見出し画像

扱われたように

扱われたように人は振る舞う

人ではないけれど
最近、本当だなと実感することがあった

うちの娘の犬は
とても大変だった犬
生後2ヶ月でも抱っこさせてくれない
触られるのは大嫌い
エサは早く食べすぎて気管に詰まる可能性があるため、フードボールではなく、手で少しずつあげる
それも、毎食
怖がりで人を見ると吠える
犬も苦手で吠える
飼い始めたときは、一生、部屋の外へ出せないかもと言われていた
そして何千匹も犬を見てきた彼女のトレーニングの先生からも、こんな犬はみたことないと言われていた。私が抱っこできなかった犬は今までいない、と。

犬を飼うのなら、もっとちゃんとした犬がよかった
なんで、私のところにこの子はきたのだろう

娘はたぶん、そう思っていたと思う
私はそう思っていた
「かわいそうな大変な犬」と思っていた

彼女はひとつひとつこの犬の課題を乗り越え、
もうすぐ9年を迎える今
この犬ととても穏やかに過ごしている
外に散歩にいくことができる
犬を見ても吠えない時もある
車に載せると全く吠えずにずっと寝ている
吠えて要求してくることはない
私がなぜてもがまんしてじっとしてくれる
暴れることはない
飛びついて来ることもない

いろいろなことがあったけれど、
苦手なものもあったけれど
「総じていい子のシュトゥルさんだね」
私たちは今、この犬のことをそう言うことが多い。

そう呼びはじめてから
ますますこの犬が落ち着いたように感じる

「かわいそうな大変な犬」と扱っていた頃とは
全く違う

娘のところに来てくれて、本当によかった。
総じていい子のシュトゥルさん

扱われるように振る舞うってこういうことかな







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?