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【大学受験】 化学 基本的な4つの有機物質を理解しよう!〜パスチャレ#447〜

                                 Written by キクラゲ
こんにちは、キクラゲです!

最近一気に暑くなってきましたが、みなさん体調は崩されていないでしょうか。

みなさんはきっと五月病からも解放されて(?)いることでしょうし、受験生に限らず勉強や部活などに励んでいることでしょう!(私は今頃進学のかかった試験の重圧に潰されてます)

暑くなってくるとついついぼーっとしてしまいますよね。

勉強を頑張っている皆さんは特に、勉強と休憩の切り替えを意識したり、数時間おきに場所を変えて勉強したり、勉強の合間に散歩やおしゃべり(アウトプット)をしたりと、工夫してみてください!

これが長時間勉強の秘訣です!

さて、今回の化学は化学結合と結合長(つまり、結合している原子間の距離)に関する問題です

そして、問題に登場する物質の関係を少し説明します

※ヒント

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【結合長】

いかがでしょうか。結合長が短い方から順番に並べてみるとこんな感じです

アセチレン < エチレン < ベンゼン < エタン

上の図と照らし合わせて考えると、C同士の結合の本数(つまり単結合か、二重結合か、……)が多いほど短くなっていることがわかります。直感的にわかるとは思いますが、結合に関わる電子が多いほど強く結びつくのですよね。

具体的に数値をあげると、エタン:0.15nm, エチレン:0.13nm, アセチレン:0.12nm, ベンゼン:0.14nm, また、炭素ー水素の結合の長さは0.10nmとなります

【結合エネルギー】

また、結合の長さと結合エネルギーも密接に関わっているのでこの説明も……(結合エネルギーをまだ知らない方は読み飛ばしてくださって結構です!)
まずは炭素原子間の結合エネルギーの順位がどうなるか、予想してみてくださいね

はい、正解は、小さい方から

アセチレン < エチレン < ベンゼン < エタン

となります。見事同じになりましたね。理由も同じです。結びつきが強いということは、当然結合エネルギーも大きくなります。だって、結合エネルギーは「結合を引き離すのに必要なエネルギー」をさしますから

念のためここでも値を示しておきますと、エタン:377kJ/mol, エチレン:728kJ/mol, アセチレン:965kJ/mol, ベンゼン:508kJ/mol(298.15K)

【ベンゼンの結合】

ここでこんな疑問を持つ人もいるでしょう。ベンゼンは単結合と二重結合が混ざってるし、炭素ペアによって長さが異なるのではないか、、と

実は、ベンゼンの図で都合上 単結合と二重結合を交互に描きましたが、本当はどちらも平等で、1.5重結合と呼ぶ方が正しいかもしれません

ここらへんの結合の話は大学でまた勉強することになるのでそこで正しい説明がきけると思います。(二重結合の2つの結合は同じかと思ったら、実は別の性質をもつ2つの結合だという話とか!いろいろ仰天することばかりです)

さて、高校の内容の話に戻りましょう

【立体構造】

ここからはより簡単な話になります!

さて、立体構造についてですが、まず炭素、水素原子がどう並んでいるか、考えてみましょう。

アセチレンは一直線上、エチレンやベンゼンは同一平面上に全ての原子が収まります。エタンのみ立体的に配置されます

次に、炭素原子間の回転性についてですが、エタンのみ回転できます。重結合をもつと回転できなくなるということは押さえておきましょう!

【炭素含有率】

炭素含有率、、なぜこの話題を取り上げたかといいますと、これが意外と共通テスト・二次試験ででたり!

計算すれば誰でも求められますが、ここでアセチレンとベンゼンの炭素含有率が一致するのは面白いですよね!(どちらも組成式 CH)

試験ででるのはこの話の続き、「すす」の出る量についてです。すすは、炭素含有率が多いほど出るので、アセチレンとベンゼンは特に出やすいことがわかります

【いくつかの化学反応】

折角ですので、出てきた物質の相互変化を見てみましょう。一般に、重結合の部分には「付加反応」(名前の通り、何かを付け足す反応)が起こりやすいです。ここで、アセチレンやエチレンに水素を付加したら、、そう、エチレンやエタンになります!

C₂H₂ + H₂ → C₂H₄
C₂H₄ + H₂ → C₂H₆

ここで注意ですが、ベンゼンでは付加反応ではなく「置換反応」(名前の通り、水素原子を他のものに置き換える反応)の方が起こりやすいことに注意しておきましょう

また、アセチレンを3つ合わせたらベンゼンになりそうですよね(?)実際、鉄触媒を用いて加熱するとなります!3分子の「重合」反応です

3C₂H₂ → C₆H₆

長くなりましたが、こんな感じでいかがでしたでしょうか?
エタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、これでは全く説明しきれないほど勉強しがいのある物質です。まだ習っていない方は、授業ででてきたときに思い出してくれると嬉しいです!

体調にお気をつけください!

最後まで読んでくださりありがとうございます!

これからもよろしくお願いします🙏 では、また!
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東京大学 理科一類 2年 キクラゲ
 
小中高公立・塾なしで東大理一に現役合格。共通テストでは神が舞い降り、模試での自己最高得点を97点も上回る864点を獲得。中学生の頃はバリバリの理系だと自認していたが高校に入って徐々に怪しくなり、入試本番では全ての理系科目で得点率50%を割る。
 
クラシック音楽が大好きで、音楽鑑賞・ピアノ演奏・作曲が趣味。特にお気に入りの作曲家は20世紀のソ連で活躍したショスタコーヴィチ。


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