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ほっちのロッヂの記録11:絵本

2月から、ほっちのロッヂで過ごしています。

続けられるかわからないけど、記録できる日はnoteに記録していこうと思います。
今日は2つ!ひとつめ。


今日のまなび:絵本から広がる世界

今日はお昼寝のあとの1時間、Tくんと過ごすことになった。
ここでは毎日、その子の気分やその日の天気、人数によって、いろんな活動をする。決まっているのはお昼ご飯・お昼寝と帰る時間くらい。
今日はお昼寝の後の時間を、私と一緒に過ごしてくれることに。

Tくんは、いつもは寝っ転がっているか、いすに座っている。豊かな表情や息遣い、手足の動きで、気持ちをたくさん伝えてくれる。

Tくんと過ごせる時間は突然だったので、なにして遊ぼう?と戸惑った。
みんなと一緒に外に出かけたり、音楽したりではなく、私と2人で遊ぶ。実はこれまであんまりなかった機会。

今日は、午前中、何回もそりで遊んで、しっかりお昼寝したあとだったので、静かに絵本を読んでみよう。
言葉は伝わらないものが多いかな、楽しいかな、Tくんのためになるのかな、と不安を感じながら。

最初の一冊は、文字が少し多めだった。となりで音をならして遊んでいる子どももいた。見やすいかなと思ってクッションの上で寝そべってみたけど、姿勢は心地よくなさそうだった。あんまり絵本を楽しんでくれてなさそうな様子。

2冊目は場所を変えて、姿勢も床に寝転ぶ姿勢に。働き手が様子に気づいて環境を整えてくれた。
いくつかの絵本を一つずつ顔のまえにもっていき、これがいい?こっちにする?と聞く。絵本を目にしたときのTくんの表情や手足の動き、筋肉の緊張を感じ取る。
Tくんが選んだのは「100万回生きたねこ」。ねこの絵をみたときに、今日一番の笑顔をみせてくれた。後から聞いたけど、Tくんの家ではネコを飼っていた。

そのあとも、色合いや紙質のちがう絵本を何冊か読んだ。本によって、ページによって、Tくんの反応はさまざま。
全く興味を示さないこともあれば、じっと見入っていることもある。私の声に聞き入るように、こちらに顔を向けてくれるときもある。ページをめくるときにわくわく楽しみにしてくれるときもあるし、関係ないほうをみてるときもある。本が終わると目をぱっちりしてにこにこしてくれるときもある。

Tくんは、絵本の世界を通して、たくさんの表情をみせてくれた。
絵本ってすごい。
動物園に行かなくてもペンギンの家族に出会えるし、家の中にいるのにピクニックしてランチを食べられる。あおむしになってカラフルな世界で爆食いして、きれいなちょうちょうになれる。
絵本を開くと、いろーんな世界に行ける。

思えば私もそうだった。夜寝る前、かならずお母さんが読み聞かせをしてくれた。もう一冊、とねだって、そのくせに途中で寝てしまったり。恐竜の絵本がお気に入りだった。私は絵本からたくさんの、いろいろの世界を知ったと思う。

医療的ケアが必要な子、障害をもっている子、経験が限られてしまう、経験の格差が生まれてしまうことがある。
それはおかしい、と活動してきたのが、ロッヂの母体のみなさんだったりする。今日は絵本の可能性を感じた時間だった。

そしてなにより、絵本を通して、Tくんと楽しいやわくわく、うれしいを一緒に感じられたのが、とてもとても幸せな時間だった。Tくんありがとう。


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