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年長さんの劇「夢の色ってどんな色?」の作者が語る①

PETIPAオリジナル、劇発表教材「こども歌劇®︎」。その中でも人気No.1の「夢の色ってどんな色?」は年長、つまり卒園児に向けて書かれた作品です。作者の私があらすじやテーマ、登場人物、お気に入りの場面や感動するところ、上演された園のエピソードなどを語っていこうと思います。

「夢の色〜」はもともとPETIPAがダンススタジオの時の生徒達の発表会用脚本

PETIPAのダンススタジオ時代の発表会は、ただのダンスの羅列でなく毎回工夫を凝らしていました。テーマがあったり、ストーリーで展開したり。その中でもこのステージはまるでミュージカルを見ているようだったと特に大好評でした。当時のタイトルは「夢の色〜?」ではなく「ピクシー」、つまり「妖精」という意味ですね。

「夢の色ってどんな色?」の前身「ピクシー」のストーリー

妖精学校の卒業試験「夢の色とはどんな色でしょう?」の答えがわからなくて197回も不合格になっている落第生・ピアノの精ポロロン。今年こそは卒業させようとする校長先生に旅に出るよう命じられます。
「夢の色がどんな色なのか、それがわかってこそ、一人前の妖精になれるのですよ。妖精の国をでて、旅に出なさい。 森の静けさ、湖の青さ、月の満ち欠けが、そして星の光が、あなたに答えを教えてくれるでしょう。 答えが見つかるまで、帰ることは許しませんよ。さあお行きなさい!」
ポロロンはお目付役のふたりの蝶々の精と仕方なく夢の色をさがしに旅に出るというコメディタッチのお話がダンスで進行していく、というステージでした。コメディタッチはこども歌劇でも冒頭部分に残していますが。

夢の色を探して旅に出たピアノの精ポロロン

というわけで旅に出たものの…このポロロン、夢って寝てる時に見るから寝ればいいんだとか、女の子に誘惑されて「夢の色は赤だろう」とついていくと、実は妖精を食べようと狙っていた狐だったとか、氷の城に紛れ込んで凍らされてしまったりとドジばかり(もっと場面はありますが)。途中、人間の体を乗っ取ろうとする影に襲われ、あわやというところを月の精が夜の帷をおろして助けてくれます。そして、メロディというピアニストに出会います。

このメロディ、技術はあるのにコンクールではいつも2位。なぜ自分は1位になれないのか…「心がないから感動が届かない」とポロロン。もっと速く、強く、正確に弾けば1位になれるとひたすら練習するメロディに、ポロロンは初めてピアノを弾いた曲は何かと問いかけます。メロディはその時の気持ちを思い出し、自分に欠けていたものに気づき…
メロディ「もう一度純粋な気持ちに戻って、ピアノを弾くわ。・・・ありがとう。また会えるかしら?」
ポロロン「本当は人間の前には姿を現わしちゃいけないんだ・・・。でも、ピアノの音がするところにはいつもいるよ。」
メロディはにっこりと微笑み、観客が待つ舞台へと上がっていきます。

そして、ポロロンは答えに辿りつくのです。


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