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仮面ライダーオーズ10周年映画を観て思うこと

記事を開いていただきありがとうございます。

この度タイトルにありますように仮面ライダーオーズの映画「仮面ライダーオーズ10th復活のコアメダル」を観ましたので、その内容についてや最近の仮面ライダー映画について思うことをつらつらと述べていこうと思います。また、かなりネガティヴな内容になっています。どうか心してお読みください。

この記事はネタバレを多分に含みます。ご注意ください。

私と仮面ライダーについて

まず、私おさかなは仮面ライダーオーズはもちろん、仮面ライダークウガから始まる平成ライダーを全てリアルタイム視聴し、続く令和ライダーである仮面ライダーゼロワン以降仮面ライダーリバイスに至るまで、その全てのテレビシリーズを視聴してきました。

20年以上も見続けているので、今振り返れば1ファンとして良いことばかりでなく不満を漏らしたくなってしまうこともありました。しかしこれまでSNSなどの公開された場で自分の考えを発表することはしませんでした。

理由は単純で、好きなものを悪く言いたくないと思っているからです。年齢で言えば2歳のころから23歳である現在まで、ずっと追いかけ続けそして好きであり続け、自分にとって誇らしさすら覚える趣味となった仮面ライダーを、これからも楽しみ続けたいし1人でも多くの人と一緒に楽しみたいと思っていますから、どんなに不満をおぼえたとしても作品を落としたり貶したりするような情報を私から発信しようと思ったことはありませんでした。

しかし今回だけは我慢ができなかったというわけなのであります。あまりにも苦しくて発信する以外の解決策を思いつかなかった私をどうか許していただきたいです。

テレビシリーズとVシネマの関係をどう捉えるのか

仮面ライダーシリーズは、作品によってはスピンオフとして本編終了後の世界を描くということを映画版やVシネマ、小説及び漫画などで展開してきました。一年もの間続く物語に愛着を覚える人たちはその続編によって、所謂「ロス」の状態を乗り越えてきたという歴史もあり(俺調べ)、この企画や風潮自体は非常に好ましいものだと思います。

一方で、本編の最終回で迎えた終わり方や世界観、物語の根幹に関わる設定をその後の後日談で覆すということも珍しくなく、ファンの中には「本編の意味がない」、「がっかりしたくないのでそもそも本編以外見ない」という層や、「本編とその他続編は別物」、「ある意味パラレルワールドとして見る」という人も少なくありません。これはかつて仮面ライダー龍騎をはじめとしたいくつかの夏映画(本編放送中に公開される劇場版)がパラレルワールドの設定で作られていたことから、「映画などの派生作品は本編と無関係な場合がある」という歴史や、仮面ライダーディケイド以降作品の設定をご都合的に変更することがファンの間でも黙認される節があり、このような「本編とその他続編を分ける」考え方は、生まれるべくして生まれた価値観と言えるでしょう。

もちろんシリーズによっては本編と一切の矛盾がなく続いているものもあり、例えば私も愛読している仮面ライダーWの派生漫画「風都探偵」はまさに正統続編と呼ぶにふさわしい作品になっています。

何が言いたいかと言いますと、派生作品を見るときは、それがパラレルワールドなのか、或いは続編なのか、そもそも設定に無頓着な作品なのかが見るまではわからないということです。

話を仮面ライダーオーズに戻しましょう。勘のいい方はもう話の結末がおわかりでしょうか。

私はこれを完結編と認められるだろうか

仮面ライダーオーズは今年で10周年を迎え、記念として当時のキャストが勢揃いの完結編としてVシネマが作成されました。

そう、完結編。

これで終わりらしいです。


ふーん。

ネタバレ注意








完結編って10年後に突然主人公死なせていいんですかね………………………………………………………





この苦痛、実は去年もありました。仮面ライダーゼロワンのVシネマを見ると味わえます。ネタバレですが。この際この記事を見てくださった方全員巻き添えにしたいです。

結論として、私はこの映画と本編を完全に切り離し、そういう話も作られたねそう言えばね、という程度の扱いに落とそうと決心いたしました。

自身で行うパラレル化でございます。これをしないと、この先仮面ライダーオーズが画面に映るたび、「死んだんだよな」と呟く哀れな成人男性になってしまうからです。

冗談はさておき、冗談では済まされないものが公開されてしまいました。ここから先は批判に近いネガティヴなお話になります。

・第一に見終わった時に残る疑問が多すぎること。

・多くの疑問に目を瞑っても残るキャラ崩壊の数々。

・最もひどいのはシナリオの合理性の無さ

あんまり長くなるのも良くないのでざっくりと書いていきたいと思います。

疑問点

・800年前のオーズとグリード達はなぜ、どうやって復活した?

・アンクってそんなくらいで復活できるの???

・グリードはなぜ800年前のオーズに従う?

・レジスタンスとかいう組織はいつ誰が作って誰が装備や設備を整えてどうやって戦っている?

・荒廃した世界とはどの程度のもので人々はどうなった?

・どうやって火野映司は仮面ライダーオーズに変身するための装備を整えた?

・ゴーダって何者?

・ゴーダが映司を選んだのはなぜ?

・ゴーダはどのタイミングで映司に憑依した?

・ゴーダはなぜ女の子は死んだと嘘をついた?

・アンクと800年前のオーズはどんな仲だった?

・映司と800年前のオーズが一対一で近くに女の子がいる状況ってどうやったら生まれる?その間他のメンバーは?

・800年前のオーズの体内に恐竜メダルがあるのはなぜ?

・バースの新たな姿に使われたコアメダルって何?

などなどざっと考えてもこのくらいの疑問点が一切説明されません。何?

キャラ崩壊及び合理性の無さについて

・明らかに様子がおかしい映司に違和感を持たない比奈ちゃんって誰?

・映司が最期に望むのがアンクの復活ということに少し違和感。世界ボロボロなのにそれなの?

・アンクが映司を救う方法を示したにも関わらず映司自身がそれを拒んだのは何故?そしてそれをすんなり受け入れるアンクって誰?

・レジスタンス勢力が散々苦戦した800年前のオーズをすんなり倒したゴーダがその力全部吸収したやばい状態なのに、そんなゴーダに死にかけ映司とアンクが頑張ると勝てるのに、映司は800年前のオーズに死ぬほど苦戦した(というか死んだ)のはどういうバランス?

・バースは相変わらず本質に関わる戦いでは空気

こちらもざっと並べてこの程度納得のできない部分がありました。もし、この記事をここまで読んでいただいた上で解釈等教えてくださる方がいたら遠慮なく仰ってほしいと思っています。私は不満である以前に困惑しています。

このように腑に落ちない部分がこれほど出てくると、これを以って仮面ライダーオーズを完結とは認められないなと思ってしまうのは、ファンとしてあるべき状態とは言えないのでしょうか…

本編を知っているが故に、彼らの一年分の戦いを蔑ろにしてほしくないという思いがどうしても強まってしまうことこそ、自然と言えるのではないでしょうか。

「死」を作品で扱うということ

10年ぶりに描く新作で主人公死なすのがファンの期待に沿う作品ってありますか???(あったら普通に知りたい程度には興味ありますマジで)

当然仮面ライダーオーズの世界で、主要キャラクターの死という概念は決して良くあるものではありません。人がコロコロ死ぬような作品ではないと思っています。純粋に世界観というか、設定がブレたように感じてしまいました。

ここで、私がこの「完結編」で感じたことは、死ぬことのコンテンツ化というようなものです。商売上の死、というような感じでしょうか。

私を含め多くの仮面ライダーファンはこの記念作品に期待していました。本編最終回で旅立った映司はどこへ向かったのか、それぞれのキャラクターは10年を経て何を見てきたのか、そして「いつかの明日」ってどんな日なんだろう…などと、大いなる期待を胸に映画館に足を運んだ人がほとんどではないでしょうか。それが蓋を開けてみたら既に荒廃した世界で主人公が死んでいるというのは、さすがに炎上案件であると感じざるを得ないです。

我々はおそらく踊らされたのだ、と。

こうして私が初めて長々と記事を書いているのもぜんぶ話題性のためだ、と。

10年来のファンを怒らせるような作品をあえて作ったのではないでしょうか…


そう言われた方が納得できるな、というのが言って仕舞えば私の落とし所です。

人の死というものは、現実のものと作品のものとで大きく違う点があると思います。それは作為であるかどうかであると考えます。

作品の中での死は、どんな死に様であれ必ず「意味」がうまれ、それを受け手は考えることができる以上、その死について製作者は責任を持たねばならないと考えます。

当然ですが人を簡単に死なせてはいけないのではないでしょうか。

「死」扱う以上、それを以って我々受け手に伝えねばならない。それがなんであるかはさておきメッセージというものを期待するのが受け手である、ということは今更私程度が発信する必要もない話であると思います。

私は映司の死に不満を抱いてしまいました。彼の命がコンテンツとして扱われた気がするのです。私が中学一年生の頃出会ったキャラクターは炎上のために死んだのでしょうか…そうでないならばあの死はなんだったのかもう本当にわかりません。


終わりに

まず、映画を見た当日にこんなものを書くのは良くないと思いました。理ではなく感情が前に出てきてしまいました。しかし、何日経とうが変わらない気持ちが込められてしまっただろうという自負もあります。

改めて、この完結編は私にとって残念なものになりました。

しかし、当時のキャストが勢揃いで画面に映る様には非常に心を打たれました。とにかく彼らの演技をもう一度見ることができてよかったと思います。これに関しては、ここまで書いた文章など取るに足らんほどに嬉しかったです。出演者の皆様には伝えきれない感謝でいっぱいです。

一方で脚本家と監督さんには深く失望しました。これも間違いありません。


長々と書き連ねてしまいましたが、私は相変わらず仮面ライダーオーズが大好きなままです。映画は多分パラレルワールドだし、本編の面白さが失われたわけではありませんから。

これからもきっと本編から派生された作品は作り続けられるでしょうが、懲りずに見に行くのだと思います。

本当に良い作品にまた出会えることを信じています。

ここまで読んでくださってありがとうございました。























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