見出し画像

のんちゃん

今通っている教会に、「のんちゃん」というタメの友だちがいる。
ある日、駅からの帰り道、八百屋の前でのんちゃんに会った。

私は最初、その女の子を見て、のんちゃん?と
よぎったが、いや、違う人かな。とおもった。

でも、その子が
「はなちゃん?」というので、
「ああ、のんちゃんか」と、わかった。

ぱらぱらと世間話をして、
「今度いっしょに髪を切りに行こうよ」と言って別れた。

その1週間後に、また八百屋の前でのんちゃんみたいな人を見かけた。
前回もそのときも、別に八百屋で買い物をしていたわけではない。

その子はやっぱりのんちゃんだった。
「また会ったね〜今度遊ぼう」
といって別れた。

その1週間後、もう全く家の最寄りでもないような駅で、だれかとすれ違った。

「はなちゃん!」

と呼ばれたが、ランニング中で疲れ切っていたので、だれかもよくわからないまま、

「やっほ〜」

とだけこぼして通り過ぎた。

あとでラインで聞いてみたら、やっぱりのんちゃんだった。

その1週間後に、また八百屋でのんちゃんを見た。
でも、違う人かと思って通り過ぎた。

そうして通り過ぎてから、私の足がおそかったのか、また別の道から同じ格好の人が歩いてきて、やっぱりのんちゃんだった。

それで、よく会うねえといって、またおしゃべりした。

そのとき、私には悲しいことがあった。

外側からは見えないのだけど、小さいたんこぶが、こころの奥の方で、ぷくーっとふくらんでジンジン痛んでいた。

なので、最近たんこぶが痛いんだよねえと話してみた。

するとのんちゃんも、ちょっと前まで同じようなたんこぶがあったという。

彼女のたんこぶの話を聞いているうち、自分のたんこぶはシューっとしぼんで、消えていた。

それで、またね〜といってお別れした。

そしたらもう、あれからしばらく、あの八百屋でも道端でも、全く別の駅でも、のんちゃんにはパッタリと会わなくなってしまった。


やっぱり、
神さまだな〜〜って思った。

やっぱり神さまが、
私を引っ張ってくれて、
のんちゃんを連れてきて、

いっしょに会うように
させたんだな〜〜って思った。


やっぱりな〜〜

神さま〜〜

って思った。

もうすぐ、のんちゃんといっしょに髪を切りに行く。