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保護犬ビジネスって?生体販売より儲かると言われた訳。

「どうしてペットの実家は生体販売をするの?保護犬の方が儲かるのに。」

ペットの実家を始めた当初、あらゆるペット業界の方にめちゃくちゃ言われた言葉です。

この記事クリックしてくださった方の中には、

「えッ保護犬ってかわいそうな子を無料で譲渡しているんじゃないの?」

と思われた方、または

「あまりよくない保護団体って、いるよね。」

と既に保護犬がビジネスになっていることを知っている方もいると思います。

ある知人から聞いた話ですが、SNSで里親募集をされていた小型犬を迎えるために片道6時間かけ迎えに行ったところ、「この子はとっても人気なので寄付金が35万円です!」と言われたそうです。

事前にこの子を迎えたいと連絡していてですよ。到着してからそんなことを言うか?と思いますよね。【ブリーダーから捨てられたかわいそうな子】という言葉はキャッチコピーなんですかね。人気とはなんなんでしょうか。

今回のnoteでは、

・なぜ保護犬がビジネスになっているのか
・保護犬ビジネスは悪なのか
・殺処分の対象にならない保護とは
・ブリーダーと保護団体がどういう関係なのか
・どうして生体販売の方が儲かると言わてているのか

について「ペット業界の裏側から」解説していきます。



保護犬ビジネスになっているわけ

実は、今、保護犬ブームなんです。保護犬ブームというと怒られそうな気もしますが、殺処分が行われる状況を受け、多くの人々が保護を支持するようになりました。

そういった飼い主さんが増える一方で、保護犬をビジネスにしている団体も増えています。保護された子に対して高額な寄付金を要求している団体もあります。

今回は、その問題について暴露しようと思っています。

と言いたいところですが、私はその保護犬ビジネスについて否定的ではありません。部分的に否定して、部分的に肯定している。の方があっているかもしれません。全面的に否定できないなーと個人的には思っています。

その理由は保護団体で活動している人にも対価をもらっていただきたいからです。無給のボランティアさんに時々来ていただくのではなく、保護活動を本業として、ワンちゃんと接していただきたいからです。
みなさんはどう思いますか?

ボランティアの限界

これは私の持論ですが、一般の飼い主さんと、ブリーダーやペットショップ、保護団体などの引き渡す側との大きな違いは、瞬時に症状を見抜く力だと思っています。

一般の飼い主さんも、ワンちゃんのうんちが健康か見ますよね。軟便だなとか、下痢だとか。

ただ、引き渡す側はうんちを見て瞬時に、「これは寄生虫だな」「パルボウイルスかな」「単なる食べ過ぎだな」と何が原因かと判断する必要があります。

他の子に移さないように、隔離するという判断をしないといけないのが引き渡す側の仕事です。

うんちだけではなくて、咳や呼吸、食欲、皮膚、総合的にみて、ケンネルコフだな、とか、真菌だな、肺炎だな、と判断していかないといけません。

これが一般の飼い主さんと引き渡す側の、健康管理の仕方が圧倒的に違うところです。

この判断って飼育にかけた時間に対しての対価をご家族からいただき、長期で犬ちゃんと触れ合っているからこそ分かるようになります。

しかも保護団体さんはもっと特殊ですよね。人に心を開いてもらわないと譲渡できないですから。毎日違うボランティアさんがきて、心を開けますか?開けないと思うんでよね。

でも、今の保護団体さんってそうやって時間をかけるというのが難しくなっていると思います。よくある保護犬カフェってボランティアさんが掃除や食事などのお世話をしていますよね。動物のお世話はボランティアさんがメインで行っています。

その間に保護団体運営者は里親さんに保険や契約書の説明を机の上で行って、動物とはあまり関わる時間はありません。

私は、それが怖いなと思います。

「保護犬を引き取ってから病気が見つかった」というようなトラブルはこういった裏側で起きているのではないかなと思っています。  

私は、保護団体さんにも引き渡すまでにかけた時間への対価が入ればいいなと思っているので、保護犬が少々ビジネスになっていても否定的ではありません。


本当に処分しかない?保護犬の種類

ただ、保護犬ビジネスの犬というのは、保護された経緯が特殊なんです。それって、保護犬なの?と思っちゃいます。

ちなみに保護されるパターンとしては下記があげられます。

①野良の子
②迷子・捨てられたような所有者が不明のケース
③飼い主がなんらかの理由で直接手放したケース
④ブリーダー(時々ペットショップ)が病気の子や、繁殖を引退した親を手放したケース

そして、①から順番に殺処分されてしまう可能性が高くなりますが、
基本的には④の子は殺処分されるような場所には持ち込まれません。法律上、持ち込まれた場合保健所側が断れるようになりました。なにより純血種の場合が多いですし、人と触れ合ってきた子たちなので比較的家族が見つかりやすいです。

家族が見つかりやすい、つまり「回転率」がいいということですね。

ここに目をつけているのが保護犬ビジネスです。

回転率ってなんだよ、飲食店かと思いますよね。

保護施設にいるワンちゃんたちの中には、人に慣れていない、譲渡までに時間がかかる子もいます。特に野良の子ですね。

治療が長引いてなかなか引き渡しができないような子もいます。

保護された子は、「レスキューされて、よかったね」って言われがちなんですが、よかったねとなるのはそこではないんですよね。レスキューをして、時間をかけて譲渡できるように人にも犬にも馴れさせて、散歩もできるようにして、そこから里親さんに引き渡しをして、そこで新しい家族と馴染んではじめて、「よかったね」となるんです。

ただ、里親さんからいただく費用は治療費や避妊去勢手術などのワンちゃんにかかった実費分、数万円程度です。レスキューをして治療に費やした人件費っていうのは請求していません。請求していてもわずかです。

ですから、引き渡しまで時間がかかるような子だけを扱っていたら、お金も時間も人手も足りなくなります。これは、しょうがないと思います。

保護犬の譲渡費用というのは、動物愛護として、里親に引き渡すまでのワンちゃんに愛情をかけている時間は請求できません。

ですから、ブリーダーが手放したようなパッパッと家族が見つかる純血種は、特定の保護団体からみれば都合がいいんです。

保護団体とブリーダーの関係

保護団体はブリーダーにはやく繁殖引退犬クレクレと、チラシや電話でセールスすることもあります。そうやって保護団体さんはブリーダーからお金をもらって引き取っています。レスキューしないといけないようなブリーダーではないですよ。

そうして、里親さんには寄付金という名目で、10万円・20万円を譲渡価格にプラスで請求をしたり、定期フードを義務付けたり、指定の保険会社への加入を義務付けて手数料をもらったり・・・というようなことをしています。保護犬の名を借りたビジネスですよね。

ペットオークションで買い付ける動物愛護も存在するぐらいですから。

ちなみに、定期フードや特定の保険に加入させている訳は、一応理由があります。詳しくは別のnoteで。

こういう風に仕入れたワンちゃんを「ブリーダー飼育放棄!」「レスキューしました!」と書いて里親募集をして、人気だから35万円です!と言ってしまうのは、 本当にレスキューした保護団体に対して失礼だなと思います。 

なにより、保護犬ビジネスについて反感を買っている一番の理由は、家族が見つかりやすい提携したブリーダーから仕入れた子だけを里親募集をして、特に審査もせず横流しにしているからなんですよね。

冒頭でお話した通り、「保護犬の方が儲かるのに。」と言われた理由はこういうことです。全うなブリーダーから仕入れれば、ほぼ費用もかからず横流しできますよね。

ペットの実家はなぜそういった保護犬の引き渡しではなく、生体販売をしているのか。ですが、私は素敵な出産環境を整えているブリーダーから迎える人が増えたらいいなと思っているからです。背景が全く分からない保護犬やペットショップの子犬ではなく、産まれてからあなたと出会うまでの過程までも見てもらいたい。そして、素敵な出産環境を整えているブリーダーやそこにいる母親にお金を還元したいと思っているので、「ペットの実家」というブリーダー直販という生体販売をしています。生体販売なので否定されることも多いですが、私は親犬に還元したいだけです。

もっともっと、ペット業界がクリアになればなと思っています。

このnoteをみて、保護犬を検討している方、どうして保護犬を迎えたいと考えてくださったのか、一度お考えいただきたいです。

殺処分される子を助けたい。

行き場のない子を助けたい。

子犬は性格が分からないから成犬を探している。

子犬より安いから保護犬を探している。

どれに入りますか?

殺処分される子を助けたいのであれば、その多くが繁殖引退犬でも、ブリーダーが手放したハンデのある子犬でもありません。

本当に保護された子をお探しなら、どういった経緯で保護されたか、提示してくれる動物愛護団体さんをお探しされることをおすすめします。


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あなたと出会うまでも、幸せに。
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