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自社構築を行う際やSaasを選ぶ際に気をつけたい事

こんにちは!前回の記事ではデータ分析基盤の利用の前に整理したいコストについてまとめました。
まずは「現状のコスト」を洗い出し、その後導入する方法によって「導入後のコストシミュレーションの必要がある」という所までは整理できました。
でも実際に導入後のコストシュミレーションと言われてもそんなものは構築する内容にもよりますし機能にもよります。
今回はそういった導入する際に検討しておきたい機能についてお話します。

少し前の記事ですが、「小売のデータ分析の部署ごとに得られる便益」をジョシュにまとめてもらいました。

小売のデータ分析って何が便利なの?

こういった便益について、実際にどういった機能が備わっている

データ分析基盤を構築 or 選択すればよいでしょうか?



データ分析基盤の選定ポイントをまとめて!

  1. 処理速度の確保

    • 大量のデータのインポート、エクスポートがサクサク動くか

    • 全データ検索などの処理時間が短いか

  2. 自動化機能の充実

    • データ連携から集計処理までをスケジュール管理できるか

    • エラー時の通知機能があるか

  3. スケーラビリティの担保

    • データ量が増えてもパフォーマンスが落ちないか

    • ユーザー(同時アクセス数)が増えても耐えられるか

  4. カスタマイズ性の高さ

    • ビジネスニーズに合わせて自由にレポート作成できるか

    • SQL知識がなくても簡単な集計ができるか

  5. データの統合性確保

    • 様々なDBからデータ取り込みが可能か

    • Web APIとしてもデータ提供可能か

  6. 高度な分析が可能

    • 音声データや画像データのディープラーニングが可能か

    • 顧客のグループ分けなどクラスタリングが可能か

  7. セキュリティ対策

    • 個人情報などの機密性データの管理が行き届いているか

    • マルウェアから守るためのセキュリティ対策ができているか

  8. メンテナンスの手間が少ない

    • バージョンアップ時の影響が少ないか

    • バージョンアップ時の手続きが簡単か

  9. 長期的視野に立った設計

    • 10年以上使える設計になっているか

    • データマイグレーションのしやすさを確認しておくこと

以上のポイントに注意しながら、データ分析基盤を選定することが求められます。


回答としては非常に正しいですね。ただ、僕が聞きたかったのは「小売業のデータ分析基盤を構築する際に注意しないといけないポイント」とかだったんですよね…。
これは僕の質問の仕方が悪かったですね。
でもこの情報自体も前段としてDWHなどの選定の際には重要なので残しておきましょう。
では仕切り直してもう少し事業にフォーカスした質問にしてみましょう。


今後小売業が直面する十年先の問題を踏まえて実際に構築する際に注意しないといけない点

を教えて。

十年後の小売業を見据えた上で注意すべき点を以下にまとめました。

  1. オムニチャネル対応: 小売業はこれから更にオンラインとオフラインの融合、いわゆるオムニチャネルが進んでいくと予想されます。そのため、様々なチャネルのデータを統合して一元的に管理・分析できるような環境を構築することが肝要です。

  2. 実店舗の役割変化: オンラインショッピングの普及により、実店舗の役割も変化し、顧客体験の場としての機能が強くなると予想されます。そのため、顧客体験に関するデータを取得し分析することが重要となります。

  3. 顧客行動の予測: AIや機械学習の発展により、顧客行動の予測がより精度高く行えるようになると予想されます。そのため、予測分析を可能とするデータ基盤を構築するべきです。

  4. データセキュリティ: 小売業は大量の顧客データを扱いますので、データ漏洩などのリスクも存在します。そのため、セキュリティ対策を万全に施したデータ基盤の構築が必要です。

  5. リアルタイム分析: オンラインとオフラインの境界がなくなるにつれ、リアルタイムでの顧客行動分析が求められるようになります。そのため、大量のデータでもリアルタイムで処理できるデータ基盤の構築が重要となります。

十年先を見据えたデータ基盤の構築では、上記のような視点を持つ事が重要です。


これですね。
こういう事を答えてほしかったんです。
Saasのサービスなどでデータ分析基盤を利用される場合も上記の点が可能かのかをおさえておくことをオススメします。


上記5つのポイントを実装するためにはどういった機能が必要なの?

  1. オムニチャネル対応:

    • データ統合機能: オフライン(店舗)およびオンライン(ECサイトなど)を含む各チャネルから得られるデータを一元的に統合できる機能が必要です。

  2. 実店舗の役割変化:

    • カスタマージャーニー分析: 顧客の購買行動から顧客体験を理解するため、顧客が経験する触れ合いの全過程(カスタマージャーニー)を分析する機能が必要となります。

  3. 顧客行動の予測:

    • AI/ML機能: 顧客の行動を予測するためには、AIや機械学習を扱う機能が必要となります。

  4. データセキュリティ:

    • セキュリティ対策機能: データの暗号化やアクセス権限管理、不正アクセス検知などのセキュリティ対策機能が必要となります。

  5. リアルタイム分析:

    • 高速処理機能: 大量のデータをリアルタイムに処理するための高速処理機能(インメモリ処理など)が必要です。

データ基盤を構築する際には、これらの機能を満たすツールを選択することでポイントの実装が可能となります。


4とか5はDWHはBIツールの機能として備わってる所も多いですし、注目したいのは1~3のポイントですね。
シンプルなデータを単純にビジュアライズするなどの分析ではなく、複合された複雑なデータを紐解いていくような作業が必要になってきます。
このあたりの機能はしっかりと実装できていないサービスの場合は集計作業の自動化のみで終わってしまう可能性はけっこう高いと思ってます。

まあでもこの話も「うちは実店舗しかありません」とか「EC専売でやってます」みたいな企業さまもありますので、自社の状態に合わせて選んで行けば良いと思います。
とは言いつつも十年後どうなるか分からないみたいな話もありますので事前に気をつけておきたいポイントとして今回はまとめさせていただきました。

この記事ぐらいで「『小売業』と『データ』の話」の事前整理はだいたい揃ってくると思います。
次以降は「実際にどういった分析をして行けばよいのか?」についてまとめていきたいのですが、その前に今までのまとめをして一旦マガジンの区切りをつけたいと思います。



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