ」を市内の全戸、全事業所に配布し、住民の方の円滑かつ迅速な避難を確保し、被害の軽減に向けて取り組みました。
また、災害時オペレーションシステムの導入や高機能消防指令センターの部分更新等により、災害対応機能を強化いたしました。今後におきましても、地域防災力の一層の強化を図るとともに、防災拠点等の整備や本庁舎の災害対応機能強化にかかる検討をスピード感をもって進め、「災害に強く、環境と共生する持続可能で誰もが安全・安心に暮らせるまち」の実現に、しっかりと取り組んでまいります。

一般廃棄物中間処理施設整備

次に、「一般廃棄物中間処理施設整備」につきましては、昨年の6月議会でマリンピア沖洲の市有地への建設場所の変更をご報告し、その後、施設整備基本計画の見直しや、環境アセスメントの手続きを進めつつ、マリンピア沖洲産業団地協議会役員会での事業説明、団地内の全事業所の個別訪問、先進ごみ処理施設の見学会開催や、コミュニティ協議会の評議員や町内会長への説明会など、地域の皆様の理解醸成に取り組んでいるところでございます。
今年1月の沖洲地区の住民説明会や協議会役員会には、私も出席し、皆様のご意見を伺う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら延期といたしました。感染が落ち着いた段階で速やかに実施し、地域の皆様のご意向等をお伺いし、適切に基本計画等に反映することで、より多くの皆様にご支持いただける施設整備につなげてまいります。

公民連携やデジタル化の推進

次に、「公民連携やデジタル化の推進」についてでございます。
民間事業者との連携を円滑に進めるための体制として、昨年4月に、「SDGs公民連携プラットフォーム」を創設し、現在19社と包括連携協定を締結しております。
昨年7月には、協定締結企業の協力を得て「ポスター展」を開催したほか、災害用備蓄食料を引き取りフードバンク団体に寄附するサーキュラーエコノミーに取り組むなど、民間事業者の特性を活かした連携事業につなげてまいりました。今後とも、SDGsの実装に向け、民間事業者との連携を拡充し、地域課題の解決に、ともに取り組んでまいります。

デジタル化の推進

また、「デジタル化の推進」につきましては、これまでも、市税等の納付へのアプリ決済の導入や母子手帳アプリの試行導入など、市民の利便性向上や行政事務の効率化に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による生活様式の変化等により、国が「デジタル・トランスフォーメーション」を強く推進していることに呼応し、本市のDX実現に向けた基本的な方向性を示す「徳島市DX推進計画」の策定に取り組み、今定例会で最終案をお示しすることとしております。
今後、行政手続のオンライン化による市民の利便性向上や、AI、RPAなどのデジタル技術を活用した行政運営の効率化など、様々な施策を推進し、誰一人取り残さない、より便利で快適な行政サービスの提供に取り組んでまいります。

行財政機能の強化

次に、「行財政機能の強化」についてでございます。
私はこれまで本市が活力や魅力を取り戻し、持続的な成長を可能とする行政運営を行うため、政策立案や政策調整機能の強化と、より効果的で効率的な組織体制の構築に取り組んでまいりました。
令和4年度におきましても、「就学前施設の窓口の一元化」、先に述べました「妊娠期から子どもの社会的自立に至るまでの包括的・継続的な支援体制の整備」、また、「伝統文化である阿波おどりの持続可能な事業運営体制の確保」や、「観光誘客・交流人口の拡大をさらに推進するための体制強化」に取り組み、市民サービスの向上を図り、政策課題に迅速に対応できる効果的・効率的な実施体制を整備いたします。
また、市民の皆様からご要望をいただく中で、死亡時の手続に係る御遺族の皆様の負担軽減を図るため、市役所本庁舎1階フロアに、新たに「おくやみコーナー」を設けることとし、現在、令和4年4月中の開設を目指して準備を進めております。
さらに、「情報システムの標準化への対応」や、「ジェンダー・ギャップ解消への取組強化」など、重要課題を迅速かつ確実に推進しながら、環境の変化に柔軟に対応してまいります。
今後におきましても、「徳島市行財政改革推進プラン2021」の取組を着実に前に進め、引き続き、行政運営機能の強化に取り組んでまいります。

令和4年度当初予算等について

それでは、令和4年度当初予算等の概要につきまして、ご説明いたします。
当初予算編成におきましては、「ポストコロナにおける持続的な成長を実現する、とくしま未来創造予算」をテーマとし、最優先課題である感染拡大防止策や、感染症により影響を受ける方々への支援に必要な予算を計上するとともに、ポストコロナ時代を見据え持続的な成長につながる施策として、安心して子どもを生み育てる環境づくりを整える「子ども・子育て支援の推進」や、中心市街地などの活性化に向けた「まちのにぎわいの創出」、顕在化したデジタル化の遅れなどに対応する「デジタル化・スマート化の推進」、多様性を認め合い誰もが活躍できるまちづくりなどに取り組む「ダイバーシティ・SDGsの推進」の4項目について重点的に予算を計上しております。
また、総合計画の基本構想に掲げる「将来像」を実現するための、将来を見据えた健全な行財政基盤の確立に向けた取組として、ふるさと納税やクラウドファンディングなどを活用することで多様な財源の確保を行っているほか、徹底してムダの削減を図ることで、財政調整基金からの取崩しや地方債発行の抑制を行っております。
さらに新ホールが県市協調により県立ホールとして整備されることで、将来的な市の財政負担が大きく抑制されたことから「芸術文化施設建設基金」を廃止し、その財源の一部を「市民福祉基金」並びに、新たに創設する「子ども未来基金」にそれぞれ5億円の積立てを行い、市民福祉の向上・増進を図るための取組や、少子化対策、母子保健及び子育て支援などを将来にわたり安定的に実行するための財源として確保しております。

予算の全体像

次に、一般会計当初予算につきまして、全体像を申し上げます。
歳入では、地方財政対策である臨時財政対策債が減少するものの、感染症の影響が緩和され、景気の持ち直しが期待されることから市税の増収を見込み、主要一般財源収入は前年度と比較して増加するものと見込んでおります。
一方、歳出では、社会保障関係費である扶助費の増加に加え、公共施設の老朽化対策、南海トラフ地震をはじめ激甚化・頻発化する災害に対する防災・減災対策、自治体情報システムの標準化に向けた整備など様々な財政需要に対応する必要がございました。
このような財政状況であっても、収支バランスを維持し持続可能な財政運営をしていくため、市税等の徴収強化や、有利な地方債の活用、部局別枠配分方式による事業の最適化など、歳入・歳出両面において財政健全化に努めたことにより、財政調整基金及び減債基金からの繰入金は、前年度の7億86万円から約1億円を圧縮し、平成以降で最小となる6億390万円としております。

この結果、令和4年度当初予算の規模は、一般会計については、1,063億1,000万円、特別・企業会計については、891億7,445万円となり、前年度予算と比較いたしますと、一般会計では、18億9,000万円、率にして、1.8%の増となっております。また、特別・企業会計では、介護保険事業特別会計、水道事業会計の増などに伴い、前年度と比較して、14億9,224万円、率にして、1.7%の増となっております。

令和4年度当初予算の主な施策

それでは、総合計画に掲げた4つの基本目標に沿って令和4年度当初予算の主な施策について、順次、ご説明いたします。

1.誰一人取り残さない! 希望あふれるまち「とくしま」の創造

まず、一つ目は、『誰一人取り残さない! 希望あふれるまち「とくしま」の創造』に向けた取組でございます。
「子ども・子育て支援の充実」では、保育士等の給与を本年4月から9月までの6か月間、月額9,000円程度引き上げるために必要な経費を補助することにより、保育現場で働く方々の処遇改善を図ります。

また、アミコビル5階にある「子育て安心ステーション」の北側テラスを、子ども連れの方でもリラックスできる開放的なスペースとして整備することなどにより、施設のさらなる魅力向上と、中心市街地での子育て機能の充実を図ります。

「学校教育の充実」では、日本語の習得状況が起因となり学習に遅れが出ている外国にルーツを持つ子どもに対し、日本語指導の経験が豊富な人材が個別指導を行い学習言語の習得をサポートすることで、学力格差の解消を図るとともに、外国の方が住みやすいまちづくりを推進します。

「教育環境の向上」では、「GIGAスクール構想」を加速させ、すべての生徒の「個別最適な学び」や「協働的な学び」を保障するICT環境の充実を図るため、デジタル教科書や生徒のタブレット端末の画面を投影できる天井吊りプロジェクターを中学3年生の各教室に整備するとともに、双方向性のあるプログラミング学習に対応できるソフトウェアを中学校に導入することにより、タブレット端末を最大限に活かした学習活動を実践できる環境を整備します。

2.多様性を認め合える! 個性あふれるまち「とくしま」の創造

二つ目は、『多様性を認め合える! 個性あふれるまち「とくしま」の創造』に向けた取組でございます。
「男女共同参画社会の実現」では、性別等にかかわりなく、誰もがその経験や能力を発揮し活躍できる男女共同参画社会の実現に向け、「ターゲットと啓発目的を明確にした男女共同参画に関するセミナー」を開催し、固定的性別役割分担意識の解消やジェンダーギャップ解消の促進を図ります。
「地域自治・協働の推進」では、公・民・学が連携しながら、市民の皆様と一緒に地域課題解決のためのプロジェクトを共創する新たなプラットフォームを市民活力開発センターに構築し協働によるまちづくりを推進するとともに、市民をはじめ、NPO、企業、大学などより多くの個人や組織が、本プラットフォームに参加し課題解決に取り組めるよう、利便性の高いアミコビルに移転し、これを機に同センターの名称を「まちづくり協働プラザ」に変更いたします。

3.強靱で未来へと続く! 安心あふれるまち「とくしま」の創造

三つ目は、『強靱で未来へと続く! 安心あふれるまち「とくしま」の創造』に向けた取組でございます。
「防災・減災対策の強化」では、B&G財団からの支援を受け、災害発生時の緊急対応や避難所運営に必要な機材を備えた防災拠点を、災害リスクのないとくしま動物園の駐車場に整備することで、災害時の緊急対応能力の向上を図ります。
また、防災士を対象とした防災サポーター登録育成制度を発足させ専門研修や訓練を実施するとともに、平常時には市民への防災情報の発信、大規模災害時には市民を牽引する役割を担ってもらうことができる体制を整備します。
「環境の保全と向上」では、持続可能な地域社会を目指し、未来を見据えた脱炭素に向けた取組を推進するため、住宅用太陽光発電設備及び、蓄電システム等の設置に対する補助や、公共施設での太陽光発電設備の導入可能性調査を実施します。
「多機能な都市空間の創出」では、とくしま動物園の人気エリアであるサバンナエリアの魅力づくりを進めるため、ブリーディングローンによりキリンを迎え入れる準備として、キリン舎の増築工事を行うとともに、獣舎ろ過設備等の改修により飼育環境の充実を図ります。

4.地域経済を牽引する! 活力あふれるまち「とくしま」の創造

最後に、『地域経済を牽引する! 活力あふれるまち「とくしま」の創造』に向けた取組でございます。
「農林水産業の振興」では、次世代を担う農業者となることを志向する就農希望者や新規就農者に対し資金を交付することにより、新たに農業を始める方への就農促進と農業定着を図ります。
「地域産業の振興」では、新型コロナウイルス感染症の影響による危機を乗り越えるため、事業者が中心となって行うウィズコロナ時代におけるデジタル技術等を活用した新しい取組に対し補助を行います。
「観光・交流の促進」では、コロナ禍における働き方の多様性を踏まえ、仕事と休暇を組み合わせた「新たな旅のスタイル」の促進に向け、年間を通じて徳島市への来訪機会が期待できるブレジャーに対して宿泊費を助成するとともに、徳島市内での過ごし方を提案し、地域経済の活性化や交流人口の拡大を図ります。
「文化財の保存と活用」では、鎧兜や時代衣装を着用して徳島城跡から旧城下町を練り歩く「徳島城時代行列」や、遊山箱を手にして、徳島城から寺町にかけてまち歩きを行う「まち歩きwith遊山箱」という体験型イベントを行うなど、徳島城と寺町という城下町の文化資源を一体利用することで、徳島市中心部が蜂須賀家の城下町であったことを市民にアピールするとともに、まちのにぎわいを創出します。

予算以外の議案

続きまして、当初予算以外の議案につきまして、ご説明いたします。
令和3年度3月補正予算につきましては、国の16か月予算に合わせ、年度替わりの空白を避け、切れ目なく予算を執行するため、防災・減災、国土強靱化を推進するための事業を前倒して計上するとともに、感染症対策として各施設に対する消毒液等の感染防止用物品を配布及び購入助成する事業や、感染症の影響による利用料金収入の減少により、運営に支障を来している指定管理者に対し、業務継続のための支援金を交付する事業などを計上しております。

阿波おどり振興基金に積み立てる

また、先ほど申し上げました「阿波おどり未来へつなぐプロジェクト2021応援団」として寄附をいただいた「ふるさと応援寄附金」の一部を、阿波おどり振興基金に積み立てる予算などを計上しております。
次に、条例議案についてでありますが、関連法令の改正に伴い所要の改正を行う個人情報保護条例の一部改正や、親子ふれあいプラザ及び子育て安心ステーションに、指定管理者制度を導入するための条例等を定めるものでございます。

最後に、単行議案についてでありますが、市道路線の廃止と認定、工事請負契約の変更、定住自立圏形成協定の一部を変更する協定の締結、専決処分の承認及び、本日追加提出いたしました工事請負契約の締結に関する議案を提出いたしております。以上、よろしくご審議いただき、ご可決くださいますようお願い申し上げます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?