【大学受験】 化学 硫黄について学ぼう!
Written by キクラゲ
こんにちは、キクラゲです!
そろそろ新学年が始まる頃でしょうか。
ご入学/進学おめでとうございます!
新学年でまたみなさんの気が引き締まったことだと思います。是非PASSLABO, MathLABOの動画の視聴やパスチャレの購読を継続して勉強習慣の一部にしてくださいね!
さて、今回は硫黄についてです。
化学の勉強をまだ始めていない方は化学に親しむ第1歩として、
すでに無機化学の勉強に入っている方は深堀知識として、
化学を受験で利用しない方雑学として、
是非読んでくださいね!
今回の問題にある “単斜硫黄”、 “斜方硫黄”とは何かについてですが、とりあえず問題を解くに当たっては斜方硫黄は「常温常圧で存在している単体の硫黄」と思っておけば大丈夫です。詳しくはあとで解説します。
というか、イラスト見たほうが早いですね……
(見苦しくてすみません! 写真はお手数ですが画像検索してみてください!)
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いかがでしょうか。
中学化学まで使っていた “S” は、実は組成式だったのです。
本当は8個の原子からなる分子だと知らなかった人もいるのではないでしょうか。
ここからは硫黄の同素体や有機物の中の硫黄についてお話ししようと思います。
【硫黄の同素体】
同素体で有名な硫黄ですが、高校化学では斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄の3種類を習います。(ゴム状硫黄の方も画像検索していただけると!)
斜方、単斜は8個の原子がギザギザの輪っかの形で結合していて、ゴム状の方はn個(たくさん)結合している形になります。
常温常圧で安定なのが斜方硫黄、温度を上げていくと(95.5℃以上)単斜硫黄となり、160℃以上の液体の硫黄を氷水で急冷させるとゴム状硫黄が得られます。
同素体
斜方硫黄
単斜硫黄
ゴム状硫黄
色
黄色
黄色
褐色(純度が高ければ黄色になる)
形状
斜方晶系結晶
針状結晶
無定形状態
安定性
常温で安定
95.5℃以上で安定
常温で斜方硫黄になる
溶解性
二硫化炭素CS₂に溶ける
溶けない
また、実はもっと同素体の種数は多く、高温ではS₂やS₄などを作ったりもします。
【有機物の中の硫黄】
硫黄は人体に0.3%含まれ、アミノ酸やビタミンに使われているなど、生命にとって重要な元素の一つです。ここでは高校で習う具体的な物質も取り上げて解説していきます。
まず初めに、有機物中の硫黄の検出方法から。検出方法はいくつかあると思いますが、代表的なのが以下です。
“NaOH水溶液を加えて加熱後、酢酸鉛(II)水溶液を加えるとPbSの黒色沈殿を生じる”
大抵の物質の検出反応では、NaOHを加えて有機物を壊すことになるので、押さえておきましょう。
さて、本題の硫黄が含まれる有機物についてですが、アミノ酸の一種であるシステイン、メチオニンがあることを覚えておきましょう。(名前は覚えなくて良いです。こういう物質があることだけ……)
少しそれぞれの物質の特徴を書きますが、こちらも覚えなくて大丈夫です!
メチオニン:牛乳やホウレンソウに多く含まれる。人体で合成できないアミノ酸(必須アミノ酸という)です
システイン:人体ではメチオニンから作り出すことができ、髪の毛や爪に多く存在します。反応性の高い -SH 基をもち、2つのシステインが -SH で反応すると -S-S- という構造を作り、これをジスルフィド結合と言ったりします。
特に大学入試の問題ではシステインが頻出ですので、こんなこと言っていたなと習った時に思い出してみてください!
いかがだったでしょうか。
化学は暗記の部分が多いですが、パスチャレを通して何度も知識に触れ、徐々に身につけていってくださいね!
気温が変わりやすい時期ですが、体調にお気をつけください!
最後まで読んでくださりありがとうございます!
これからもよろしくお願いします🙏 では、また!
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東京大学 理科一類 1年 キクラゲ
小中高公立・塾なしで東大理一に現役合格。共通テストでは神が舞い降り、模試での自己最高得点を97点も上回る864点を獲得。中学生の頃はバリバリの理系だと自認していたが高校に入って徐々に怪しくなり、入試本番では全ての理系科目で得点率50%を割る。
クラシック音楽が大好きで、音楽鑑賞・ピアノ演奏・作曲が趣味。特にお気に入りの作曲家は20世紀のソ連で活躍したショスタコーヴィチ。最近作曲コンクールに作品を提出してみた。
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