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晴れ時々妊活5「妊娠できる下着?」

前回からの続きで、妊活中に出会った整体師さんから紹介された下着のお話です。
ちょっと妊活そのものからは離れますが、自分は「履くだけの妊活」と思っていた?というお話です。

勧められた商品は、三分丈くらいの黒いスパッツ形のパンツと、タンクトップ形のシャツでした。
裏に天然鉱石やダイヤモンド(!)の粉末がプリントされていて、そこから発せられるマイナスイオンで血流が促進されぽかぽかになり、「着る岩盤浴だよ」と言われ確かに着用すると気持ちが良く、いい感じがしました。
「これずっと履いてて知り合いの姉妹はみんな妊娠したよ」とか、
「体に負荷をかける不自然な治療より、体をよくすればまだ全然妊娠できるよ!お金まだそんなに使ってないうちに出会ってよかった!」といった言葉にすっかりその気になりました。

実際私は病院通い始めたばかりなのに早々に息切れしていましたし。
ポテンシャル低めの体に負荷をかけるより、体そのものを改善したいという気持ちも大きかった。
それに妊娠しやすい体になるには血流が大事、ホルモンも全て血流だという一つの結論に達していましたので、それに大いに賛成しこの下着は履いている間24時間血流を改善してくれる!なんてコスパがいいのだ!と思いました。
血流が大事になのは正解だと思います。
その下着は高価でした。が、確かに効果は感じました。
薄い生地なのに下半身はぽかぽかし、漢方の効果もあったのか生理痛は軽くなり、
経血もさらさらになってきた感じがしました。

男にもいいんだよ!と整体師の先生も履いているというので、夫にも買いました。
血流が良くなり「元気」になるという。
夫婦で良くならなければ、と。
夫も少なからず効果は感じていました。そこまで熱心に履いてはいませんでしたが、比較的信じて履いていたように見えました。

他にもシーツやその他の下着も気に入って買い、かなりの信者になってしまいました。これを着てれば自然妊娠できる!と本気で思ってました。
この商品はネットワークビジネスの商材でしたが、気に入っていたので気にしてませんでしたし、私自身が世間知らず過ぎるのですが、ネットワークビジネスのことをよく分かってませんでした。

当時は退職後の失業手当給付待ちの妊活しかやることがない状態で、正直心の隙間がスースーいっている状態でした。
なんとなく暇で、考える時間はたっぷりあるけど考え過ぎると悶々と暗くなる、何かやることないかな、、と漠然と思っている頃でした。
そんな時に声がかかりました。
「ちょっとお話聞きにきてみない?」と。
そう、その下着の会社のセミナーでした。
ここで普通はやばいと気づくのでしょうが、私はこの下着を気に入っていたし、暇だったのでホイホイと誘われるままに行きました。
ネットワークビジネスの勧誘セミナーではなく、人生観とか生きる目的のような話とビジネスの話といった感じでした。
主婦層が多く、みんな目をキラキラさせて聞いているのが印象的でした。

素直なのが取り柄のような私は、まんまとネットワークビジネスに足を踏みいれてしまいました。(騙されやすいとも言う)
下着を紹介してくれた整体の先生も大きな昇格のチャレンジを控えている大事な時期でした。
そんな時に私という格好のカモ、というと言葉がよくないですが、助っ人?が現れて熱心にこの会社や商品、ビジネスの素晴らしさと自己実現の話をされ、すっかりその気になった私でした。

結局ネットワークビジネスの何が良くないか、なんで嫌われるのかといえば、かなり高い商品を売ってその一部が紹介者の収入に直結する、ランクの昇格で取り分の割合が上がるなどの仕組みによって、通常のお店よりだいぶ高い商品の押し売りになりかねないということではないかと思います。
気に入らなかったら買わなければいい、それだけの話で、私は気に入っていたし自分でも効果を感じていたので、みんなも気に入るはずだと一生懸命友達に紹介しました。
購入者が増えれば私のお財布も潤い、ランクも昇格して表彰などされると途端にまたやる気になってしまうのが人間です。
うまくできてるな、と思います。

何人か紹介して気に入って買ってくれた友達がいましたが、軽く話しただけでササーーっと逃げられたケースもありました。
下手すると友達失います。心はすぐに折れるので、セミナーが必須です。
別に洗脳されていたとは思いませんが、これでみんな幸せになれるお手伝いをして豊かになれると思っていました。
ただ仲の良い友達が悩みながら高額の商品を買ってくれて、その何%かが報酬として自分に入ってきた時は、少なからず罪悪感が芽生えたり落ち着かなかったので、やっぱりあまり良い売り方ではないのかなとも思います。
商売はなんでも売った商品の何%かの利益が自分に入る仕組みになっているので、紹介して買ってくれた友達に悪い気になる必要はないはずですが、お金使わせちゃったなーという気持ちは拭えませんでした。
この下着はきちんとしていたし全くインチキ商品なわけではないですが、やはりパンツ1枚1万円は高いですよね。
それってどんだけなのよと思われても仕方がない。

話が妊活からネットワークビジネスの話になってしまいましたが、結局妊活中の埋められない心の隙間を私の場合はこの下着ビジネスで埋めていたということなので、妊活を語る上でこのビジネスに足を突っ込んだ話は避けては通れないのであります。
新しい出会いもあって、面白い人も多く、引き込まれました。
家族もちょっと巻き込んだので、保険の勧誘と似たような類なのかもしれません。

このビジネスの活動に忙しくなってからは、採卵もなかなかできずにリセットの続く病院通いが嫌になり、下着の効果を試そうと病院通いを早々にやめてしまいました。
検査を含めてこの病院に真面目に通っていたのは半年くらいだったと思います。
子供は欲しいが治療をしたくなかったんだと思います。
その結果、引き寄せたものがこの会社の下着だったんだなと今は納得できます。
パンツを履いてればそのうちできるよ、という言葉を信じてというより、すがっていたのかなとも思います。
このパンツで血流改善して確かに子供ができた人もいるでしょう、ただ、何事もそうですが絶対はないので。

しばらくして生理の経血も変わり、排卵チェックの検査を自分でしててもホルモンバランスが整ってきた気がして、自分でもタイミングをとったりしましたが、夫がその点はなかなか思うようにできない人だったので普通の婦人科の病院で人工授精までやってくれるところを受診しました。

そこの先生にも、年齢的に(42歳)あまり期待できないよとはじめに言われましたが、その頃は私は調子が良くなっているんだから大丈夫だという気持ちで先生の言葉は全然響きませんでした。
みんな同じことを言う、今に見てろよと思ってました。

体の調子を良くするためにジムにも通い、定期的な運動を心がけたりしながら失業保険の受給期間に入りました。

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