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阿波おどり騒動と徳島市

400年の歴史を持ち世界にもその名を知られる阿波おどりは、日本の夏を代表する祭りのひとつ。
毎年8月になると徳島県内のあちこちで開催されています。
その中でも最も規模の大きい「徳島市の阿波おどり」は毎年8月12日〜15日の4日間開催されています。

この徳島市の阿波おどり、毎年120万人の観光客が訪れているにもかかわらず、毎年補助金を投入しているというのに「大赤字」ということが2018年に明るみとなりました。

阿波踊りが「イベント地獄化」し、慢性的な赤字に!

2018年3月に東洋経済オンラインが報じた記事が、徳島の阿波おどりがイベントとして慢性赤字化していた経緯を具に検証しています。

メスを入れたのが、遠藤前市長

阿波おどりの主催者であった徳島市観光協会には4億円も負債がありました。2016年に徳島市長となった遠藤彰良氏はこの膨れ上がっていた負債を清算し、運営を民間委託するという大改革を行いました。

遠藤前市長と徳島市観光協会の確執

1998年に徳島市職員互助会の海外旅行を巡る背任事件がありました。

(参考 )
平成10年第 3回定例会議事録
徳島市職員互助会背任事件に関する徳島市議会の議事録
http://voices.city.tokushima.tokushima.jp/voices/CGI/voiweb.exe?

その事件に加担したとして逮捕された前科がある人物が徳島市観光協会の職員でした。遠藤前市長は男性のその雇用を問題視し、申し入れを行いました。

訴訟の発端となった遠藤前市長の発言をボイスレコーダーで録音したものがYoutubeで公開されています。
「恫喝の現場」と書かれていますが、ぜひ一度通しで聴いてみてください。
遠藤氏の言動に「恫喝」と呼べるようなふるまいはあるでしょうか?
遠藤前市長は丁寧に観光協会側に依頼をしているだけのように感じます。
これは、Youtubeの概要欄、コメント欄の特性を利用した「印象操作」とも受け取れます。


そして、この遠藤前市長の申し入れに対し観光協会は賠償を求めて提訴。
けれども、観光協会は敗訴しました。

徳島市観光協会は破産手続きへ

その後2018年3月、徳島市は「徳島市観光協会」の事業の継続は困難と判断し、破産手続き開始を発表しました。

「総踊り中止」で対立を印象付ける形に

そして2018年夏、阿波おどりの舞台のひとつ「南内町演舞場」のフィナーレを飾る「総踊り」を遠藤前市長側の指示で中止を決定、それに反発した団体(阿波おどり振興協会)が独自に総踊りを決行。
これらの様子が全国放送で報じられたことで、徳島市と阿波おどり「対立」を印象付ける結果となってしまいました。

2018年に毎日新聞が報じた記事(有料)が阿波おどり振興協会が「総踊り」を強行開催した異例の展開と、そのことの発端についてわかりやすくまとめられています。

赤字体質からの脱却を目指して遠藤市長が新体制で臨んだ2018年の阿波おどりだったけれども、この内紛の影響もあって約2900万円の赤字。
結果として観光客離れを引き起こしてしまいました。

遠藤前市長の対抗馬として擁立され
市長最年少女性市長となった内藤佐和子氏

2020年4月に徳島市長選が行われました。
現職だった遠藤彰良氏対抗馬として擁立されたのが、内藤佐和子氏。
阿波おどり振興協会は、この内藤佐和子氏をバックアップ。
市長選直前にニュースポストセブンが報じた内藤佐和子市長と阿波おどり振興協会の関係に詳しく記載されています。

内藤市長が「阿波おどり実行委員長」に

内藤佐和子さんが市長就任後ほどなくして、空席となっていた「阿波おどり実行委員会」の委員長に彼女が選出され、実行委員長となりました。

けれどもこれに対しては賛否両論の意見があります。
なぜならば、遠藤市政時代に阿波おどり事業検証有識者会議の提言書では「行政中心ではなく本来は民間中心で運営すべきものであり、実行委員長は民間団体から選任すべき」と結論づけられていました。
この提言を受けて、徳島市観光協会が破産となった後 実行委員長を勤めていた遠藤前市長がその職を退いた経緯があったからです。

市議会では「阿波おどりの闇の復活」との質問も...

2020年6月議会では日本共産党徳島市議団の加戸市議が 内藤市長 に対して「阿波おどりの闇が復活」という質問もなされました。
加戸市議のFacebookで議会での質疑が掲載されています。

市民の声

戦後初めて阿波おどりが開催されないお盆期間中、徳島の未来を守る会のTwitterで、これらの阿波おどりに関する記事を紹介すると、多くの市民から活発な意見が声が寄せられました。
やはり阿波おどりは徳島の人にとってはかけがえのないものだということを痛感しました。
市民の声に耳を傾け、徳島市長として、そして実行委員長として地元の人も観光客も楽しめる阿波おどりを内藤佐和子さんには強く望みます。


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