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真珠月

頬をかすめる冷たい風が
昨夜のキミの少し高くて
かすれた声と重なる

この手にあったぬくもりと
確かに触れたキミの髪
夜を掘り起こせば
胸の真ん中に穴があく
呼吸の仕方を忘れる程に
疼くカラダを風が抜ける

大切なものなんて
そんなに多くないんだ
守りたいのはキミだけなんだ

記憶に散らばるキミの面影
ひとつひとつ拾いあつめて
そこだけ熱く紅く
胸に焼きつく

秘密を抱いた貝のように
白く輝く冬の月
痛みと一緒に生まれたキセキ
涙が洗った真珠色

キミが欲しいよ
いますぐ この手に
見えない何かで繋がってると
信じているけど

キミが欲しいよ
いますぐ 欲しいよ
夜風に流したたぎる想いを
あの月だけが知っている

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