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ブンチョウを健やかに育てるために大切なこと
“手のりの小鳥”としても知られているように、人慣れしやすく飼いやすいペットとして人気のあるブンチョウ。中国を経て、日本には江戸時代初期に渡来しました。
原色の個体は頭や尾が黒く、頬は白、体の上部や胸の羽衣は青灰色、お腹や側面の羽は薄いピンク色と美しい見た目です。原色以外にも、ブンチョウはシナモン・白・シルバーなどさまざまな色の個体がおり、カラーバリエーションが広がり続けています。
今回は、かわいらしい表情と美しいフォルムを持つブンチョウを、健やかに育てるポイントをご紹介します。
ブンチョウの特徴
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<分類>スズメ目 カエデチョウ科 キンパラ属
<原産国>インドネシア(ジャワ島、バリ島)
<体長>オス・メスともに約14cm
<体重>オス・メスともに約25g
<平均寿命>7~8年(18年以上生きたブンチョウもいるそうです)
※体長・体重・平均寿命には個体差があります。あくまで目安としてご認識ください。
ブンチョウは人慣れしやすく飼いやすい
ヒナから育てることで、ブンチョウは人にとてもよくなつき“手のり”するようになります。成鳥から育てる場合でも、時間をかけて接することで手のりする個体もいるほど、ブンチョウは人慣れしやすいフィンチ(小鳥)です。
ブンチョウはフィンチの中では寒暖に強く比較的丈夫で、鳴き声もインコ類に比べると静かで近隣への心配が少なく、飼いやすいことから人気を集めています。
ブンチョウの育て方
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ここではブンチョウがヒナから成鳥に育つ過程を踏まえて、環境や食事など育てるポイントをご紹介します。
まずは環境を整えよう
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個体差にもよりますが、ブンチョウのヒナは生後約2~3ヶ月頃には全体の羽が生え揃います。
その頃にヒナがバタバタと羽ばたく練習をはじめたら、数日後にはヒナ用のケージから飛び出せるようになるので、成鳥用のケージに移しましょう。
ただし、突然成鳥と同じ環境にしてしまうとストレスを溜めてしまうとともに、事故がおきる危険があります。安全にブンチョウを育てるために、ここで紹介する4つのポイントを守ってください。
【1】ケージ底の金網はNG
成鳥用のケージに移った当初、ブンチョウは止まり木に慣れていません。そのため、ケージの下にいることが多くなります。
鳥用のケージの底には金網が付いていますが、そのままでは足を挟んでしまい骨折してしまう恐れがあります。
成鳥用のケージに移す際には金網は必ず取り外し、ブンチョウが上手く飛べるようになるまではヒナ用のケージに使っていた床材を敷くようにしましょう。
【2】止まり木は低い場所に1本
まだ止まり木に慣れていない段階でケージ内の高い位置に止まり木を置くと、ブンチョウが落下してしまう危険があります。
成鳥用のケージに移った当初は必ずケージ内の低い場所に止まり木を1本だけ設置し、ブンチョウが安定して止まれるようになった時点で、高い位置に止まり木を増やてあげましょう。
【3】食事は食べやすい位置に
ブンチョウのヒナを成鳥用のケージに移すタイミングは、食事を成鳥用に切り替えるときが一つの目安です。
ケージに移した後も最初はヒナ用の食事入れを続けて使い、新たな環境に慣れてきたら成鳥用の食事入れに切り替えましょう。
▼ペットの専門店コジマでは、手のりサイズのブンチョウが過ごしやすいケージを取り扱っています。購入する際のご参考にぜひご覧ください。
【4】夏場・冬場に快適な環境を
ケージはヒナの飼育ケースよりも保温機能が低いため、ブンチョウにとって適温の24~26℃をキープするために、ペットヒーターを置きましょう。
とくに冬場など、気温が低い時期はペットヒーターでの保温が有効です。また、ブンチョウは水浴びが好きなので、暖かい時期には水浴び用の容器を入れてあげると快適に過ごせます。
<複数のブンチョウを育てたい場合>
一緒に暮らすブンチョウとブンチョウの気が合わない場合、激しくケンカをしてしまう場合があります。
相性が合うペア以外との暮らしは大きなストレスを感じてしまうため、ブンチョウ同士のはっきりとした相性がわからない場合、無理に同じケージで生活させることは避けた方が良いでしょう。
気の合うブンチョウ同士か、もしくは1羽で育てることをおすすめします。
ただし、気の合うブンチョウ同士で暮らしている場合、ブンチョウ同士で仲が良くなり、手のりしなくなってしまう可能性もあります。(人に寄りにくくなる状態)
ブンチョウと良い関係を築くために
ブンチョウが飼い主様を認識するタイミングは、成鳥の羽に代わる1回目の換毛期です。成鳥するブンチョウと信頼関係を築くためには、この時期の接し方に気をつけましょう。
ポイントはブンチョウから「危険な相手ではない」と認識してもらうこと。嫌がることは極力避け、できる限りコミュニケーションをとることがポイントです。
例えば、
■食事の際に「○○ちゃん、食事だよ」
■掃除の際には「○○ちゃん、これから掃除するね」
など、たくさん話しかけてみましょう。
また、ブンチョウは多くの動物と同様にアイコンタクトで相手の感情を読みとれると言われています。もしブンチョウが飼い主様をじっと見つめてきたときには、アイコンタクトを返してみましょう。
ブンチョウは仲の良い相手ほど、礼儀正しいペットです。飼い主様のことを"礼儀正しい相手”だと認識すれば甘えてくるようになるなど、さまざまなアクションを起こすようになります。
<指先は向けないようにしましょう>
ブンチョウはクチバシを向けられると、本能的に「威嚇された」と感じます。指先やペンの先端など、先が尖ったものを向けないようにしましょう。
ブンチョウのヒナの食事
ヒナは生後、日が浅ければ浅いほど食事の回数が多くなります。ヒナの体力を消耗させないように、この時期の食事はスピーディーかつ、確実に済ませなければなりません。
その後、ヒナの成長に合わせて少しずつ食事内容を切り替え、生後約2ヶ月半~3ヶ月頃には成鳥と同じ食事ができるようにタイミングや内容を調節します。
【生後20日~1ヶ月半頃】
生後間もない小さなヒナには、専用のスポイトで直接食事を“挿し餌”をします。
ヒナの主食となる「あわ玉」に、プラスして栄養剤となるサプリメントや少量のパウダーフードなどを少量加え、ぬるま湯(38℃前後)で攪拌し与えていきます。
なお、挿し餌は痛みやすく保存がきかないため作り置きをせず、毎食新しい物を作り早めに与えましょう。
▼ペットの専門店コジマでは、ブンチョウの栄養を補給できるサプリメントを取り扱っています。購入する際のご参考にぜひご覧ください。
【生後2~3ヶ月頃】
この頃は「中ビナ」と呼ばれ、成鳥になるための食事を練習していく時期です。少しずつ挿し餌の回数を減らし、ヒナが自分で食事を食べるように促します。
その際、粟穂と呼ばれる小鳥のおやつを与えると比較的、楽に挿し餌から一人餌に移行することができます。ケージ内に粟穂を吊るすことで粟穂をつつき遊びながら、殻付きの種餌を食べる練習ができます。
粟穂をつつく仕草が見受けられたら、ケージ内のブンチョウが見つけやすい位置に成長用フードとお水の入ったお皿を必ず設置してあげてください。
ブンチョウの成鳥の食事
生後3ヶ月を過ぎたら、ブンチョウの様子を見ながら成鳥用の食事にシフトします。ブンチョウは夜に寝るため、食事回数は朝の1回です。ただし、水入れの中の水をよく汚すため、水は適宜新鮮なものに交換してあげてください。
食事は人間同様に、バランスの良い食事を心がけます。新鮮なブンチョウ専用混合フードかフィンチ用混合フードを選びましょう。鳥は食事の際に食事を散らかす習性があるため、食べきる量よりも少し多めに食事を置いておくことがポイントです。
また、種餌ではなく総合栄養食である「ペレット」と呼ばれる人工飼料で給仕をする際も、この時期からペレットを与え始めると、ペレットを主食として食べてくれるようになります。
栄養の補助としてサプリメントをフードとは別に与えることもおすすめです。新鮮な小松菜、チンゲン菜といった青菜をおやつ代わりにあげてみましょう。
▼ペットの専門店コジマでは、ブンチョウがバランスよく栄養をとれる混合フードを取り扱っています。購入する際のご参考にぜひご覧ください。
食事はブンチョウが食べやすいように小さな容器に入れましょう。いつでも綺麗な水を飲めるよう、こまめに取り換えることも忘れずに!
気をつけたいブンチョウの病気
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ブンチョウのような小動物は、ささいな病気やケガが体調に大きく影響する場合があります。そのため、普段の健康管理がとても大切です。
毎日ブンチョウの様子を観察し、日々の天候や食べた食事の種類・量などをメモしておくと、もし病気にかかった際の対応に役立ちます。
ここでは、ブンチョウがかかりやすい病気を2つ取り上げ、症状・原因・予防方法をご紹介します。
ブンチョウの下痢(消化器系疾患)
ブンチョウが体調を崩す最も多い原因は、主に下痢などの消化器系疾患です。原因は何らかのストレスにより抵抗力が低下して引き起こされる場合が多く、通常なら対応できる細菌やウイルスに感染することで発症してしまいます。
その他、飼育環境の温度が低すぎてお腹を壊してしまうこともあります。生後から日が浅いヒナや高齢の成鳥など、体力のないブンチョウにとって消化器系疾患は最悪の場合、命に関わる危険があります。
日頃からブンチョウにとって過ごしやすい環境を整えることが、最も大切な予防策です。
<ヒナの食事にも配慮を>
ヒナはとてもデリケートで、突然食事の種類や回数、量などが変わると体調を崩すことも。成鳥向けの食事に切り替える時期も含めて個体差があるため、食事のポイントはブンチョウをお迎えしたお店のスタッフにご確認ください。
▼ペットの専門店コジマでは、ヒナの腸内環境を健やかに保つ乳酸菌入りのフードを取り扱っています。購入する際のご参考にぜひご覧ください。
トリコモナス
トリコモナス原虫の感染により発症し、ヒナや若鳥に多い病気です。感染初期は食道にある“そのう(そ嚢)”に寄生し、食道から副鼻腔などに寄生していきます。
症状は、嘔吐・くしゃみ・結膜炎・食欲不振・体重減少など。食欲がなくなり、吐きもどしが起きます。そして吐きもどすものがなくても、同様の行動をとり、羽を膨らませて動かなくなることが多くなります。
健康なブンチョウは感染しても症状が出ません。体力や抵抗力の低いヒナは発症しやすいため、経口感染のおそれがある鳥との接触を避け、体力を蓄えられるように落ちついた環境で育てることが大切です。
体力がある時期に発症した場合の治療はそう難しくないため、早期発見・治療を心がけましょう。
実はアピール上手? ブンチョウが思いを伝えるサイン
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オスの成鳥が跳ねるようにダンスしながら澄んだ声でさえずるなど、ブンチョウは鳴き声や行動で思いを伝えようとします。かわいいブンチョウが何を考えているか理解できたら、嬉しいものですよね。
ブンチョウが思いを伝える際のサインを、いくつかご紹介します。
【チッチッ、ピッピッと短く強めの声】
飼い主様への呼びかけ(「ねぇねぇ」とお願いするイメージ)
【ヒューヒュー、キューキューと高く小さめの声】
さみしいときのアピール(「かまってよー」と甘えたいときに話すイメージ)
【尾羽をプルプルする】
食事を食べたときや水浴びが終わったときなど、満足しているときの仕草です。
【ギチギチと喉を鳴らす】
機嫌が良いときや幸せを感じているときに見せる仕草です。
(参考:ちゅら動物病院)
手間や時間を惜しまずに愛情をもって育てれば、ブンチョウは丈夫に育ちとってもよくなつきます。ブンチョウの鳴き声や仕草にも注目すると、よりかわいさが深まりそうですね。
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