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はな奥様ストーリー【2】

2:
(こりゃまずいな。男が廃る)
 買ってある食パンを1枚取り、何もつけずかぶりつく。早々に食べ終えて、冷蔵庫の残っている牛乳を飲み干した。
 たまたま見つけた風俗サイトは、人妻専門店だった。
 実は過去にもそういうコンセプトの店を利用したことがある。雰囲気も落ち着いていて、癒された記憶がある。
 ずらりと並ぶ出勤中の”奥様”たちの写真に、目を引く1枚を見つけた。
(いいな……)
 落ち着いた髪色、明るい肌で顔を隠していても落ち着いた印象。しかしプロフィールを覗けば、その本性はどスケベだという。
 望んでない禁欲をしている身としては、早くも期待が高まる。
 奥様の名前は、”はな”さん。まず名前が可愛らしい。プロフィールや日記を覗くうちに心が固まってきた。
「ええ……はい。この、”はな”さんという方で予約を取りたいのですが」
 いつになくそわそわとしながら、予約は進んでいく。
 選んだのは『玄関先即尺90分コース』で、電マも追加してみた。どスケベな本性を暴いてみたい気持ちがあった。
 ホテルも確保すると、いよいよ体が熱くなる。
(直美、すまん。俺も自由が必要なんだ)
 シャワーよし、爪の手入れよし、髭は……。
 いつになく若々しい気持ちで、身支度を始めていた。

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