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Glass grayシリーズについて

Petit écrin étoile(プチエクランエトワール)のeriと申します。ロリータファッションのヘッドドレスやアクセサリーを製作しています。

今回は Glass gray シリーズについてのnoteです。
名前のとおり、グレーを基調にガラスを使用したシリーズとなります。

プチエクランエトワールではタグやショップカード等の紙物やイベントディスプレイ等にグレー色を使用することが多いです。
真っ黒よりも少しだけやさしい印象があり、中高生の頃から文字色を選ぶ時などに好んで使っていました。(学校のパワーポイント作成などでも灰色のカラーリングを選んでいた記憶があります)しかし製作で殆ど使用していないことにふと気付き、思い切ってこの「グレー」を基調としたシリーズを作ろうと考えました。

アイテム展開はヘッドドレス(濃いグレーと薄いグレー)、イヤリング・ピアス。
"エレガントで大人っぽい印象"に重きを置いてデザインや材料選びをしたシリーズになります。

本作はブランド内では少し珍しく、アイテム展開や販売の仕方にコンセプトを持たせたシリーズとなっています。

10年くらい前にプラハへ旅行に行った際、お土産屋さんには沢山のガラスアクセサリーがずらっと並び、ちょっとずつ違うブレスレットを眺めて好きなものを選んで買った思い出があります。とても心が躍ったのを覚えています。

今回使用しているチェコガラスのボタンは同じものがコンスタントに何度も何度も手に入りづらいことや、どれも魅力的で使う柄を決めきれなかったことから色んな柄を使うこととしています。

同じものをまた使うケースもあり、完全な一点物にはならないと思いますが、個体差をあえて初めから作ることで私自身も毎回更に新鮮な気持ちで作っていけると考えています。

柄の違いによる管理が大変なことと、ガラスの色味が写真で伝えづらいことから、しばらくはイベント等直接見て買っていただける場所での販売になる予定です。

そんな経緯から"おみやげ"がサブコンセプトと言わせていただいています。
お土産屋さんに来た時のような、お気に入りとの巡り合いを楽しんでもらえたらいいなと思っております。

ヘッドドレス

今回はブランド内で時々作っています、布フリルのタイプのヘッドドレスにしました。
グレーの布を使ってフリルを作る、ということだけ決めて布選びをスタートしたのですが、気になる布が沢山あってかなり迷ったことを選んでいます。
何度か生地屋さんに足を運び、最終的にやわらかい光沢とほんのりシャリっとさらっとした質感が素敵なサテン生地に行きつきました。
もともと強い光沢の布ですが、この布の裏側を表として使用しています。フリルの陰影がしっかり見えるため、作りながらわくわくできるポイントです。

light
dark

同じ種類の生地で薄いグレーと濃いグレーがそろったため、シリーズで統一感も出てラッキーです。
薄いグレーは冷たい中にほんのりベージュみも感じるような色味、濃いグレーはローズピンクを上から被せたような色味です。どちらもほんの少しの暖かさから肌馴染みの良い素敵な色です。

センターラインには少し薄いグレーのレースを配置しています。
華やか過ぎないエレガントな模様に一目惚れでした。
また、硬さがあって扱いやすく、他のカラーもあったためいつかまた使いたいリスト入りです。
2カラー共通で同じものを使っているのですが、それぞれ印象が異なり、ここも作っていて楽しいポイントでした。

飾りはビーズ刺繍で作ったモチーフをつけています。
外側からグレーのパール、グレーの小ビーズ、シルバーの特小ビーズ、中央にチェコガラスのボタンをつけています。
パールのグレーの色選びは悶々と頭を悩ませましたが、逆にビーズのグレーはすぐ決まっています。

中央のボタンは何種類かまとめて購入した後、それぞれの布に当てて濃い方に使うか薄い方に使うかを振り分けています。


「大人っぽい」「エレガント」「フェミニン」のような言葉が似合うヘッドドレスにしたくて、アイテム内に華奢な部分を作ることにしました。
ガラスのチャームは細長いドロップ型のものを採用し、細いリングを一回経由して飾りにぶら下がっているデザインとなっています。

飾り自体が大きめでしっかりめに揺れるため、今回はヘッドドレスの片側にのみつける仕様にしています。(ブローチピンでついているため、好きな方につけられます)

普段私はプチエクランエトワールのヘッドドレスを製作する際、「引き算を意識すること」「冷たさをどこかに出すこと」を考えるのをマイルールにしています。
しかし今回は文字ベースのデザイン案の段階では色も形も控えめ過ぎて引くところがないこと、元々が冷たいイメージであったことからいつもと逆の事を考えて作りました。

・飾りのビーズ刺繍モチーフの、外側に使ったパールにサイズの大きなものを選び、存在感を出しています。
(普段は3〜4mmのものを使っていますが、今回は6mmのものを使っています。大きさがあるため外れないよう、いつも以上に何重にも縫い付けるようにしました)

・金具やリングなどをシルバーからゴールドに変更し、あたたかみを加えました。
(透明なガラスのチャームも最初の案ではフレームなしの反射が強いものでしたが、ゴールドのフレーム付きのものに選び直しました)

イヤリング・ピアス

耳飾りにはヘッドドレスより少し小さいガラスボタンと、逆に少し存在感のある透明なガラスチャームを使用しています。
大ぶりでありながら主張しすぎない耳飾りにしたいと考え作っています。

使用したガラスのボタン・チャーム自体に存在感があること、それらだけですでに重さがあることからあまり手を加えられなかったのですが、それでもどうしてもシリーズとして展開したい気持ちがあったため商品化するところにしました。
変なところが凝り性な性格のためかどこか少しでも手を加えたくて悩み、ヘッドドレスと共通の細かなビーズで囲むことでガラスボタンの輪郭をはっきりさせています。

重さがあるため、イヤリングは比較的しっかりした三角バネの金具のものに、ピアスのキャッチを樹脂のものにしています。

シリーズ自体がかなり気に入っており、このイヤリング/ピアスのために新しいディスプレイを買ってしまったくらいで、イベントで陳列しながらテンションが上がっていました。

ここのコーナーは自分で何度も見てニヤニヤしていました

手間よりも材料費の方が大変な耳飾りのため別の柄で作るのはもう少し先になるかと思います。

今回もデザイン、材料選びから楽しく製作することができました。
先の話になるかもしれませんが、グレーのアイテムはまた作りたいと考えています。

読んでくださりありがとうございます。

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