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自分になかったはずのもの。

みんなさんこんにちは、ヨーロッパのマルタ共和国🇲🇹という国でプロサッカー選手としてプレーしている飯田哲平です。

もう少しでマルタでの2年目のシーズンが開幕します。

出発直前に日本で会うことが出来た人には伝えていたのですが、、、

2年契約していたチームからローン移籍をする事になりました。
昨シーズンいたチームでは2部で2位という結果から1部昇格をする事ができました。ですが今回のローン移籍先はまたも2部のチームです。

せっかく昇格したのにまた2部なの?と思う人もいると思います。

自分自身、昨シーズンはチームの主力としてほとんどの試合をスタメンフル出場しました。
初めてシーズンを通して全試合に出場して、怪我もなく、やり切ることのできたシーズンでした。そして、シーズン開幕前に目標とした1部昇格。言葉では表現できないほどドキドキワクワクが止まらない素晴らしいシーズンでした。
一緒に闘ったチームメイト、スタッフ、会場に足を運んでくれる人たち、日本から応援してくれていた家族や友人、沢山の人のおかげでこの結果がついてきたんだと思っています。
本当に心から感謝しています。

自分が出せる全力を、自分のためにチームのために振り絞ることができたシーズンでした。


日本に帰国して、チームと来シーズンの話をすると、、、

『2年目から良くなるはずの契約内容が変わらない』

正直言って全く理解が出来ませんでした。

財力のあるチームではないのは知っていました。そして、2部から1部に上がる事で外国人枠も増える関係でチームが大変になるとも分かっていました。

でも蓋を開けてみたら1円も上がらない契約内容。チームとして、選手として結果を出した事に対してのこの対応が全く理解出来ませんでした。自分だけじゃなく日本人を馬鹿にされているように、軽く扱われているように感じました。

もちろん今までも今でも日本では全く無名で、雑草のようにただひたすら上を目指しました。だからかもしれないけど、プライドというものには無縁でした。結果を出してない自分が悪いし、素直に受け入れて、次に活かすために自分の中で整理してトレーニングをする。そうやって今までやってきました。

でも今回に関しては受け入れられなかった。


大学の時に一個上の先輩トレーナーがある言葉を言っていました。

『納得はできなくても、理解はしてほしい』


自分はその言葉が今後生きていく上でとても大事な言葉のような気がしていました。
これからの人生、絶対に理不尽な事が起こる。
納得はできないけどやらなきゃいけない時、だからこそ理解しなければいけない場面。
そんな時はこの先輩トレーナーの言葉を基準にしてみようと思っていました。


そう思って、今回のチームの自分に対しての待遇について考え直しました。



やっぱりどう頑張っても理解出来ませんでした。
結果を出した選手に対してなんのリスペクトも感じることができない。そんなチームの為に自分はプレーできないと感じました。

一度は我慢してチームに残ろうと考えました。正直ヨーロッパ1部でプレーできることはとても魅力的です。でもその時に、ここで鵜呑みにしたら自分で日本人の価値を自分の価値を下げてしまう気がしました。自分がサッカーに対して今までやってきた事全てを自分で侮辱してしまうように感じました。それだけは嫌だった。自分が何をしてきたか、どうやってここまで歩んできたかは、自分が一番分かっている事だからこそ、せめて自分自身はリスペクトしたいと思った。


プライドが邪魔してると思われてもそれでもいい。むしろ自分にプライドという新しい存在を確認出来たことが嬉しくも思う。



きっと難しい方を選んだねと思う人もいると思う。でもこれが自分の中で一番納得できる選択だった。今年も2部にはなるけど、まだ挑戦できる環境に自分はいる。
この環境を与えてくれた事には本当に感謝しています。

もともと雑草みたいなもんなので、揉まれるのには慣れてます。
ただただ上に向かってもがきます。



今までの『自分になかったはずのもの』
意外と自分では気付かないうちに自分の中の何かが変化している事に新鮮さと喜びを感じます。これもまた一つの成長なのかなと思っています。

サッカーはそんな簡単なものじゃないけど、でもやるからには上を目指します!

なのでまた今シーズンも応援よろしくお願いします😊

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